メタ坊のブロマガ

DVD「透明剣士」

2019/08/23 19:00 投稿

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・子供の頃映画館で見た作品。「ガメラ対大魔獣ジャイガー」と二本立てで、大阪万国博の年に見たんだったと思う。
 DVDになってたもんで懐かしくて買ってしまったが、今見るとかなり昭和だな、という感じ。平成や令和の子にはツマンナーイと言われちゃうかも。でもこういう感じの作品が嫌いではない。当時は面白かった、と思った記憶もある。

 子供心にこうした時代劇というものがあるのは知っていて、父親が見ているのも知っているのだが、仮面の忍者赤影以外の時代劇にはまだ興味が無かったし、江戸時代なんてものも知らなかった。テレビドラマの丹下左膳や黒い編笠なんかは見てたような気がするけど、宮本武蔵も座頭市もまだ知らなかった頃に見たのだった。

 特に時期特定のない江戸時代。長屋住まいの侍の子、夕月三四郎はもう青年という感じだが気が弱くて剣術の腕もイマイチ。伊香(いこう)道場というところで父の友人である道場主・仁斉(じんさい)に剣術を習っているが稽古では子供にも圧倒されてしまう。兄弟子には罵倒される毎日。
 折りしも江戸の町を荒らす怪盗団が暗躍しており、浪人だが腕の立つらしい三四郎の父親・十兵ヱは頼まれて小者を連れて夜間巡回に出るが、大勢の怪盗団に襲われて奮戦むなしく殺されてしまう。怪盗団はそのまま江戸屋という商店に押し入って狼藉の限りを尽くす。こういう子供向けの時代劇だから侍も町人も一緒の長屋に住んでいる様子。特に役職なども出てこない。
 
 三四郎は父一人子ひとりの家庭だったらしく、母親は特に説明もなく出てこない。近所のお鈴という娘さんが食事の面倒を見てくれている。彼女の父親は目明しらしい。今日も彼女が朝食を持ってくると三四郎が自分で飯を炊いている。お鈴はかなり強く三四郎をどついてカマドの前からどかし、蓋を開けて真っ黒じゃない!私が持ってきたのを食べなさい、とちょっと強引だが三四郎が炊いた飯は炭同然である。そこに長屋の住人である大工の熊が大変だ!と知らせに来る。父の遺体が大八車に乗せられ、運ばれてくる。小者が生き残っていて、旦那さんは大勢を相手によく戦いなすった、斬ったのは腕に般若の刺青のある男だと証言する。
 長屋の住人は三四郎さん、敵をお討ちなさい、と力付ける。十手持ちのお鈴の父親はきっとあっしらが怪盗団を一網打尽にしますから、となぐさめる。だが三四郎は自分には剣術の才能は無いし気も弱い。とても父の敵など討てない、と途方にくれて橋から川面を眺めているといつの間にか周囲は賽の河原に変わり、向こうを父親が歩いている。大声で呼ぶが父親は一緒に歩いていた老人がうながして舟に乗せられ、川に漕ぎ出してしまう。三四郎は思わず川に入って後を追うと、止めるものがいる。その三途の川を渡ると死ぬぞ、舟に父親と一緒に乗っているのは死神だ、と。
 呼び止めたのはしょうけらという妖怪で、自分が力を貸してやるから父の敵を討つがよい、とある薬の造り方を教えてくれる。深山に咲くチゴユリの花、幽谷の岩肌に生えるスッポンダケ、浜辺に打ち寄せる海草、ホンダワラの三つの材料を集めて月の出から日の出までの一晩中煮詰める。材料集めから煮詰めるのが終わるまでは誰にも姿を見られてはならぬ、そうすれば緑色の油のような薬ができる。これを三口飲み、数滴を衣服にたらせば何でもかなうと。
 ふと気がつくと三四郎はもといた橋の上に立っている。

 人に見られて最初からやり直したりしながら、三四郎はお銚子1本分の薬を作る。この間道場も休み、お鈴が訪ねてきても居留守を使う。

 商店で三四郎の父の初七日に備える花を買い求めたお鈴はそこで身体が大きな侍にからまれる。一緒に来い、というのを必死に振り切って逃げると商店の使用人が二人、侍に脅されたんで、とお鈴を捕まえようと追いかけてくる。長屋まで逃げてきたお鈴を熊が守ろうとするが、侍もやって来て熊を斬ろうとする。三四郎は思わず飛び出して止めようとするが、侍は三四郎も蹴り飛ばしてお鈴を連れ去って行く。
 ここで三四郎は家に戻って薬を飲み、衣服にも数滴たらす。すると服も身体も透明になっていく。透明になったのを幸いに木刀が宙を飛んだり井戸水を汲んだ桶が飛んできたり大八車がひとりでに動き出して追い掛け回したりで侍を翻弄し、お鈴を取り戻す。

 しょうけらが現れて、まだ透明な三四郎に話しかける。どうだ、この力で怪盗団を倒すがよい。ただし透明になっていられるのはおよそ半刻だ。時間切れになるとまずくしゃみが出て予告をし、二つ目のくしゃみで着物が見え、三つ目のくしゃみで元に戻る。と注意を与える。
 薬の分量はあと三回分しかない。しょうけらは薬を竹筒に分け入れて、これが無くなるまでに怪盗団を倒すのだ、できるな?と三四郎に問いかける。三四郎はやります、と答える。
 姿が戻った三四郎は、様子を見に家にやってきたお鈴になんとしても怪盗団を探し出して敵を討つ、と誓う。

 三四郎はお鈴の父親の岡っ引きや手下たちと一緒に夜間パトロールをすると、そこに先日お鈴に乱暴を働いた侍が仲間を連れて通りかかる。三四郎は一人別れて侍たちの後をつける。
 すると彼らは鬼頭玄之進という男の道場に入っていく。三四郎が透明になって潜入し様子を探ると、この道場の床下には盗んだ千両箱みたいのが敷き詰められて、ここが怪盗団の本拠地であることがわかる。
 屋敷の中には死神がいる。ここの連中に付きまとうと死人が出るので都合がいいということらしい。透明状態の三四郎は死神と話ができるようで、お前が先日三途の川を渡したのは私の父だ、誰が父を斬ったのか教えてくれないか、などと交渉するが死神は聞く耳を持たない。
 道場主鬼頭玄之進が怪盗団の首領であり、門弟は全て怪盗団のメンバーだった。お鈴をさらおうとしたのはここのナンバー2である岩尾勘十(かんじゅう)という男であるともわかる。
 先日この男に脅された商店の使用人二人はいつの間にかここの使用人みたいになっており、透明な三四郎は彼らの食べていたそばを隠したりしてちょっとギャグが入るが時間切れとなって姿が見えてしまい、道場の外で怪盗団に囲まれる。三四郎危うしとなるがそこに道場の先輩二人がやってきて怪盗団を蹴散らし、助けてくれる。そこには道場主、伊香仁斉もいる。
 仁斉は伊香道場はわしの竹馬の友であったお主の父の無念を晴らし、江戸の民を守るためにも道場をあげて夜回りをし、怪盗団と対決するつもりだ、みたいなことを告げる。
 その頃お鈴の父惣助は鬼頭道場に入り込み、玄之信と勘十がゆくゆくは天下転覆まで考えている事、伊香道場が敵にまわったとあれば放置できんと道場同士の腕比べという形で勝負を申し込み、ここであらゆる卑劣な手を使って伊香道場も奪ってしまおうと考えていることを知る。また玄之進の腕に般若の刺青があることも見る。
 惣助は引き上げようとするが怪盗団に見つかり、全身を切り刻まれながらも一度家に戻ってもう一度薬を飲んだ三四郎の助けもあってかろうじて脱出する。こういういきさつもあって鬼頭道場の面々は透明剣士なるものの存在に気付いている。
 だがなんとか家にたどり着いた惣助は重傷で、お鈴が呼んできた医者ももうできることはない、とさじを投げる。いつの間にか死神が枕元に座っている。死神はわしが枕元に座っているということは、この男はもう助からぬという事。わしはこの男の命運が尽きるまでゆっくり待つだけさ、などと三四郎にうそぶいて居眠りをはじめる。掛け布団の端に紐を結んで、布団を回してもわかるぞ、と牽制する。
 三四郎は鼻をつまんで声を変え、お鈴に父の命を助けたくばこれから言う事に従うのだ、と言い聞かせる。長屋の熊さんと八つあんを呼んでこさせ、三四郎とお鈴が掛け布団を持ち上げている間に熊と八に惣助を乗せたまま敷布団を180度回転させる。これで死神が目印をつけた掛け布団は動かさずに枕元と足元を入れ替えることに成功し、死神は退散する。
 だがこれで死神は三四郎に恨みを持ちこのままではすまさんぞと捨てゼリフを残していく。
 気がついた惣助はお鈴を奉行所に走らせる。怪盗団の正体は鬼頭道場で、三四郎の父の敵は鬼頭玄之進であると。そこに惣助を殺すように命じられた鬼頭道場の門弟二人が踏み込んでくるが、三四郎がくしゃみをすると透明剣士がいるぞ、と勝手にパニックになって逃げ帰っていく。姿が見えるようになった三四郎をお鈴は見つけるが、三四郎は今度こそ敵を討ってくる、と出かけていく。その後を死神がただではすまさんぞ、と追っていく。
 鬼頭道場の面々は伊香道場に向かって出発する。どういういきさつかはわからないけど、剣客同士ということで勝負を断れない感じみたい。折りしも雪が降って少し積りはじめており、透明剣士を恐れる勘十に玄之進は短筒を出してみせる。これで雪の上の足跡を撃てばよいと。
 道場を出た面々とやってきた三四郎は鉢合わせとなり、門下生たちに殺されそうになった三四郎は彼らの目の前で最後の薬を飲み、透明剣士となる。三四郎の腕前はたいしたことないと知っている勘十たちが、透明になっただけで怯えるのがいささか解せなくもある。
 雪が積もっているので三四郎の位置も下駄の跡でバレバレなのだが勘十は平常心を失っており、玄之進からあずかったらしい短筒を取り出すが狙いが定まらない。死神はこの時三四郎の足を引っ張って邪魔をするのだが、勘十が撃った弾が何故か死神に当たって怪我をさせた様子。

 道場では既に試合がはじまっている。木刀での試合である。伊香道場の門下生が一方的に打ち込まれ、次に立ったのは兄弟子である。礼をすると見せて打ちかかる卑劣な相手に対し兄弟子はこれをものともせずに圧倒するがまいったと言っておいて当身を入れてくるのにやや劣勢となる。
 だがここで突然相手の手が動かなくなる。透明剣士が邪魔をしているのだ。その隙に兄弟子が一撃。その後も透明剣士が手を貸していることもあって兄弟子は次々に新手を連破。
 ここで鬼頭道場は一度に三人がかりで兄弟子を倒そうという暴挙に出るがこれも兄弟子と透明剣士の前に敗れ去る。玄之進が俺が出よう、と立ち上がると勘十がやってきて、透明剣士を仕留めそこないましたと報告する。さっきは玄之進も一緒に透明剣士と戦っていた気がしたのだが、そのあと勘十たちを残して試合にきたものか。
 ここで玄之進は門弟たちに真剣を抜かせ、伊香道場の門弟共々透明剣士を切り伏せろ、と命令するが、数名は透明剣士に袴の紐をほどかれて戦えない。ひとりでにタンボ槍が動き出して彼らを追い回すが、彼らも畳で囲もうとしたり巨大な風呂敷で包もうとしたりで透明剣士をつかまえようとする。しょうけらがいつの間にか道場の上座に陣取っていて、やれやれ、と応援したりもうだめだ、と目を覆ったり。直接手助けはしてくれない。
 透明剣士の方は下駄を持ち出したりして抵抗。ついに大風呂敷に捕らわれて刺されたかと思いきや、刺されたのは風呂敷に引きずり込まれていた勘十だった。
 伊香道場の面々は玄之進たちが自分たちと戦うことはどうでもよくなったみたいに畳やら風呂敷やら持ち出すのをポカンとして見ていたが、勘十が死んだとわかると玄之進たちは道場を逃げるように去ってしまう。
 いつの間にか門弟とはぐれてひとり逃げる玄之進。だが透明剣士が追いついて、桶を転がして逃げる邪魔をする。玄之進はそこにいた馬に乗って逃げるが馬は大八車を引いている。その荷台に積もった雪に裸足の足跡が乗っている。荷台に置いてあった縄で絡めとられた玄之進は落馬。だがすごい力で透明剣士を引きずって逃げる。透明剣士は玄之進が切り倒した竹を取って竹やりのようにして戦うが、時間が切れて姿が現れてしまう。こうなればこっちのもの、と余裕が出て来る玄之進。三四郎も刀を抜くが、腰が引けていかにも弱そう。橋の上での斬り合いとなるが、弾き飛ばされた三四郎の刀が近くの木に当たって跳ね返り、玄之進の背中に刺さる。そこで脇差を抜いて三四郎は体当たり。ついに玄之進を倒して父の敵を取る。
 玄之進が事切れると周囲の景色がまた賽の河原に変わる。死神が現れて玄之進を舟に乗せ、三途の川を渡っていく。三四郎は三途の川の向こう岸にいるであろう父親に、三四郎は一人で生きていく自信がつきました、これからも父上の教えを守って生きていきますみたいなことを叫ぶ。しょうけらが現れて、じゃあな、という感じで一礼して去っていく。

 道場の少年剣士たちと川原を走る三四郎。それをお鈴が呼び止めてお弁当よ、と包みを渡す。先を行っていた少年たちも立ち止まってカッコイイ、と冷やかすとお鈴はぷいっと後ろを向いてしまう。テーマ曲がかかり、少年たちを追いかけて三四郎が走り去って行く。
 お鈴が手を振ってそれを見送り、三四郎も何度も振り返って手を振りながら遠ざかってゆく。三四郎の姿がもう見えなくなる頃、完 という文字が大きく入る。

 今は延々とエンドロールが続くのが普通だけど、この時代のエンドロール無しで「完」と終わるのもいいな。

 透明になるだけでなく、主人公が怪力になって動きも素早くなって剣の腕も上がっている気もするんだけどまあ昭和の子供向けだから。

 主人公の三四郎は酒井修、ヒロインのお鈴は熱田洋子という人が演じているが二人ともその後はあまり活躍しなかった様子で、ほどなく芸能界を去ったみたい。
 このHPにちょっと詳しめの情報がある。運営者のすごい労力と情熱が感じられる。
http://garakutakan.blog.fc2.com/?tag=%E5%A4%A7%E6%98%A0&page=15
http://garakutakan.blog.fc2.com/blog-entry-692.html

 出演者に何故か吉本新喜劇の人が多く出演していて、大工の熊さんが岡八郎、三四郎の父の小者が桂三枝、勘十の手下になっちゃう店の使用人が横山やすし、西川きよしという今思えば豪華な面子。DVDも主役そっちのけでこの人たちの名前が大きく出ている。
 それぞれ本筋と関係ないことを言うのだが(いいじゃないか幸せならば 大坂生まれの江戸っ子だい まんまんちゃんあん ダイナマイトうどんいうの食べよか (違う人だけど) 馬かと思った というのは、てなもんやのアレか)、この時代の流行語なのか本人たちの持ちネタなのかわからない。
 主な出演者の役柄についてはこのHPに出ている。監督は妖怪ダイモンの方の妖怪大戦争と同じ人とのこと。
https://movie.walkerplus.com/mv19056/

 上記から画像引用させていただくと以下の通りだが、デカ助、丸吉、角吉、惣助といった人たちは劇中で名前が呼ばれているわけではなく映画を見ても名前はわからない。映画オープニングでも役者名は出るが役名は出ないのでこうした役名はシナリオにでも書かれていたのだろうか。
 他の人物も名前がはっきり呼ばれている人は少なく、三四郎、お鈴、鬼頭玄之進(下では玄之助となっているが ゲンノシン と呼んでいて表札も出るので間違いだと思う。あるいはシナリオ段階では玄之助だったか)、勘十、伊香仁斉、十兵ヱ、医師の道庵、八っあん、しょうけらと死神くらい。夕月という名字も映画名では呼ばれていないと思う。漢字がわかるのは玄之進だけ。井締抜太、古井門次といった人たちは兄弟子か鬼頭道場の門弟あたりかと思われるが劇中名前は呼ばれず私には役者さんの顔がわからないので特定できない。伊香イコウなんてのも人の名字とはなかなかわからなかった。これを見てはじめてそういう意味だったのかと思った。勘十カンジュー もなかなか人の名前とわからなかった。子供向けにしては人名がこの映画はむずかしい。結構人が死ぬのも今だと子供向けとしてはあかんかもしれない。





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