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漫画「どろろ①(手塚治虫著)」

2019/03/22 19:00 投稿

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・ギャオで白黒版どろろをほぼ全話見たので(13話だけ見逃した)原作の方を多分40年ぶりくらいぶりに読み直してみる。サンデーコミックス版で。

・発端の巻
 戦国武将醍醐景光(だいごかげみつ)が地獄堂を訪れ、48体の魔像に自分に天下を取らせればどんな礼でもする、と持ちかけて翌々日に生まれる予定の子供の身体をやる、と約束する。やがて身体のパーツが欠損した赤ん坊が産まれ、景光は川に流してしまう。奥方の縫の方は反対するが聞き入れられず、元気に育ってほしいと手を合わせる。

・百鬼丸の巻
 14歳の少年(14歳だったのか。アニメだともっと年上の感じだが)百鬼丸が道をゆくと、野武士がからむ。彼は両腕に仕込んだ刀で野武士たちを切り捨てる。彼は目も見えず耳も聞こえないのだという。野武士たちと話しているが、これは心の力によるものらしい。
 百鬼丸の後をつけてくる草鞋や野犬も。これも切り捨てるが、草鞋からは血が吹き出る。彼はいつも人間ではないものに追いかけられているのだという。
 百鬼丸が橋の上を通りかかると、大勢の大人たちが子供一人をリンチして殺そうとしている。百鬼丸がどうして殺すんだ、と尋ねると、大人たちはこいつはどろろといって人間の皮をかぶったドブネズミのようなやつだ、俺たちみたいな貧乏なその日暮らしの人間からも平気でものを盗んでいくんだ、悪さなら何でもするやつだ、みたいなことを言う。そこに川の上流からゴミのカタマリのようなものが流れてくる。百鬼丸はさわるな、と警告するが大人たちの代表者がそれに触れる。
 するとゴミのカタマリが動き出し、大人は取り込まれて骨になってしまう(ここ子供の頃雑誌で読んで怖かった記憶がある)。
 百鬼丸は死霊を追い払ってどろろを助ける。他の大人はどうなったのかわからないけど全員食われたのかも。
 どろろは助けられた礼も言わず、百鬼丸の腕に仕込まれた刀が気に入った、と後をつけるようになる。盗んでやる、というのだが百鬼丸は俺の側にいるとさっきのような死霊に襲われるぞ、と警告する。それでもつきまとい、またしても死霊に襲われるどろろを助けた百鬼丸は自分の目が義眼であることを示し(この目が落ちるシーンも子供の頃読んで怖かった記憶がある)、自分の生い立ちを話す。

 もちろん彼は川に流された醍醐景光の子供であり、寿海(じゅかい)という医者に拾われて義手、義足、義眼などを作ってもらったこと、自分は目も耳もないが、人の心に話しかけることが出来、そこに何があるかもわかる。SFでいえばミュータントのようなものだという。一方死霊はいろいろなものに取り付いては襲ってくる、取り付いたものを切れば一度退散するがまた別の何かに乗り移って襲ってくるSFで言えば宇宙人みたいなものだという。
 寿海と百鬼丸の関係はブラックジャックとピノコのそれと似る。ブラックジャック自身も本間先生と同様の関係にある。天馬博士とアトムだってそうかも。時代劇なのにさらっと宇宙人とかミュータントとかサイボーグなんて単語が出てくるのがいかにも手塚作品。
 幼い百鬼丸のオールヌードが描かれていて、ちゃんとついているみたいなのでここは自前なのだろう。いろいろネタになりそうなところではあるけどそうしておいてあげたい。

 寿海との暮らしは楽しかったが、百鬼丸はそこにいるだけで死霊を引き寄せてしまうらしく、寿海の命も危うくなる。寿海は百鬼丸にお前はここにいても幸せにはなれぬかもしれぬ、どこかにお前をうけいれて幸せにしてくれる場所があるかもしれない、と旅に出ることをすすめる。百鬼丸もここに留まっては寿海に迷惑がかかると思い、旅立ちを決意する。
 何者でもない存在、というものから、お前の身体を奪った48匹の魔物を倒せばお前は普通の人間に戻れるかもしれぬ、と啓示を受ける。

・法師の巻
 百鬼丸の話はまだ続いている。ある日、彼は琵琶法師と知り合う。法師は百鬼丸がたいへんな災難に取り付かれている、このままでは長生きできまい、みたいなことを言う。武芸を身につけないと、と忠告する。百鬼丸は自分には無理だ、みたいなことを言うが法師は琵琶に仕込んだ刀でハエを真っ二つに斬ってみせる。百鬼丸は弟子にしてくれ、と申し入れるが法師はおれはアシスタントはとらない、と時代劇らしからぬ言葉で拒絶する。
 法師はしわせな国なんてどこにもない、自分が強くならないと、みたいなことを言って去っていく。だが百鬼丸は追いすがる。身体に欠損を持った自分には何もできない、と弱音を吐く。法師はそんな百鬼丸を戦災孤児たちが暮らす村の焼け跡に連れて行く。ここでは身体の一部を失うような大怪我をした子供たちが一生けんめい生きている。百鬼丸はここで子供たちと一緒に暮らし、剣の修行に励む。みおという年長の娘が親代わりとなっており、彼女と百鬼丸は心を通わせる。
 だが侍たちがみおたちの暮らす焼け跡にやってきて、子供たちは皆殺されてしまう。そしてみおも。剣の稽古から帰った百鬼丸はみおの亡骸を抱き、侍たちを斬る。

・金小僧の巻
 百鬼丸の話は終わる。こういう話をすればどろろは離れていくと思ったわけだが、どろろはそれでも百鬼丸について来る。お互いに警戒しつつ、微妙な距離をとって同行する二人。寝る時も川の両岸に別れて寝たりする。すると奇妙な化け物が鈴?鐘?を鳴らしながら川中を歩いてきて、寝ている百鬼丸に何事か耳打ちする。
 次の村でそういう化け物を見た、あれは何だい?みたいに村人に話しかけると、金小増を見た人間が来たぞ、と捕まってしまう。
 万代と名乗る美しい女性がこの村で尊敬されてる特別な存在らしく、二人は彼女の前に引き出される。彼女は身体が弱いのか、寝床に横になったまま上半身を起こして応対する。そこで金小僧はもののけであることを万代から教えられ、金小僧から何か聞きましたか?と尋ねられるがどろろも百鬼丸も聞いていないと答える。
 しらないはずはありません、正直に答えないなら、と二人は縄で手を縛られて井戸のある部屋に閉じ込められる。すると井戸から実に醜い怪物が現われるが、百鬼丸が両手の刀で反撃すると井戸に逃げ帰る。どろろが井戸に入って後を追うと、大勢の白骨死体が見つかる。
 どろろは村人にまた捕まるが百鬼丸が間に入り、村人から万代と金小僧について聞きだしたところ、万代は菩薩のようにこの村に金を恵んで道なども作ってくれる。だがそうした金を時々現われる怪物が村を荒らして人も殺し、金をうばっていくのでこの村は貧乏だという。この怪物はどろろと百鬼丸を襲ったのと同じ奴らしい。
 金小僧については村人はよく知らず、金小僧の出会ったという人間は連れてくるように、と万代に言われているのでそうしているのだという。
 百鬼丸は金小僧は俺に金をくれると言ったぞ、と聞いた場所に村人を案内すると金小僧がおり小さくなって消えてしまう。この場所を掘るとこれまで村人が怪物に盗まれた金が埋まっている。

・万代の巻
 百鬼丸は村人たちに金を返してやり、金小僧は金の精で、地面に埋められて出たがったので出してやったのさ、と説明する。
 村人の一人がこの村は荒地を必死に開墾してようやく一息ついたところで化け物に襲われて金を奪われ、そこに万代がやってきて彼女の寄付金でもう一度やり直すとまた化け物が来て・・・という繰り返しなのだという。
 百鬼丸は今夜また化け物が来るぞ、と村人に警戒態勢を取らせ、どろろを井戸の部屋に向わせて見張らせる。どろろと百鬼丸は心で連絡を取る様子。どろろは居眠りをして化け物が出るのを見逃してしまい、村人に犠牲者が出るが百鬼丸が中心となって村人も勇敢に戦い、化け物に傷を負わせると怪物は逃げる。
 どろろは怪物が出現している間、万代の部屋が空っぽなことに気付いて万代の夜具の中に潜むが戻ってきた万代に捕まってしまう。化け物の正体は万代で、化け物の尻尾の先が万代の顔になっていたのだった。
 
・人面瘡の巻
 能舞台風の表現の中、青梅から取った毒を矢に仕込んで百鬼丸は万代を倒す。倒れた万代の口から何かが出て来るが、百鬼丸が焼水をかけて殺す。これは人面瘡というもので、百鬼丸は以前にも同じような化け物を倒したことがあるという。人面瘡が抜けたあとは、鬼のようだった女の顔は優しそうな顔に戻っている。百鬼丸は彼女を葬ってやるように村人に指示するが、化け物がいなくなると村人はどろろと百鬼丸をもう用はないとばかりに追い出してしまう。

 化け物に襲われて意識の無いどろろを介抱するが、意識を取り戻したどろろはおれの身体に触ったな、と怒る。どろろは実は女の子なわけなのでそのせいかもしれない。介抱して何が悪い、と百鬼丸も怒る。そんなことをしているうちに百鬼丸が苦しみ出し、右腕が仕込まれた刀ごと落ちる。そして右腕が生えてくる。万代は百鬼丸の身体を奪った魔物の一人だったのだ。

 万代が百鬼丸にとっては16匹目の魔物だったらしく(最初の方に出てきた死霊はカウント外らしい)、これまではヘソとか鼻とか髪の毛とかを取り戻したと書いてある(実は鼻は後の方の話で取り戻す話がある)が、腕のような大きなものははじめてだという。
 これまで右手に仕込まれていた刀はこれまで腰に形だけさしていた刀に改めて収まることになる。だがどろろはこれで刀が盗みやすくなった、と意欲を燃やす。
 百鬼丸は右手の義手を埋めて塚を作り、手の塚だから手塚だと楽屋落ちのギャグ発言。

 どろろは百鬼丸に介抱される間、母親を呼ぶなどウワゴトを言ってうなされており、お前はどういうふうにすごしてきたんだ、話せよ、とうながされる。
 どろろは断わるが、脳裏に馬が集団で走る様子が浮かんで来る。

 ここで1巻終わり。

 ページ合わせのためか。「げてもの」といういわゆるフースケというキャラクターを主人公とした短編が収録されている。絵柄も雰囲気も全然どろろと違う作品で、何故これを選んだかも不思議に思う。手塚さんが選んだのか、編集者が選んだのか。

 サンデーコミックス版を読んだのは小学生の頃だが、今も同じ装丁で売っているみたい。価格は税込み529円みたい。手持ちのは250円だった。
 サンデーコミックス版は少年サンデーと冒険王の連載分を大幅に修正したりして、連載時と順番も入れ替えてまとめたものらしく、手塚治虫全集が組まれたときにこの順番を連載時と同じように戻したという。冒険王連載当時はどろろは百鬼丸から奪われた肉体で作られた存在で、どろろを殺せば百鬼丸はすぐ人間になれる、みたいな設定だったらしいが単行本化するときにその設定はボツにしたらしい、とウィキペディアに書いてあるけど、私はサンデー連載分しか読んだ記憶がないな。

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