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「悪いうさぎ(若竹七海著)」

2019/04/26 19:00 投稿

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  • 若竹七海
  • 文春文庫
  • ミステリ




・葉村晶(あきら)という女探偵が主人公。彼女が主人公のシリーズが著者にはあって、これが三作目なのか二作目なのかはよくわからない。調べると本としては三冊目だけど、前二つは短編集なので長編としてはこれが第一作目らしい。全部同じ出版社から出ているわけではないみたい。しまった、最初から読めばよかった。
 アメリカの女探偵だとけっこうハードボイルドに荒事もこなす人物もいるけど、こちらは日本の探偵なので拳銃などは使えないし、護身術の手ほどきは一応受けているみたいだけどそれで悪漢をバタバタ倒す、というほどでもない。ごく普通の女性である。窮地に陥れば泣き叫ぶし、熱を出して寝込んだりもする。スーパーウーマンではない。どちらかというと受難の人という印象。
 物語開始時点で31歳。長谷川探偵調査所という小さな事務所と契約をしていて、フリーの調査員という立場。以前はここの社員を三年ほどつとめていた。
 現在は自由契約で、長谷川所長が人手が足りないと思ったとき、あるいは女性の担当者が必要と思ったとき、声がかかる。仕事があれば寝る暇もなくなり、仕事が無ければ即飢える。
 親兄弟とはほとんど没交渉。恋人無し。大江戸線中井駅近くのアパートに住んでいる。
 長谷川探偵調査所は東都総合リサーチという中堅探偵事務所と提携していて、助け合っている。

 そんな主人公が、続けざまに女子高生がからむ事件に遭遇する。どの子も決して真面目とはいえず、家族との間で問題を抱えている。
 一人は殺され、一人は行方不明になり、一人は主人公の家にころがりこんでくる。

 そしてそれらの事件には、彼女たちの家族も関連したある秘密がある・・・みたいな話。

 主人公は事件を追うと同時に本筋とは関係ないちょっと頭のおかしい犯罪者たちに目をつけられて、足を踏まれて骨にヒビが入り、わき腹をナイフで刺され、アパートの扉の前に生ゴミを撒き散らされ、ネットで不感症とののしられる。

 それでもめげずに野良猫のように事件を追うのだが、今度は本筋の犯罪者たちに監禁され、山の中で追い立てられることになる。次から次に災難に襲われるのだけどそれでも探偵であることは止めようと思わない。

 ミステリなのであまり詳しく書けないけど、主人公や周囲の人々は生き生きしている。悪人はこんなやつ本当にいるか、と思えるくらいマンガチックだけど、本当にそういう人間がやらかした事件がマスコミを賑わす今日この頃。こんな事件は起きないでほしい。

 同じ主人公のシリーズは13年のブランクをはさみつつも昨年も新刊が出て、現在6作目まで出ている様子。実写化とかはいまだされていないせいかミステリファンには人気が高いけど一般人にはあまり知られていないみたい。

 人間の屑みたいな犯罪者がたくさん出てきて、そのためにひどい目に合う人も出て来るのでほのぼのとかを求める人には向かないけどぐいぐい読ませる。

 時間と体力があれば最初から一気読みしたいのだが。

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