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「山風短(山田風太郎原作 せがわまさき漫画」)」②剣鬼喇嘛(らま)仏

2020/03/11 19:00 投稿

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喇嘛(らま)仏というのはいわゆる歓喜仏の一種で、男女が和合した姿を仏像にしたもの。
コナラク太陽神殿にあるみたいなやつですかね。

 宮本武蔵が巌流島にて佐々木小次郎を打ち破り小舟で去ろうとした時に、武蔵に船を漕ぎ寄せて勝負を挑んだ若者がいる。長岡与五郎興秋(おきあき)。細川ガラシャの血を引いた美男子である。
 名字が違うが小倉藩主細川忠興(ただおき)の次男であり、長男がわけあって廃嫡されたので今は細川家の跡継ぎという立場。決闘なんてやってられる身分ではないのだが彼は一種の剣法バカで腕も立つ。そして武蔵と戦えるならそんなことどうでもいいみたいな。

 武蔵は与五郎を海に落として戦いを避けてその場を去るが、与五郎はますます武蔵を追うぞと決意する。そして徳川への人質として江戸に向かう途中に逐電してしまう。
 忠興は至急与五郎の弟の忠利に跡目を継がせることとして急場をしのぐ。

 与五郎は二年後にふらりと小倉に戻ってくる。忠興が問うと二年間修業を重ね、ようやく武蔵を打ち破れるという感触を得たという。
 与五郎は細川藩おかかえの忍び、青龍寺組の忍者たち3名をあっさり手玉にとってみせるが、病気で臥せっていた青龍寺組頭領の代理として立ち会った孫娘、登世だけは与五郎に一矢をむくいる。

 やがて武蔵が大坂城にいるということがわかり、与五郎は帰らぬつもりで大坂に向かおうとする。大阪に行けば豊臣方に加担することになり、生きては帰れない。

 忠興はなんとか引き留めようと、じゃあ子供を作ってから行け、と持ち掛ける。与五郎は剣法バカなので女など修行の邪魔、と美男子だがこれまで一切寄せ付けないできた。
 だが、自分に傷をつけた女、登世であれば相手にしてもいいと言う。

 ここで忠興は青龍寺組頭領の袋兵斎と登世を呼びつけ、登世にお前の女としての魅力で与五郎を小倉に留め置くように命じる。それでも与五郎が大坂に向かうようであれば青龍寺組の総力を上げて斬れと。

 登世は与五郎に抱かれるが、この時青龍寺組に伝わる喇嘛仏を持参してある術をかける。それは二人が交合したまま、登世が子を産み落とすまで離れなくなるというとんでもないしろもの。排泄は双方が向き合ったまま互いに互いの身体に注ぎあうような形でなさねばならない。
 その状態でも着れる衣服を登世が整え、この格好のまま二人で大坂に行くことになる。

 登世は自分がこの術をかけても与五郎の決心は変わらないと
察しており、ならば自分も一緒に行こうという覚悟で術をかけたのだが排泄の際にはちょっと後悔する。
 だが剣に長けた二人はこの格好となることで、互いに相手の背中を監視し合い、死角の無い状態となる。

 忠興は思わず出立する二人を見送ってしまうが、我に返ると青龍寺組の手練れに後を追わせる。もちろん二人を始末するため。こんなことが徳川にバレたらただではすなないしハズカシイ。

 だが死角のない二人は交替で睡眠をとって24時間青龍寺組の挑戦を退け続ける。旅の間は好奇の目にさらされるが、その目が刺客の襲撃の邪魔になるという効果もある。

 無事に大坂城に入るが真田、後藤といった豪傑たちからは相手にされない。与五郎は武蔵さえ相手にできればいいのだが、その武蔵も豪傑たちにはなんとなくハブられているようで不本意な様子。与五郎は武蔵に決闘を挑むが、そんな格好の相手となんて戦いたくない、と武蔵に言われてしまい、それもごもっともと自分でも思うので登世が出産すれば身体は離れるのでその後立ち会いましょうと言質をとる。

 やがて登世は孕み、次第に腹が大きくなる。大坂冬の陣がはじまるが武蔵は兵を与えられることなく城内に居残り。与五郎と登世以外は武蔵に話しかけるものもいない。
 二人は毎日武蔵のもとに通い、武蔵から剣ではなく人の道を教わることになる。

 武蔵ほどの人物が低く扱われているのに怒りを感じた与五郎は、臨月近い登世と一緒に武蔵の家来を名乗って出陣し、多くの敵を倒してこれは武蔵殿の手柄である、と喧伝する。
 その様子を千姫が見ている。数日後登世は子を産み、ようやく二人の合体は解かれることになる。

 やがて夏の陣となる。だが武蔵は自分の扱いに愛想をつかしたのかふっと立ち去ってしまう。与五郎は武蔵の後を追うがまだ十分に動けない登世は城に残る。
 やがて大坂落城。千姫は逃れる途中に赤子の泣き声を聞く。

 一月後、大坂城の焼け跡で、登世の名を呼んで泣く与五郎の姿がある。ようやく何が一番大事か思い当たった様子。そこを青龍寺組の生き残りが包囲する。

 小倉に連れ戻されたものの、心がどこかに行ってしまったかのような与五郎。

 ある日、そこに傷だらけの登世が現れる。千姫が赤子の声から彼女を見つけ、登世を救ったのだった。与五郎は登世を抱きしめて涙を流す。

 与五郎が登世を背負い、登世が赤子を背負って歩く姿がある。

 エッチなキワモノのように始まるけど、最後はなんか感動的な純愛ものみたいに終わる。
主役二人の表情がとてもよい。
 

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