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「山風短(山田風太郎原作 せがわまさき漫画」)」③青春探偵団<砂の城>

2020/03/23 19:00 投稿

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  • 山田風太郎
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・忍者も侍も出てこない、現代が舞台で主役が高校生という作品。え、山田さんってそんなのも書いてたの、という意外な感想。

この原作は本来連作形式で全6編だかあるらしく、そのうちの1エピソードを漫画にしたものらしい。


 霧ヶ城町の霧ヶ城高校というところに殺人クラブなるものがある。物騒な名前だが実体は探偵小説愛好会。ミステリの批評などもやるがトリックの考案もして、実際にこれを使ったいたずらなどもしている様子。全寮制らしく男子は青雲寮、女子は孔雀寮というのに入っている。
 メンバーは男子3名、女子3名。お似合いのカップル三組でもある。全員3年生。

秋山小太郎・・・メンバーの中心ぽい美少年。頭の回転が速く機転が利くタイプの様子。
織部京子 ・・・長い黒髪を三つ編みにしている美女。ちょっと気が強い。

大久保大八・・・大柄でごつい体力担当。柔道二段。
竹ノ内半子・・・大柄でふくよか。柔道初段だが気持ちは優しい。

穴山早助 ・・・小柄ですばしっこい。鼻岬村に実家がある。
伊賀小笹 ・・・小柄でちょっと目立たない。

 普段は学校内での話らしいのだが、このエピソードでは夏休みに鼻岬村の海水浴場にみんなで遊びに行く。早助の実家に泊めてもらっている。霧ヶ城町鼻岬村の間は夏の間は臨時バスで結ばれているらしい。

 その海水浴場で女性3人が砂の城を作って遊んでいたところ、そこは俺たちの場所だ、とチンピラ5人がやってくる。そこにボート遊びから戻った男3人が合流し、主に大八の体格に相手がびびって逃げる。
 しばらくして引き返してくるのを、砂の中に埋めた大八が突然起き上がって見せるとものすごく驚いて逃げる。その時チンピラたちはジョオオオタアア、みたいな悲鳴を上げる。

 どうもチンピラたちはこの場所に何かを隠したみたいなのだが、高校生たちが邪魔な様子。
なあに、夜になれば帰るだろう、と彼らは待つが、夜はその場所で野天映画の会がはじまって手が出せない。浴衣を着た半子が夕涼みしているのを見つけてウサを晴らそうとするが彼女の柔道に叩きのめされる。逃げる半子。追うチンピラ。
 男3人が待ち構えていて追い返す。最初は女の子目当てだと思っていた高校生たちだが、どうも城を作ったあたりに何かあるらしいと察した彼らはわざと夜明けまでそのあたりで遊び続ける。すると夜明け近くになって大人の女性が現れる。これが美人映画スターの高城千鳥。
 実はこの海岸にやって来たのは、彼女がこの近くで静養していると聞いたからで、会えたらなあという期待もあった。高校生たちはうまく話しかけて千鳥と歓談。
 怪しいチンピラの話が出ると、千鳥が小太郎に女装させてあいつらをからかってやろう、という話になる。

 千鳥の宿に小太郎と半子が行き、女装・男装して帰ってくる。千鳥は宿に残る。だがからかうつもりがいきなり刃物を出されてしまい、ちょっと剣呑が形になる。
 女子を人質にとられて手出しできなくなり、その間にチンピラは穴掘り。実は死体が埋まっていたのだった。
 チンピラたちは千鳥の時価50万はするというイヤリングを盗み出したのだが、うち一人が千鳥のファンでやっぱり返そうと言い出す。そのため仲間割れとなって結局その男を殴り殺してしまうのだが、彼がイヤリングを飲み込んだためとりあえずその場に埋めて、翌日掘り出してイヤリングを取り出し死体を始末しようと思っていたところその場所に砂の城を作っていた女子高生がいたためこのようなことになったらしい。

 隙をみて逆転し、早助が警察を呼んでくる。千鳥も事情聴取に立ち会う。

 千鳥はイヤリングが戻ってもあまり嬉しそうではない。わけありらしいのだが彼女はそれ以上話さない。大人ってそういうものなのか、と夜明けの砂浜を二人一組になって仲睦まじく歩く高校生たちには、まだまだわからない世界の話だろう。

 大八は自分が死体のすぐそばに埋まっていたことに気付いてちょっとショックを受けている。

 元々は著者の青春時代をベースに旧制高校を舞台にした天国荘奇譚という作品があって、これを戦後に時代を変えて女生徒もメンバーに加えてリメイクしたものらしい。

http://to4roh.nobody.jp/who0463.htm

 NHKの少年ドラマシリーズ
でもいいような内容だけど、映像化されたことは無いみたい。


 

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