メタ坊のブロマガ

映画「この世界の片隅に」感想

2016/11/14 19:00 投稿

  • タグ:
  • 映画
  • アニメ
  • こうの史代
  • この世界の片隅に
  • 艦これ
・いい作品だった。終盤に近づくにつれて、あちこちで泣いているお客さんがいた。

 戦争を賛美するつもりなど全く無いが、実在・架空を問わず武器や兵器には惹かれてしまうし、フィクションである娯楽作品には戦いが無ければ成り立たない所もあるしそこが見せ場でもある。宇宙戦艦ヤマトや艦これも好き。日本人と日本軍だけが邪悪だったとも思わない。
どこの国の人にも、どこの国の軍にも光と影があると思う。
 そういう事も賛美だ、というならその通り、としか答えようが無いが、そういう人間からみると、日本は絶対悪だ、という前程でいわゆる反戦平和を声高に訴えた作品、というのはどうも肌に合わないことがあるし、そうした作品ばかりを評価してオススメしている人にもうさんくささを感じてしまうことがある。

 デモなんかも、うかつに善意で出かけていくと、何かに取り込まれてしまうんじゃないか、という気持ち悪さを感じる。なのでああしたものを常に礼賛している人には、裏に何かあるんだろう、とも思ってしまう。

 そういう人は何かと戦闘的だし、ツイッターやブログや著書でもとても強い、汚い言葉で、常に誰かを批判している。ガキ、子供、お子様、おぼっちゃん、レイシスト、ポピュリズム、ひっとらあ、なちす、論外、上から目線、ストーカー、アホ何とか、etc・・・

 自分だけはそんな奴らと違う、高尚で正しい賢明な存在なのよ、とそういう言葉で相手をののしる事を通して確かめているかのようで、そういう言葉を安易に使う人とその作品に対しては信用も応援も共感もできないし好意ももてない、という感じになってしまう。

 人権や平等や民主主義を大切だと言っていながら、自分と意見が異なる相手、自分が非難する人間を同じように非難しなかったり、評価したりする相手には、何を言っても、何をしてもいいのだ、力で抹殺してもいいのだ、という歪んだ雰囲気を感じる。なのでだんだんそうした人たちが賞賛して、すすめようとする反戦平和作品が苦手になってきた。この人が誉めるものは見なくていいや、みたいになってきてしまった。

 ジブリの「火垂るの墓」なんかはいい作品だと思うけど、ちょっと辛くてもう一度見ようとは思わない。
 中沢啓治さんの「はだしのゲン」も、少年ジャンプ掲載分しか読んでいないけど、悪い作品とは思わない。ただ、どちらも当事者の方が原作ということで、その人の悔しさとか、苦痛とか、怨念のようなものも強く出てしまっている気がして、距離を感じてしまう。
 後者はなんだか運動のシンボルのように扱われてしまったおかげで、とっつきにくい作品になってしまった。

 ある意味、私は平和・反戦作品疲れしているのだと思う。上の二つはそんなことないが、また批判と攻撃か、と思わせられるだけの例も少なくないので、最近敬遠気味。

 なんだけど、この作品は原作者の「こっこさん」や「ぴっぴら帳」、「さんさん録」なんかが好きなこともあって見た。原作は連載時に最初のほうだけ読んだけど、中盤以降は未読。

 で、こういう作品が作られる事はやっぱり大切だなあ、と感じました。なるべく多くの人が見るといいなと、素直に思います。アメリカの人にも見てほしい。
 風景も人物も、アニメ作品として素晴らしいし、話もとてもよい。ラストは原作よりも少し未来まで描いているそうで、原作を知っている人でも見どころだと思います。
 原作者が直接の悲劇の体験者ではないことが、適度な落ち着きと客観性を与えているのだと感じるし、この作品は時間をおいて、また見ようという気持ちになる。

 こういうすすめかたをするのは邪道なんだろうけど、隼鷹、飛鷹、利根、青葉、大和、武蔵なんかも登場するので艦これ提督にも見てほしい。
 私みたいに反戦平和食わず嫌いになっている人には特に。

 政治色が強い運動をやっている方は、こうした作品を、自分たちの主張のシンボルみたいに扱わないで、そっと応援するにとどめてほしいな、とも思います。ひいきの引き倒しになりかねないと危惧するので。

 また、この作品が、ヒロイン役の女優さんの演技が素晴らしいにもかかわらず、あまりマスコミで取り上げられていないらしいのにも思うところがある。マスコミの皆さんは、普段あんなに平和や反戦の話題が好きなのに、何で?と。そして、政権がマスコミに圧力を加えた、となると大騒ぎする人たちは、どうして何も言わないの?とも思う。政権の圧力は悪で、広告代理店や芸能事務所の圧力は容認するのって、公平じゃないんじゃないの?それでいいの?と。

 でもそんなことに関係無く、口コミでこの作品は多くの人に見られて、残っていくと思う。

 公式HP
http://konosekai.jp/

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事