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「定年からの旅行術(加藤仁著)」④私家版「街道を行く」

2019/02/17 19:00 投稿

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・「街道を行く」は司馬遼太郎氏の歴史紀行シリーズ。司馬さんにあやかってか、這うように街道を行く定年退職者も多い。

・取材時60歳男性。元広告会社勤務。55歳で退職して屏風作りをはじめる。
 還暦を機に東海道歩きに挑戦。日本橋から一日20キロ前後を目安に歩いてゆく。宿はその都度探す。一日三万歩程度。トイレはコンビニで借り、夜は赤提灯にも寄る。9日かけて静岡まで歩いて第一ラウンド終了。
 ひと月後に第2ラウンド。まず新幹線で静岡へ。ここから7日かけて四日市まで行くが雨に降られ、道に迷ったり宿が満室で困ったりと苦しむ。
 さらに一ヶ月後に第三ラウンド。のぞみで名古屋、近鉄で四日市に行ってチャレンジ開始。またしても雨、宿泊拒否で苦しむ。一駅だけ電車に乗ったりしてようやく三条大橋にたどり着く。費用総額23万弱。これを高いと見るか安いと見るか。歩数は75万歩となった。

・取材時83歳男性。自動車修理工場経営。
 60歳で土日のみ使って半年かけて東海道を歩く。これを皮切りに甲州街道、中仙道も制覇。80歳になり妻を亡くし事業も息子に譲り、奥の細道を行く。春と秋のみ歩くことにして芭蕉の足取りにこだわった。

・取材時85歳女性。JR高田馬場駅でくず餅を売っていた。
 60歳で夫と死別。皿洗いなどの後70歳からくず餅を売るようになる。65歳から日本一周マラソンをはじめる。駅から駅へ、街道を走るというもの。マラソンおばあさんとして何度も新聞に載ったという。母方の祖父は山岡鉄舟の高弟、父方の祖父は明治法曹界の大物だったという。

・四国八十八ヶ所歩き遍路
 取材した多くの方が四国八十八ヶ所を訪れているということで、数名のエピソードを取り上げている。人生を見つめなおしたい、何かにケリをつけたい、という人が多いみたい。

・東海自然道 
 というのもあるらしく、東海道の裏街道といった感じらしい。山の中を抜ける手強いルートらしい。全道踏破にはかなりの時間とお金と体力が必要とのこと。こちらを歩く人も達成感を求める様子。

・熊野古道
 今は世界遺産になってたいへんだが、こちらを歩く人も。当時既にブームで150名の団体が押しかける、みたいな感じだったらしい。スポーツ派と歴史派がいるという。

・取材時71歳男性。元外資系石油会社。
 69歳で北海道最北端・稚内から九州南端・指宿まで寝袋を持って歩き通す。自分の底力を確かめたかった由。まず市役所か町役場を訪れて新聞を読み、広報か観光課で野宿の穴場など情報を仕入れることを学ぶ。七ヶ月半で達成。

・取材時84歳男性。元警察官。
 無為無職に飽き、64歳で自転車にテントを積んで出発。45日間で富山市(自宅)~小松市~鳥取~下関~門司~九州西半分をまわる~鹿児島~フェリーで高知~四国縦断~山陽~近畿~東海~関東~東北~北海道(ヒグマの季節だったため一日のみ)~青森~秋田~新潟~上越~自宅をまわる。その後取材時までに似たような日本一周を4回やったという。

 どの人も時間、お金、健康、体力に恵まれているなあと思う。私なんかはとてもとても。

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