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地球防衛会議「Asteroid Day in 相模原 ~天体の地球衝突に対処する~」メモ

2017/07/02 17:00 投稿

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  • JAXA


・JAXAのお向かいさんにある相模原市立博物館で行われた、講演会。正式名称は
「Asteroid Day in 相模原 ~天体の地球衝突に対処する~」。
http://sagamiharacitymuseum.jp/blog/event/7%e6%9c%88%e3%81%ae%e3%80%8c%e3%81%95%e3%81%8c%e3%81%bf%e3%81%af%e3%82%89%e5%ae%87%e5%ae%99%e3%81%ae%e6%97%a5%e3%80%8dasteroid-day%e5%b0%8f%e6%83%91%e6%98%9f%e3%81%ae%e6%97%a5-in-%e7%9b%b8%e6%a8%a1/
 今回は3つのテーマで、普段より1時間長い。館内には子供の作った短冊が。
 









 最初ははやぶさ2トークライブでは司会者のような感じで冒頭「はやぶさ2は順調です」と
毎回ご報告されているJAXAの吉川真先生から、「小惑星が地球に衝突することにどのように対処するのか(することができるのか)」というお話。

 この講演が行われた前日、6月30日はアステロイドデイ(小惑星の日)ということになっている。なぜかというと1908年のこの日、ロシアのシベリア(ツングースカ)上空で隕石が
爆発し、2000平方キロにわたる森林が炎上した、ということがあったから。
 星野之宣さんの「はるかなる朝」では超古代文明の宇宙船の爆発、ウルトラマンオーブではゼットンとの戦いで生じた爆発、などSF作品のネタにもなっている有名な事件だが、実際には直系50~60m程度の隕石が大気圏に突入し、爆発したというもの。被害範囲はもし東京の真ん中で爆発したとしたら、東京の半分+埼玉の一部+神奈川の一部くらいのエリアに及んだという。
 隕石は突然生まれるわけではなくて、太陽系の中を大昔からウロウロしている小惑星が地球の軌道と交差して大気圏に捉えられて降ってくる。直経10m以下程度の小惑星の衝突は頻繁に起こっているが、いわゆる流れ星として大気圏で燃えつきてしまい、実害はない。
 だがそれを超えると地表まで届いたり、空中爆発の衝撃波で被害を与えたりするようになる。最近の出来事として記憶に新らしい、ロシアのチェリャビンスク隕石は直経20m弱だったらしいが、1500名以上の人が爆風で吹き飛ばされて怪我をしたり、建物のガラスが割れたりという被害が出た。



 いつ隕石が落ちて来るか、ということは実は完全に予測可能で、落下地点までわかるという。地震や津波、火山の噴火、などと違って予測できる天災なのだ。
 転機になったのはこれも天文ファンには有名なシューメーカー・レビー彗星。1994年に
20人以上の団体さんで木星表面に次々と激突し、残った衝突班は地球の直径を越えるという。


 SFの世界ではジョージ・パルの映画で有名になった「地球最後の日」とか日本の「妖星ゴラス」とか

 
「メテオ」「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」「さよならジュピター」などこの
手の作品は出来と評価はともかく作られ続けているし、映像化されなくて一般知名度イマイチだけど「巨眼」なんて作品もあった。



 大ヒットした「君の名は。」もそうした作品のひとつで、吉川先生も5回ご覧になったそうだ。ただし映画館ではなく飛行機の中でだとか。彗星が分裂して軌道が変わることはあるでしょう、とのこと。気になることもあるらしかったのですが具体的にはおっしゃいませんでした。ストーリーの方は未だに時系列がよく理解できていないそうです。
 
 過去、メキシコのユカタン半島に落ちた巨大隕石が地球の気候を変え、恐竜絶滅をもたらした、というのも証明はできないものの状況証拠は次々と見つかっているみたい。
 この時の隕石は直径10kmくらいだったのでは、ということになっているらしい。

 とにかくSF的できごとが現実に起き得るね、シューメーカーレビー彗星みたいのが来たらたいへんだよね、ということで、少なくとも今ある小惑星はできるだけ発見して、軌道を確定して、それが地球にぶつかるかどうかはチェックしようよ、ということでスペースガードという組織が誕生する(名称はA・C・クラークの小説「宇宙のランデブー」由来)。現在日本ではNPO法人になっている。世界中に似たような組織があって国際的に連携しているらしい。
http://www.spaceguard.or.jp/ja/index.html

 NEO(Near Earth Object)という、地球の軌道に近づいて来る天体については特に注意して観測しないといけない。大被害を与えるような大型のものはほぼ発見され、軌道計算もすんで衝突の危険がないことは確認済みだが、小型のものはなかなか発見できないので今後も観測が必要とのこと。特に地球の夜側から近づくものは発見しやすいが、昼側(太陽の方)から接近してくるものは発見が困難だという。
 過去にはアメリカに落ちて車を破壊したピークスキル隕石、ペルーに落ちたカランカス隕石、、初めて事前予測に成功してスーダンに落ちたアルマハータ隕石などがあり、小規模の衝突は発生し続けている。

 現在発見され、軌道が確定している小惑星は約74万個、うち確定番号を持つものが約50万個、NEOに該当するものが約1万6千個あるという。
 また、SFでは太陽系外から惑星やら彗星やらブラックホールやらが飛んで来る、というパターンが多いが、スペースガードとしては太陽系の外からの天体が地球にピンポイントで激突する、ということは確率的に無視してもよかろう、それよりも今確実に観測できるものに全力を注ごう、みたいな感じのようでした。

 発見したものが地球に落ちて来る、とわかったとするとその対策、ということになるが今のところこちらは決定打はない。映画なんかだと核で破壊、ということになりがちだが、破壊しても破片が大量に降り注げば被害は変わらず、あまり意味がないらしい。十分な余裕を持って相手の軌道を変えるのが最上だが、現在の技術ではこうすれば大丈夫、という方法はなく、軌道変更に間に合わないほど接近してからの発見であれば、何もできないかもしれない。
 ここはこれからの課題だが、日本はイトカワ(実はイトカワもNEOに入るらしい)をはやぶさが調査した事によって多大な貢献をしているという。小惑星の内部構造を推定するデータを得られたことは大きいらしい。
 現在ははやぶさ2とNASAのオサイレス・レックス、欧州のマルコポーロRの3機の探査機がサンプルリターンを予定しており、さらに知見は広がるはずとのこと。
 この話になった時に、ああ、そうそう、はやぶさ2は順調です、と報告がありました。全然心配していないのがよくわかります。

 今後はIAWN(International Asteroid Warning Network:国際小惑星警戒ネットワーク)、SMPAG(Space Mission Planning Advisory Group:日本名不明)という2つの組織を作って前者が観測と軌道確定、後者が衝突回避対策を担当していくようになるらしい。
https://www.wakusei.jp/book/pp/2013/2013-4/2013-4-214.pdf

こんなタイムリーな記事をたった今見つけました。
小惑星の衝突回避へ、NASAが実験計画発表 22年実施
http://news.livedoor.com/article/detail/13281058/

 発見して衝突が予測される、となった場合の周知、避難、情報公開などをどうするか、というのも重要になってくるのだろう。巨大すぎてどうしようもない、なんてなったときに伝えるべきかどうか。ぎりぎりまで嘘をつき続けるべきか。癌の告知みたいな。

 そんな感じでした。2013年の資料をたまたま見つけましたが、図などは今回とほぼ同じ感じでした。ただ、観測数値などは新しく更新されていたと思います。

 https://www.nins.jp/public_information/pdf/colloquium/2nd_01_b1_session_y.pdf

 二つ目の講演は日本スペースガード協会副理事長の浅見敦夫さん。
 私は知らなかったけど青森県で隕石の落ちたらしい穴が発見された、という出来事があったそうで、この現地調査にいかれた時の顛末と今後の課題について話されていた。
 https://mainichi.jp/articles/20170402/k00/00m/040/073000c

 これは農地の中にある日突然隕石孔らしい穴が見つかったという事で、年度末でもあり、来年度きちんと調査に行こう、と思っていたところ突然呼び出される格好で調査する巡り合わせになり、徹夜で車を運転してかけつけたところ、10分もしないうちに目の前で隕石孔?が畑の持ち主の手で掘り返され、潰されてしまったというもの。

 通常は火球や音の目撃情報があって、そのあと穴が発見される事が多いのだが、今回は穴が発見されたが火球などの目撃情報が全くなく(あとからそういえば、と情報が寄せられたりもしたらしいが時間が確定できないので関係あるのかないのかもわからない)、穴の形状もかなり歪んだ楕円形で常識とかなり異なるとのこと。

 持ち主が、このことが報道された事によって無関係な人が畑に立ち入るなど迷惑を被るようになってきたこと、そろそろ次の農作物を栽培したい時期になったということでいつまでも放置しておきたくない、ということで、重機で隕石が見つかるかだけ掘って確認したら埋めてしまいたい、という意向に傾いて急遽埋め戻すことになったということらしく、スペースガード協会としては隕石孔に価値があるんです、ということを伝えて埋め戻しをなんとか中止してほしかったのだがかなわず、目の前で埋められてしまったという悲しい出来事だったらしい。
 そのため10分程度の時間で穴の寸法を測る程度しかできず、土のサンプルなども取れなかったみたい。すでに大勢の人が踏み荒らしたりして調査も困難だった様子。
 また、現地についたら何故かテレビカメラが待ち構えていて、あたかもスペースガード協会にこれが隕石だと断言してほしい、みたいな感じでコメントを求められたりもしたらしく困惑したという。隕石は見つからずに終わったという。

 結局ミステリーサークルみたいないたずらに畑の所有者がだまされてしまったのか、本当に貴重な隕石孔だったのかもわからないまま証拠となるようなものは全て無くなってしまった。

 この事例を通じて、隕石もしくは隕石孔の所有権などについて話をされ、遺跡なんかと異なり文化財保護法の対象にもなっておらず、自分の土地で発見したとしても通報の義務もなく、
誰かが隕石を拾ったとしても拾った人のものではなく土地所有者のものとなり、取得物として拾った人になんらかの見返りがあるわけでもないという。
 また、仮にとても貴重な隕石が発見されたとしても、その隕石を所有者がどうしようと勝手で、国として引き取って保存するような仕組みもないみたい。

 そうしたら拾ったら誰にもいわないでガメちゃうよなあ、とか土地所有者もわざわざ報告したくないよなあ、とか一方で観光資源欲しさに昔の某遺跡みたいに捏造するとかも今後はあり得て対策も必要になるかも、とか考えさせられるものがあるお話でした。公有地で拾ったり、自分の車にぶつかったりしたらその人のものになるそうです。

 三番目はパソコン画面を見ながら、実際の小惑星探しはこんな感じです、という体験講座みたいなもの。3つのスクリーンで3班に別れて実施。
 夜空の写真を何枚も撮って、それをパソコンソフト上でパラパラ漫画みたいに連続で流していくと動いているものが見つかって、その座標を3つデータとして登録すると、既に発見されて軌道決定してる小惑星なのか、新発見のものなのか、がわかるというもの。
 動いているものをパソコンソフトで自動検出みたいなことも可能なようだが、最終的な確認は今のところ人間のチェックが必要とのこと。
 恒星、惑星、小惑星など既知の天体はそのデータベースに全て登録されていて、候補を発見さえすれば簡単に未登録かどうか判定できるらしい。
 もし発見したものが未登録と確定すれば、それを報告して小惑星の命名権をもらえたりするみたい。スペースガードの会員であればこのソフトを貸し出ししてもらえて、会員の方は仕事もあるのに夜な夜な夜空の写真をとっては解析している様子。
 それが未知の彗星だったりしたら自分の名前が歴史に残ることもあるかもしれない。

 というようなお話でした。興味ある方はスペースガード協会のほうへ。


 もし素人が隕石らしい音を聞いたり光を見たり、隕石孔らしものを見つけたり隕石らしいものを拾ったりしたら、国立科学博物館もしくは地域の科学館、あるいは最寄のスペースガード支部までご一報くださいとのことでした。

 また講演の議題にはありませんでしたが、八王子隕石についての漫画風パンフなどもいただきました。これは暴れん坊将軍の元ネタですかね?



 また、5月19日にお台場の科学未来館で開かれた国際会議のプログラムもいただきました。中身全部英語です。


 博物館でやっていた「砂展」というのに南極の砂があったので写真に撮ってきました。
こんなに赤いんだ。



 今回はそんなでした。

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