メタ坊のブロマガ

「どろろ(手塚治虫著)」④

2019/05/10 19:00 投稿

  • タグ:
  • 手塚治虫
  • どろろ
  • 漫画本



・サンデーコミックス版どろろの最終巻。

・二ひきのサメの巻
 どろろと百鬼丸の前に、どろろの両親を裏切った野盗・イタチが手下を率いて現われる。今は彼が野盗のリーダーな様子。
 どろろの背中には、母親が彫った夫の火袋が隠したお宝の隠し場所のイレズミがある。イタチはそのお宝を探すためにどろろを連れに来たのだ。
 邪魔な百鬼丸をイタチは手下に襲わせる。百鬼丸は何人も手下を斬るが、イタチの単筒を至近距離に受けて動けなくなり、どろろはその隙に連れ去られてしまう。
 イタチは白骨岬というところにどろろを連れて行き、そこが宝の隠し場所だと教える。だがそこから先は図面が無いとわからないらしい。岬は陸と繋がっておらず(すると岬と呼ばない気もするが以前は繋がっていたのかもしれない)、舟で渡る必要がある。
 イタチは地元の漁師をさらって来て舟を出させようとするが、一番年長の老人がこの岬にはもののけがとりついていて舟を出せば殺されてしまう、と断わって来る。若い漁師も同じように断わるのでイタチは3人とも斬り殺してしまう(殺される一人は若い女性で、美人。漁師の妻なのか娘なのか)。
 そこに少年がやってきて、俺が舟を出してやるというのでイタチたちは2艘に分かれて岬に向う。どろろはその前に抵抗して気絶しているのだが一緒に舟に乗せられる。
 一方の舟は少年が船頭をやるがもう片方に船頭はいないのにひとりでに動く。よく見ると海の中にサメが二匹いて、これが舟を動かしている。
 少年はこのサメは俺のペットだ、と説明し、腹をすかせているんだ、と片方の舟の手下たちを全員サメに襲わせて食わせてしまう。このサメが漁師のいうもののけだった様子。
 イタチやどろろは残った少年が船頭をしている方の舟に乗っている。

 少年は舟を外海に出して、お前らを食べるのはもう少しあとだ、いっぺんに食べさせると腹を壊すからな、と一方のサメ、次郎丸に乗って去ってしまう。もう一匹の三郎丸が逃げられないようにイタチたちを見張っている。数名が抵抗するがアット言う間に食われてしまう。
 ここで目覚めたどろろがもうだめだ、と意気消沈してる野盗たちにハッパをかけ、みんなを鼓舞して自らオトリになって三郎丸を倒させる。イタチは親父そっくりだな、とどろろにリーダーの資質を見た様子。
 イタチたちは陸地を目指して舟を漕ぎはじめる。

・しらぬいの巻
 一方百鬼丸はどろろをさらったイタチたちを追っている。だがイタチと戦った際に燃水を使い、その時に左足を失った様子で今は片足で杖に頼っている。百鬼丸とどろろはある程度テレパシーで引き合うようで、どろろが漕ぎ出した海岸にたどり着き、沖にどろろの気配を感じる。
 そこにどろろを乗せた舟が現われる。少年を乗せたサメ・次郎丸に追われている。どろろが少年にかじりつき、その間に海に飛び込んだ百鬼丸が次郎丸と戦って片目を潰すとサメは逃げ、サメがいなくなると少年はぐったりする。
 一同は岬にたどり着いたようで、イタチ一同とは一時休戦となる。少年の名はしらぬいというらしい。両親を失ったしらぬいは、弱い人間に絶望してサメにあこがれた様子。サメはもののけだがしらぬいを仲間として受け入れたらしい。
 しらぬいと百鬼丸・どろろは語り合うが、心の距離は縮まらない。傷付いた次郎丸は水場に隠れていて、しらぬいが野盗を誘導して食わせているところにどろろと百鬼丸が駆けつけ、次郎丸を倒す。
 しらぬいは次郎丸の仇だと百鬼丸と戦うがやはり斬られ、次郎丸と結びつけて海に流してくれ、と言い残す。二人はしらぬいの願い通りにする。

・無情岬の巻
 サメとしらぬいが死ぬと、休戦状態だったイタチが裏切って百鬼丸に矢を射掛け、どろろの服を脱がしてヌードにして背中の図面を写し取る。この時どろろの全裸を見たイタチはハッとする。
 イタチは図面さえ手に入ればもう用はない、とそれ以上何もせずに立ち去る。矢が背中に刺さって気を失っていた百鬼丸が目を覚ます。百鬼丸まだ作り物のままの背骨が矢を防いだのだった。百鬼丸はサメを倒したためか、声を取り戻している。
 イタチは宝を求めて断崖を登っているが、断崖の上に大勢の人影を見る。三次という手下が矢を射ち込むと、その人影が落ちて来て三次も巻き込まれて落ちてしまう。人影と思ったのは崖の上に並ぶ石地蔵だった。イタチの手下はこれで全滅。イタチは石地蔵の下に壷が埋まっているのを見つけるが、石地蔵が倒れて来て崖の途中まで滑り落ちてしまう。どろろが崖を登って助けてやる。

 次々に舟がやってきて上陸をはじめる。指揮をとっているのは真久和忠兵衛という代官で、野盗退治を名分に宝探しに来たのだった。イタチとどろろは崖の上で、百鬼丸は崖の下で侍たちと戦うが、イタチは全身に矢を浴びる。死にかけたイタチがひと目宝を見たいというので壷を開けると、中には火袋の書いたメモが。そこにはイタチが感付いたようなので別のところに移す、と書いてある。イタチは大勢の侍を道連れに死亡。百鬼丸が代官を倒すと、残ったのはどろろと百鬼丸だけだった。二人は侍たちが乗ってきた舟で死人岬をあとにする。

・どんぶりばらの巻
 どんぶり沼という沼のそばで、子供を脅かす妖怪が出るという。通りかかったどろろが正体をあばくと、ちょっと頭のパアな美人が仮装していたのだった。彼女はどんぶり長者のひとりむすめ、お米(よね)だという。
 娘の父親はどろろと百鬼丸を歓待してくれるが、ごちそうとは名ばかりで、でかい器にちょっぴりの食事。わけを聞くと大きな声ではもうせませんが、と醍醐景光の領地であるここでは年貢のとりたてが厳しく、この町では食べるのがやっとでみんなやせてしまいました、とでっぷり太った女中が大声で教えてくれる。どろろはどこかに食べものが隠してあるんだろう、と屋敷の中を探るが本当に何にもない様子。
 長者はその間に出かけてゆくが、肥溜めに見せかけた地下の隠れ家に食べものをたっぷり貯蔵して、ギンバという使用人に料理を作らせてこっそり食べている。
 長者の屋敷では百鬼丸がお米と話している。お父さんがばけものにとりつかれたら嫌だろう、と聞くと嫌だ、と答える。お米はそんなに馬鹿じゃなくて、家族に対する愛情を持っている。だが侍は嫌いだ、と父親がどこに出かけて行くのかは話さない。

 今日も長者はお米に子供たちを脅かさせて追い払い、お米にもういいぞ、と家に帰るように言って白い飯を食べている。そこにどろろが忍び込んで見つかり、ギンバに捕まってしまう。
 明日どんぶり沼に投げ込んで殺してしまえ、と食事に戻るとバケモノの仮装をしたお米がまだいる・・・と思ったら中身は妖怪だった。

 長者の留守中に醍醐景光がやってきて、この村は年貢米をきちんと出しておらん、と長者が言っている、と百姓たちを締め上げる。お米も縛られる。百鬼丸が村人は本当に苦しんでいるぞ、と割って入り、景光は一度引き上げる。

 その頃、長者は妖怪の鐘の音に合わせて無理やり飯を食わされ、腹一杯になると妖怪が長者の腹の中に入ってエキスみたいのを吸い、また食べなおし、という目に合っている。
 お米は助けてくれた百鬼丸を信用したようで、父親の隠れ場所を教える。ギンバを倒して中に入った百鬼丸は妖怪に取りつかれた長者を見つけ、妖怪と対決するが実体が無いようで攻撃を受け付けず、飛び去って行く。追う百鬼丸。長者はわしが悪かった、とお米にどろろを助けさせる。

 妖怪はどんぶり沼へ。沼に棲む巨大な亀が妖怪の本体だった。長者はこの亀が動けないので栄養を取る道具にされていて、そのために年貢米をくすねていたのだった。助けられたどろろが村人に声をかけ、百鬼丸と村人が協力して巨大な亀を倒す。亀を倒す作戦を考えたのはお米だった。お米は百鬼丸を助けたくて必死に知恵を絞った様子。百鬼丸もお米をバカじゃなくてりっぱな娘だ、と誉める。

 そこに醍醐景光に雇われた浪人(ミドロの巻に登場し、ミドロに取り付かれた賽の目の三郎太)が襲い掛かる。決闘となるが、百鬼丸はこのタイミングで右目が落ち、本物の目玉ができる。その隙をついて三郎太が斬りかかり、百鬼丸をかばったお米が斬られてしまう。
 百鬼丸は三郎太を殴り倒してお米を抱き起こす。

 お米は、あたいをバカじゃないって言ったのはあんただけ、あんたのことが好き、と百鬼丸に伝えて息絶える。

 百鬼丸はお米に生まれ変わって幸せになれ、と話しかけて去って行く。どろろが後を追う。

 白黒アニメ版ではおおまかなストーリーは同じだがお米は登場しない。

・四化入道の巻

 ある谷川。どろろは百鬼丸の前で平気で全裸になって泳いでいる。このへん以前の風呂に入らず身体も見せない設定とかなり変わっている様子。読者には既にイタチのセリフでどろろが女の子だとにおわされているが、百鬼丸がそれを知っているのかどうかは特に描かれていない。魚を獲ろうとしたどろろは逆に魚獲りの罠にかかってしまう。
 ハガネでできている罠で、百鬼丸の刀でもびくともしない。百鬼丸はヤスリを借りに民家を探しに行く。ようやく古寺を見つけて住職に事の次第を伝えると、四化入道と名乗る住職はそれはすまなんだ、あの罠はわしが仕掛けたのだ、と百鬼丸と同行するが、わざと遠回りしているようでもある。実は準備してくると奥に消えた際に、人間の子供がかかったぞ、と何かに伝えている。

 ようやくたどり着くとどろろの姿は無い。どこに隠した、と百鬼丸が四化入道に詰め寄ると、妖怪の正体を現した入道は襲い掛かって来るが百鬼丸に撃退され、穴を掘って地中に逃げる。地面が盛り上がったところを追跡すると古寺に通じているが誰もいない。通りかかった樵に聞くと、この寺の住職はずいぶん前に醍醐景光から砦を作るので寺を引き払えと言われたのにここに砦ができると百姓たちの生活の場が戦場になってしまう、と反対して生き埋めにされたという。それ以来、工事をしようとすると野ねずみやかわうその大群が邪魔をして、いつしか砦の建設も沙汰止みになったという。
 寺の仏像の首を外すと地下の洞窟につながっていて、そこにどろろが監禁されている。百鬼丸がここに入れば入道配下の動物たちに襲わせようという罠だったがどろろの方から脱出して来る。どろろが洞窟に火を放り込むと動物や四化入道は反対側の出口から逃げ出してくるので、待ち構えた百鬼丸に倒される。四化入道の死んだ後にはかわうそともぐらと野ねずみとかえるの死骸がある。これらの動物と和尚の霊が混ざり合って四化入道が生まれたのだった。


・ぬえの巻
 醍醐景光は四化入道の寺とは違う場所に砦の建設をはじめていて、そのために周辺三つの村人は身体の動かない老人以外は子供や身重の女に至るまで労働力として駆り出されている。動けなくなった者はその場で殺される過酷さで、村人たちはどっちみち殺されるなら、と集団で脱走する。だが景光は帰るところが無いようにと村を焼いてしまう。
 この時に焼き殺された老婆が三河島ばばという霊となってどろろと百鬼丸の前に現われ、息子を守ってくれ、と訴える。息子は脱走を計画した村人のリーダーの一人である。

 百鬼丸は途中まで出来上がった砦に行き、ここでどろろに別れを言う。お前は女なんだからどっかで元気に暮らせ、俺はここで景光と刺し違えるかもしれないからおわかれだ、と。
 どろろが女だというのははじめて目が開いた時からわかっていたという。どろろは自分が女だと認めないが、百鬼丸はかまわず去ってしまう。
 景光を仕官をしたい、と訪ねた百鬼丸はここで実母である縫の方と会う。お互いに親子だとわかるのだが、百鬼丸は自分の子をたらいに入れて川に流すようなひどい親を持った覚えはない、俺の親は寿海という医者だけだ、と答える。縫の方はゆるしておくれ、と泣き崩れる。百鬼丸の目には涙がある。

 置いてきぼりをくったどろろは景光に一泡吹かせてやろうと反乱を決意した村人たちの仲間になる。その中には三河島ばばの息子もいる。
 どろろは抜け穴を掘って砦に侵入するが見つかって捕まり、景光は仕官したければどろろを斬れ、と百鬼丸に命じる。百鬼丸はどろろを斬るふりをして景光にとりついていた妖怪の塊、ぬえを仕留める。すると景光も気を失う。そのどさくさにまぎれて村人たちが砦になだれ込み、砦は落ちる。
 景光と縫の方は村人たちに追放され、百鬼丸に見送られて去って行く。百鬼丸はどろろとやっぱり別れるようで、刀を渡して去って行く。もうすこし女っぽい言葉を使えよな、と言い残して。
 最後のページに、百鬼丸はそのままどこに行ったかわからなかった。魔物の像があった地獄堂は、50年のちに戦火で焼け落ちた、と書かれている。ということはどろろと百鬼丸の再会は無かったということか。

 白黒アニメ版では景光が最後の妖怪で、景光も縫の方も死ぬのだが漫画版では生きのびる。漫画版ではあと30匹残っているなどといって、ぬえを倒した時に5、6匹はやったぜ、みたいに言っているのでまだ20数匹残っている。でも物語開始時点でばんだいが17匹目みたいに言っていたので計算が合わない。手塚さんはあまりそういったことに関心が無かったのかな。どろろの背中の地図もいまひとつ尻すぼみだったし、どろろが女だった、というのも唐突だった。
 白黒アニメ版でも百鬼丸は去るが、刀はどろろに渡さない。

 どちらにしても中途半端な感じは残り、今やっているリメイクが待たれた面はあるのだろう。私は無料配信が無いので見てないけど。
 どろろが美人に成長して、百鬼丸と再会するみたいなラストになるのかどうか。

 講談社版は順番が違うそうで、ちょっと確認したい気はあるのだが、それだけのために買うのもちょっと。

 

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事