メタ坊のブロマガ

「琥珀枕(森福都著)」⑤琥珀枕(こはくちん)

2018/09/24 19:00 投稿

  • タグ:
  • 森福都
  • 古代中国
  • 光文社文庫
  • 妖怪

・本の表題になっている短編。
 安旅籠で二人の商人が知り合う。1人は王万徳(おうまんとく)で薬枕というものを売っている。もう1人は祭周南(さいしゅうなん)。こちらは笛で商売をしている。笛を売るのではなく演奏して金を取るらしい。周南は万徳にある頼み事をされる。万徳には美人の妻・紅珠(こうじゅ)がいるのだが、弟の千徳、百徳、十徳が色目を使っている。妻が浮気しないよう、伝言を届けてほしいというのだ。二人は逆方向からきたらしく、周南の行き先には万徳の故郷がある。

 周南が万徳の家を訪ねると、折悪しく殺人事件があったと取り込み中である。殺されたのは紅珠の義兄ということだが、間男だったらしい。三人の弟は何をしていたかというと、全員商売の才能が無くて金儲けができず、その顔雲国(がんうんこく)という男に金で手なづけられていたという。紅珠はもともと王宮の下っ端の舞姫で、貞操観念など持たない女性らしい。

 周南は下婢の五妹(ごまい)と親しくなり(周南はイケメンである)、紅珠との面会にこぎつける。周南は雲国を殺した犯人を探し、紅珠に教えず万徳が隠しているはずの財産を見つけてやろう、と持ちかける。これは万徳の父親が彼に残したものらしい。
 紅珠によれば、雲国は彼女が朝食を作っている時に殺されたということで、彼女が最初に起こしにいったときには生きていたが、粥が炊けて二度目に呼びにいったら死んでいたという。飼っていたインコを喉に押し込まれて。周南の見立てによれば、雲国は万徳の財産の隠し場所を知ったから殺されたんだろう、という。
 紅珠は頭痛持ちで、万徳が探してくれた琥珀の枕、琥珀枕を愛用しているという。そうすると頭痛が消えるらしい。そしてその琥珀枕が突然喋り出す。「わしがお宝のありかを教えてやろう」と。

 これはすっぽんの妖怪である徐先生が、自分が若い頃の話だ、と昭之に語ったエピソードになっている。徐先生は上記の話の中に既に登場している。

 ちょっと万徳が気の毒な気もする。
 


コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事