MASAの部屋

プロレス本読み比べその1 プロレス暗黒の10年

2015/06/21 14:05 投稿

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最近地元のブックオフに行った所、マニアが売りに出したのか
プロレス関係の中古書を大量に仕入れられていました。
その殆どが週刊プロレスや週刊ゴングの別冊といった所謂「賛美本」ばかりで
少し落胆していましたが、その中で「おやっ?」と思える本が4冊あったので
これからその4冊を読み比べという形で紹介したいと思います。
まずは4冊の中でも一番読んでいて「シラけた」本から紹介したいと思います。

井上譲二 / プロレス暗黒の10年



購入場所:近所のブックオフ

購入金額:760円

週刊ファイト元編集長であった井上譲二が出した「暴露&批判」本です。
私自身は1999年からプロレスファンですが週刊ファイトを一度も読んだ事がないので
イマイチ馴染みが薄いですが要は「プロレスハシンケンカクトウギ」というのを
2000年代にもなって未だにお題目みたいに唱えていた雑誌だったらしく、
哀れ2006年に廃刊となってしまいカネに困った筆者が食い扶持の為に出した本とも言えます。

中身はタイトルからも推察されるように

「(2006年当時)どうしてプロレスはこんなにも衰退してしまったのか」

という内容です。

前にも書きましたがプロレス本は大きく分類すると

・レスラーの自伝本(暴露アリかナシかは人次第)

・「プロレスハシンケンカクトウギ」という前提で書かれている
関係者及びマスコミ本

・ミスター高橋の「流血の魔術」に代表される「プロレスはエンターテイメント」
を前提とする関係者の暴露本

・どっちにも属さず「ああ、昔は良かったね」と昔を懐かしむ懐古本

に分ける事ができます。

これに分類するとこの本は1と4に当てはまる本と言えます。

内容は2000年代に何故プロレス業界全体が急激に失速してしまったのかを
著者の視点から滔々と述べていたり、今更ながらのカミングアウト(笑)をしたり
2000年代前半のプロレス界の出来事を一通り語っている内容となっています。
あくまで著者個人の見解が多く、読んでいて「へえ、この人はこういう考え方なんだー」
と思う箇所があったりもしました。

ただ、個人的にはどうしても納得がいかない点があります。
筆者は長年「プロレスハシンケンカクトウギ」を標榜していた週刊ファイトにいたせいか
衰退の一因を「ミスター高橋が出した暴露本のせいでプロレス界の衰退が始まった」と
冒頭でネチネチ批判している箇所が見受けられます。
要は「業界全体でケーフェイ(プロレス用語で演技の事)を守ってたのに
高橋が自分の金稼ぎの為にバラしたからプロレスの人気は急落した」というのです。

これは井上氏のいう所の「黄金期の最末期」にファンになった私から言わせてもらうと

「はぁ?寝言は寝てから言いな?」

と言いたいです。
私自身、プロレスを見始めてこの方16年目になりますが子供心から見ても
「プロレスって(シュートではなくて)ショーなんだな」と漠然と思っていました。
よく「医者の不養生」と言いますが90年代末期には既にアメリカのWWE(当時はWWF)や
WCWの日本語放送が既に放送開始され始めた結果、既に「プロレス=真剣格闘技」ではなく
「プロレス=エンターテイメント」として見るファンが生まれてきており、
井上氏の言う「プロレスをガチと信じてた6割のファン」の割合は減少し始めていました。
それを関係者とマスコミは「見て見ぬふり」をしていただけでした。
他でもない日本のプロレス衰退の原因は新日本プロレスの場合は

「自分が主役じゃないと気が済まない猪木の支離滅裂な自殺行為と
ゴールデンタイム時代の幻影にあぐらをかいていた関係者の怠慢」


全日本プロレスの場合は

「旧態依然の馬場の呪縛を押し付け、大量離脱を招いた馬場元子と
専門経営者を招かず放漫経営を続けて失敗し信用を失わせた選手たち」


と言えるのではないと言えます。

この事はかつてプロレスラーである棚橋弘至選手も自著で述べていました
2000年代前半にかけて急激にプロレスの観客動員数が落ち込んだり
週刊ファイトの部数が激減したのも井上氏の主張する
「プロレスをガチだと信じていた支持層が高橋本を契機に離れた」というよりも
「80年代の幻影を引きずった考えたと古じみたアングルの焼き直しに対する失望した」
「余りに意味不明な迷走を繰り返すプロレス界全体に嫌気がさして離れた」
というのが事実に近いのではないかと思っています。

また著者は

「(ケーフェイを)カミングアウトしてもプロレス人気は回復しない」
「(カミングアウトしたプロレスを)誰が観るだろうか、チケットが売れるだろうか」

と述べていますが実際の所はというとブシロードに買収され
ケーフェイの存在を「公式には」明かさぬものの旧来の「ストロングスタイル」一辺倒から
「女性・子供も見れるスポーツ・エンターテイメント」に路線変更を行った新日本プロレスは
「第3の黄金期」と呼ばれるほどの活況を取り戻しましたし、
他ならぬ「世界初ケーフェイをカミングアウトしたプロレス団体」である
WWEが年商600億円という超一流企業になっている事からみても
(因みに新日本はWWEに次ぐ世界第2位で年商25億円…差がありすぎですorz)
井上氏の発言が如何に陳腐な世迷言であるか納得いただけるかと思います。

この井上氏といい、「老醜」ターザン山本といい大昔のポンコツ化石人間が
いつまでたっても未練がましく「タカハシガ~、ソウゴウカクトウギガ~」と
言っているのを見ると内心情けなくなってきます。
諺に「菊吉爺」(歌舞伎役者の六代目尾上菊五郎と初代中村吉右衛門時代が最高で
今の歌舞伎はダメだダメだとしかいえないジジイ)という言葉がありますが、
その内この2人や猪木信者たちを今のプロレスファンが「馬猪爺」呼ばわりする日も
そう遠くはないかもしれません。
正直言ってこの本は元週刊ファイトの愛読者以外には何も共感する所も得るものもない
「愚作」です。購入には「捨ててもいい」覚悟で読まれることをオススメします。

井上氏はこの後も何冊か同じ内容の著書を何冊か出版して糊口を凌いでいましたが
プロレス人気が戻ってきた2010年以降パタリと執筆活動を中断しています。
是非彼には今のプロレス界の復活について”語って”欲しいなと思います(嫌味)

次回は同じくプロレス記者であった門馬忠雄氏が書いた本を紹介したいと思います。

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