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東方WITH A MISSION~狼達が幻想入り~ MISSION18 スペア・リブが幻想入り

2016/06/18 05:15 投稿

コメント:1

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 澄み渡る青空。流れる雲が、肌をなでる風が、全てを包み込む日の温もりが、その全てが、原っぱの隅で昼寝をたしなむ狼頭を、まどろみの中に引きずり込んでいく。口をぽっかりと開けた狼頭の正体はスペア・リブ。MWAMのカワイイ担当である。
 原っぱの中央の方では子供たちが遊んでいるのだろう、はしゃぎ声が聞こえる。今のリブにとっては、それすらも耳心地の良い子守唄のように聞こえていた。

(アア、気持チイイニク、コノママ夜マデコウシテイタイニクネエ)

 かれこれ2日はこうしていた。横になるとちょうど草むらに隠れて、風に揺れる草の音色が心地よくて、なぜか子供達は気付かなかったが、とにかくこうしてひたすら寝ていた。だが、さすがにこれ以上寝続けるのは、体的にも、狼的にもよろしくない。日が沈んだら食料を探しに出かけよう。それまでは、このまどろみを堪能しながら、子供たちのはしゃぎ声を聞いていよう。

(ソウイエバ、紫サンガ言ッテタケド、僕ハ人里ノ近クニスルッテ言ッテタニク、子供タチガ遊ビ場ニシテルッテコトハ多分、人里ガ近イッテ事ニクネ、ソコデオ世話ニナルノモ悪クナイニク)

 等と考えていた。例え泊まるところは無くても、何かあるだろう。のんびりとそんなことを考えていた。その時、子供たちのはしゃぎ声がちょっとだけどよめいた。

A「ああ! おい変な方に蹴るなよ! 森の方に飛んで行っちゃったじゃんかよー!」
B「そうだよ、どうすんだよ、もう夕方になりかけてるのに、森の方にけっ飛ばしやがって」
C「そうだそうだ!」
D「いや、お前だよけっ飛ばしたの」
C「ばれたか、お前らすげえな」
E「自分でけっ飛ばしておいてよくそんな言葉吐けるなお前w」
F「取り合えず取りに行ってこいよ、そしたら皆で帰ろうぜ、そろそろご飯だし」
B「そうだな、C、行ってこいよ」
C「任せとけ!」

 一通りの会話が済むと、一人だけ森の方に走って行った足音が聞こえた。どうやら球遊びをしていたのだろう、それでC君が、隣接している森に蹴り飛ばしてしまったのだろう。だがこの時間帯の森はちょっとだけ入る分でも危ないだろう。日が落ちかけた途端、一気に視界が不明瞭になる。怪我でもして泣きながら出てきたりするんだろう。そう考えていた。

C「そういえば、自分でけっ飛ばしておいて何だけど、何処まで飛んで行ったかわかんねえや……、しっかし暗いなあ、夕方になっただけでこんなに暗くなるんかい、これからは気をつけよう」

 少年Cはブツクサと独り言を言いながら、球を探していた。もうだいぶ奥まで入り込んでいた、球蹴りをして遊んでいた原っぱの方は、木々に少し視界が遮られていた性もあってか、だいぶ遠くに見えていた。反対を向くと、特に危険と言われる、魔法の森程大きくは無いとはいえ、奥は真っ暗だ。

C「さすがにちょっと怖くなってきたな、さっさと探してとっとと帰ろうっと」

 そう思い、球探しを再開すると、森の奥から、足音が聞こえてきた、こんな人里近くの森に熊はいない。それにしては足音がズシズシと重い。不思議に思い、目を凝らして森の奥を見ていると、明らかに動物のそれとは違う異形の姿が徐々に見えてきた。妖怪だ。その妖怪が、里の子供たちに人気のルーミアだったら、どれだけ救いだったことか。だが残念なことに、その妖怪は熊のように大きく、異形の姿をした妖怪だった。二足歩行でゆっくりと近づいてくるその姿に、少年はすっかり畏怖してしまい、蛇に睨まれた蛙よろしく、動けなくなっていた。
 そのままゆっくりと近づいて、食われるんじゃないかと少年は思ったが、妖怪はふと立ち止まって足元に視線をやった。少年も妖怪の足元に目をやると、妖怪の足元には、先ほど少年自身が蹴り飛ばした球が転がっていた。妖怪はおもむろに足を上げると、その足で球を踏みつぶした。
 破裂音で我を取り戻したのだろう、少年はそんまま原っぱの方に全力で駆けだした。幸いにもまだ原っぱは見えている。問題は逃げ切れるかどうかだ。
 無我夢中で走った。今までにないくらいに全力だった。どうか、どうか逃げ切れますように、もう少しで原っぱにたどりつける。あとちょっとだ。しかし、足音が全く聞こえない。不思議に思い、一瞬だけ後ろを振り向いた。振り向かなければよかった。心の奥底から、なんで後ろを振り向いたのだろうと思った。
 すぐ後ろに妖怪の顔があった。ずっと気配を消して追いかけていたのだ。思わず少年は叫んだ。その声は、とても少年の者とは思えない声だった。

D「おい、大丈夫なのかよ! あいつ、なんかすげー音が聞こえたぞ!」
A「わかんねえよ! おい、B、E、すぐに慧音先生を呼んで来い、急げ!」
F「お、俺らはどうするんだよ!」
A「俺らまで先生呼びに行ったら誰がCを助けるんだよ!」
C「~~~~っ」
D「っ、あいつの声だ!」
F「な、何があったんだよ!」

 二人の少年が助けを呼びに行ってからすぐに、少年Cの叫び声が聞こえた。それとほぼ同時に、熊のように大きな妖怪が、少年をつかみ上げて姿を現した。その姿に残った三人の少年たちは言葉を失い、動けなくなった。

C「やだ! やだ! 助けて! お母さん、お父さん!」

 少年Cの悲痛な叫びが原っぱに響き渡る。

A「ち、ちうしょう」

 少年Aがこの状況をどうしようか逡巡した時、原っぱのはずれの方でむくりと起き上がる人影が見えた。いや、人影にしては違和感がある。頭が狼だ。その人影はゆっくりとこちらを振り向くと、そのまま起き上がり、こちらに歩いてきた。スペア・リブだ。

「何だ、オマエハ、こいつらは俺様のエモノだぞ」
(コイツ何言ッテルニク、人間ナンカ食ッタトシテモ、マズイニ決マッテルニク)
「お前、シャベレナイのか、まあ、いい、トニカクこいつらは貴様にはやらん、シネ!」

 そう言い放つと、妖怪は片方の手でリブに襲いかかった。が、その拳はたやすくリブにつかまれると、そのままへし折られた。

「ガアーーーー! お、オノレエ、よくもオレサマの腕を、ただじゃおかねえ」

 腕をへし折られた激痛が勝ったのだろう、少年Cを手放すと、今度は全身で襲いかかろうとした。がリブは動く暇も与えないとばかりに、妖怪の膝を蹴り、足も破壊した。

「具がギャアア嗚呼!」
(一々ウルサイニクネエ、サッサト止メヲサシテ終ワラセルニク)

 腕と足を片方ずつ折られた妖怪は、弱々しく後ずさりするが、リブは容赦なく追い打ちをかけるどころか、止めを刺した。妖怪の首を思い切り蹴り飛ばしたのだ。首を折られた妖怪は、そのまま、泡を吹いてその場に音を立てて倒れた。

A「な、何だったんだ、一体」
D「わ、わかんねえよ」
F「た、助かったのか?」
C「……」

 四人の少年は終始圧倒されていた。いきなり現れた狼男が瞬く間に妖怪を倒したのだ。無理もないだろう。そのまま圧倒されていると、狼男がこちらに歩いてきた。思わず少年Aが身構えるが、リブはそれを無視して少年Cの傍まで行き、少年の頭を優しく撫でた。

(モウ大丈夫ダニク、怖クナイニク)

 その行動でもう大丈夫だと察したのか、少年Cはリブに抱きつき、大声で泣き喚いた。これまでの不安が爆発するかのように。リブはそのまま少年をなで続けた。


to be NEXT MISSION!!

 

コメント

デコイ二等兵 (著者)
No.1 (2016/06/18 05:23)
5匹目のオリブちゃんが幻想入りしました。彼のことですから、人里には何の違和感も無く?溶け込むことが出来るでしょう。でもオリブって意外と腹黒よね……、まあ、そこがいいんだけど。
それはさておき、ウp主はプライベートで転職活動を始めました。次の就職先を見つけないと辞めれないとかメンドクサイですわ。まあ、そうじゃないと生活できないので仕方ありませんが、ああ、早く見つかるといいなあ……。
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