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発禁書について。

2013/05/13 17:22 投稿

コメント:4

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先日名古屋駅の三省堂に行った時に世界の発禁書特集をやっていました。色々面白かったので雑感を。

発禁書というのは内容が余りに過激なため時の支配者の検閲によって、または市民団体や人権団体の抗議によって発行が禁止された本のことです。有名なものでは例えば「ちびくろ・さんぼ」。


有名なので僕も名前だけは知っていましたが読んだことがなかったのでパラパラと読んでみました。簡単にストーリーを説明すると、

「ある所に黒人の少年さんぼが住んでしました。ある日さんぼは赤い服と青いズボンをもらいました。しかし遊びに出かけた先でトラに出会ってしまい食べられそうになってしまいます。そこでさんぼは赤い服と引き換えに命を助けてもらうことにしました。助かったと思ったさんぼまたトラに遭遇してしまいます。そこでさんぼは見逃してもらう代わりにトラに青いズボンをあげました。そんなさんぼのもとに人食いトラが襲ってきました。さんぼは仕方なくお気に入りですの傘を渡しました。そしてまたトラが来たので靴を渡しました。
その後トラたちは自分の手に入れたものが一番と争った挙げ句バターになってしまいます。そうしてさんぼは服とズボンと傘と靴を取り戻しバターでケーキを作って両親と美味しく食べました。めでたしめでたし」

色々突っ込みどころはありますが、とりあえずさんぼがトラに襲われすぎです。遊びに行って帰るまでに人食いトラに四回も遭遇しています。エンカウント率400%です。ヨハネスブルクでもこんなに治安は悪くないでしょう。さすがアフリカ。

このちびくろさんぼですが、発売当初は黒人の地位向上のための絵本でしたが公民権運動が発展した1970年代黒人差別を助長するとして発禁処分を受けました。日本でも「黒人差別をなくす会」が中心となって差別廃止運動が起き、出版社の自主規制に至りました。

この黒人差別をなくす会という市民団体は会長の有田喜美子氏を中心に家族三人で構成されている実にアットホームな団体です。発禁の是非はともかく(たぶん)日本人のくせに黒人差別をなくそうと努力する謎のモチベーションは見習いたいものですね。アジトは大阪にあるので興味がある人は行ってみてはいかがでしょうか?

書店にはちびくろさんぼの他にも著名な発禁書が並んでしました。例えばニコロ・マキャベリの「君主論」。君主のあり方をしめす帝王学の金字塔です。「目的のためなら手段を選ぶな」という言葉は聞いたことがある人も多いでしょう。この君主論は色々偉そうなことが書いてありますが、この本はマキャベリが官僚をクビになったときに再就職すべく就活中に国に媚びを売るべくかかれた本です。要するに大学生がよく書いているエントリーシートのすごい版みたいなものです。そう考えると急に中身が薄っぺらく感じられるから不思議なものですね

後はアドルフ・ヒトラーの「我が闘争」やアンネ・フランクの「アンネの日記」。戦争の両側からの視点で書かれた両著は順に読んでいくと中々面白いのではないでしょうか? 僕は我が闘争は漫画で分かるシリーズでちょっと読みました。アンネの日記は高校の時途中まで読んで止めました。全然面白くなかったので。

そういえば昔の少女漫画で主人公の女の子が好きな男の子に女の子らしさをアピールするシーンで「愛読書はアンネの日記です♡」みたいなことを言っていましたが、アンネの日記を読んでいる女子中学生なんて男からすればどん引き以外の何者でもありません。多分作者が赤毛のアンと間違えたのでしょう。まぁ我が闘争を読んでいる女子よりはマシかもしれませんが。(いや最近はそっちのが人気あるのかも。ナチ系女子みたいな)

カール・マルクスの代表作の一つ共産主義者宣言も店頭に並んでいました。ポルポトや毛沢東やスターリンもこの本を読んで勉強したというくらいの名著です。ところで意外に思われるかもしれませんがマルクスのもう一つの主著「資本論」は検閲をちゃんとパスしているのです。当時は社会主義が厳しく取り締まられた時代です。マルクスは特に検閲が厳しいフランスとロシアで発禁になることを危惧していましたが、結局資本論は特に問題なく通りました。その時の検閲官の言葉が「難しくてよく分からないから問題なしとのこと。もしここで検閲が通っていなかったら後のソビエト連邦もなく冷戦もなかったという可能性もあります。歴史の大事件なんて案外こんくらい適当なことがきっかけになっているのかもしれませんね。

コメント

(著者)
No.3 (2013/05/13 19:52)
記憶は朧げですが、アンネの日記はそんな暗くもなかった気がしますね。ただ単調だった印象があります。
オトシン
No.4 (2013/05/13 21:11)
マキャベリがクッソ媚びてるのは最初の序章(イアリア官人特有のワザとらしいおべっか)だけで、あとは空気の読まないローマ時代の賞賛ですよ!送り先のロレンツォ殿にもやんわりブーメラン攻撃してますし。
(著者)
No.5 (2013/05/13 21:20)
だから再就職できなかったんですね;; でも執筆家として成功してたみたいだし土地も結構持ってたみたいだしまぁいいのかな。
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