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「あかつきトークライブ番外編」

2017/12/10 19:00 投稿

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私は「はやぶさ2トークライブ」や、それと交互に開催されている「さがみはら宇宙の日」には何度か参加しているけど、「あかつきトークライブ」はこういうのに参加するようになった時にはもう終了していたのでトークライブとしての参加ははじめて。
 宇宙の日としてあかつきの話を聞いたことはあったと思う。

 今回はグッズが充実していて、チラシ類の他に、
①仮面ライダー劇場版のカード
 この映画に天才物理学者が登場するので、科学教育振興のため文部省とタイアップしたので宣伝する事になったということでした。
 JAXAの方も現在のライダーにはあまり詳しく無い様子でしたが。
 前回文部省推薦と書いたかもしれませんが正しくはタイアップだそうです。
 具体的にどう違うのかよくわかりませんが。
②あかつきペーパークラフト
③特製カレンダー(非売品)
 DARTS(ダーツ)という宇宙科学ミッションのデータアーカイブ?の文字がある。
④あかつきカード


 などがもらえて嬉しい。


 最初はあかつきプロジェクトマネージャーの中村正人さんから、あかつきのこれまでを振り返る内容。

 火星探査機のぞみ、小惑星探査機はやぶさの失敗の経験から、FMFCA(failure mode, effects and criticality analysis / 故障モード・影響及び致命度解析)という手法を用いて失敗の原因を全て取り除いてチャレンジしたつもりだったが、金星軌道突入時にまたしても事故が起きてしまった。

 その原因は燃料と酸化剤を混ぜてエンジンで燃焼させるためにそれぞれをガスで押し出すわけだが、逆流しないように入れている逆止弁を蒸気のような状態ですり抜けて一次側に出て行ってしまうものがあり、一次側で反応して塩という固体になって管路を塞いでしまう。すると燃料と酸化剤のバランスが崩れて高温になりすぎて噴射口を破壊してしまった、というような話だったと思う(不十分な理解で書いております)。

 これから教訓として、過去の似た経験は全く役に立たない、と体勢を立て直し、プロジェクトエンジニアとプロジェクトサイエンティストという立場が相反する人間が徹底的に意見を交わして相違点を洗い出し、プロジェクトマネージャーも交えた3人で方針を決定する、解釈に誤解のないよう言語を統一する(日本語とする)、数字だけではなくその数字の意味を考えて数字をやり取りする(その数値より大きくなるとこうなり、足りないとこうなる、というようなことも理解する)というようなことなどを心に刻んで惑星軌道突入再挑戦に挑み、そのミッションにはVOL-R1という名前をつけた。ビーナス・オービット・インサーションつまり金星軌道突入リベンジワン。
 太陽の潮汐力があかつきに与える影響とか、重力ブレーキによる方法とか、様々な検討を行った結果として決定した軌道とスケジュールだった。

 地球から見えない(通信できない)部分で軌道再突入は行われ、公式発表は少し時間をおいて確認が出来てから、ということになったが、スタッフは観測データからこの軌道突入の結果が成功であることはかなり早くから確認・確信しており、記者会見を開く前からシャンペンなど開けて乾杯していたらしい。だから成功の記者会見に出席した中村さんは既にかなり酔っ払っていたという(会場爆笑)。

 軌道に入ったあかつきはすぐに振り向いて写真を撮影。ここでさっそく南北に広がる弓形構造という惑星科学者が大喜びする現象が観測される。

 このへんのあかつきの動きをシュミレーションした3Dムービーなども紹介された。

 続いて本日の主題、これまでの観測結果からどんなことがわかってきたか、ということを東大の今村剛博士から。以前は宇宙科学研究所の所属だったけど現在は東京大学に異動されたみたい。

 金星は何故暑い(熱い の方がいいのかな?)のか。それは地球より太陽に近いからではなく、惑星内で発生した熱が宇宙に逃げないから。地球の雲には切れ目があるし、広い範囲で全く雲のなくなることもあるが、金星の雲は一面を覆って切れ目がなく、部分的に消えることもない。そのため熱が宇宙に出てゆかず、金星は温暖化している。
 では何故このような雲が出来ているのだろうか。また、この雲の移動速度から見ると非常に強い、台風よりも速い風が止む事なく吹き続けているらしい。この風はどのような原理で発生しているのか。

 いろいろ理論は考えられるけど、観測結果と照らし合わせないと何とも言えない。でもあかつきは5個のカメラと一つの観測機を積んでいるので、いろいろな深さの雲の様子を観測できるのできっと観測結果と数値モデルとを検証していけば、謎は解けるはず。

 UVIという紫外線カメラ(これはカメラではなくイメージャと呼んでいるみたい)は、硫酸の雲の材料となる二酸化硫黄の分布やエアロゾルの大きさなどを推定するための材料を提供してくれるようなことをいっていたと思う。よくわからなかったけど未知の科学物質の分布観測も行っている様子。

 
 LIRという中間赤外カメラは10μmくらいの波長の中間赤外線というもので雲の上の方の様子を観測。このカメラの写真で、北から南に広がる巨大な弓状構造を発見。強風が吹いている筈なのに流れていかないこれは、地形の関係で発生しているらしい。午後から夕方にかけて発生するらしく、よく見ると規模の差があるがあちこちで発生しているらしい。

 また、南極、北極に周囲より温度が高いホットスポットという部分があることもこのカメラでわかったという。


 IR2(アイアール2)、通称2μm(ミクロン)カメラはもう少し下の下層の雲の様子がわかる。赤道付近に巨大連続なんとか構造という、巨大な泡のような斑点のようなものがたくさんある事も発見されて、これがなんで発生するのかはまだわからないとか。

 IR1(アイアール1)、通称1μmカメラでは地表近くの雲の下のほうが見える。地表にも温度が高い部分があり、火山などがあるのかどうかも今後の解析でわかるかもしれない。

 もう一つLAC、いわゆる雷カメラがあるがこれについては特に話がなかった。

 あと、カメラではないがUSOというのがあって、これは宇宙英雄ローダンに出て来るスペシャリストがいるセクションではなくて、超高安定発信器というもので、金星の大気をかすめて地球に電波を送り、その電波の曲がり具合などから蒸気分布とか大気のかき混ぜ度とか対流とかの様子がいろいろわかるらしい。電波掩蔽(えんぺい)と言うらしく、今村博士はこれが本来メインの研究課題みたいに言っていたような気がする。金星の対流現象は地球と逆で、地球は昼に雲ができたりするけど金星は夜に対流が起きたりするみたい。金星は夜行性の惑星ということだろうか。

 いろいろ思いもしなかった現象が観測結果からわかってきて、何故かは今のところ検討もつかない、ということも多いらしい。

 カメラの2台、1ミクロンカメラと2ミクロンカメラは現在機能停止中。おそらくとっくに設計寿命を超えているのだと思うけど、復活させるべく努力は続けているとのこと。すでに多くの写真は撮影済みなのだと思うけど、もう一度起きてさらに活躍してほしい。

 スーパーローテーションの謎は?というとまだここでははっきり言えないらしいけど、現在論文を執筆できるような手掛かりはつかんでいるみたい。赤道ジェットとも呼ぶべき、赤道付近に特に速い雲の流れがあることが発見されているようで、ここから周囲に速さが伝播してるのかも、みたいな説明だったように思う。論文を待て、乞うご期待、みたいな感じらしい。

 素人がろくに予習もせずにその場で聞いた記憶とメモと会場でもらった資料に頼って思い出しながら書いているだけなので、いろいろ間違いや不正確なところはあると思いますゴメンネ。

 講演は以上で、休憩をはさんで実習の時間。あかつきトークライブでは実習があるのが恒例だったみたいだけど私は???
 まさか自分がやる実習とは。2枚の雲の写真から、雲の移動距離を読み取ってそこから速度を計算して、金星上の緯度経度別の風速分布図を会場のみなさんで作りましょう、というものでした。

 私が計算した地点はだいたい風速85m/sくらいでした。マイナス符号がついたけど西から東に吹くのが正方向だったのかな?こういうのパッと言われるとよくわからない。

 ちょっと疲れたけどとても興味深いイベントでした。なかなか覚えられなくて、いろんなことすぐに忘れちゃうんだけど。
 



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