どうも!スリアロ弐号機です!

一昨日の沖ヒカル改造計画、ご覧いただきましたでしょうか!?
まだご覧になっていない方、このブロマガで存在を知った方、是非一度ご覧になってみてください!



この放送、沖プロのキャラクターもあって一見軽いノリの番組にも見えますが、
毎回師範役の方々が本当に為になることをおっしゃってくれています。
とくに今回師範役で登場した鈴木たろうプロ日本プロ麻雀協会所属、現在団体最高峰タイトルの雀王3連覇中)は、戦術・戦略の話だけでなく、競技麻雀についての心構えについても言及されていました。

このお話は、ニコニコで数多く放送されている競技麻雀系の生放送をより楽しむためのヒントにもなるもののような気がしました。

というわけで、今回はそのことについて書いていこうと思います。

・競技麻雀における戦略

最近数多く出版されている戦術本などにも書かれているように、現代麻雀においてはスピードがとにかく重要だと言われています。
麻雀は1局に1人しかアガれないゲームですから、誰よりも早くアガることは最大の攻撃にして最大の防御となるためです。これはまさにその通りですね。

しかし、競技麻雀のトッププロを見渡してみると、スピードに特化した選手というのはあまり多くありません。

スピードが最重要であるならばそういった人たちがすでに上位を席巻していてもおかしくないはずなのですが、実際はそうでもない。

これは競技麻雀という場の特性があるのではないでしょうか。

放送で多く見られるトッププロたちともなると、読みの精度は実に高いレベルにあります。
そこでスピードに特化しようとして鳴きを多用しても、手を読まれ、アガりに結び付けることが難しくなります(一般の不特定多数と打つ麻雀と比較して)。

さらに、競技麻雀では基本的に赤牌がないため、リーチの攻撃力がより高くなります(鳴きの打点があがりにくいため)。
ですので、門前でのリーチを志向することが非常に有効な戦略となります。

鳴きを多用するプロもいますが、これもある程度の打点を見込んでホンイツやトイトイなどを複合させる戦略をとられることが多くなります。たろうプロの遠くて高い鳴きなどはその代表格ですね。

このように、競技麻雀では一般の麻雀と比較してより打点を志向した打牌選択が多くなります
そのため、一般的には効率的でない打牌選択がままありますが、こういった打牌を見たとき、「なぜその牌を打ったのか」を考えてみると、より楽しく観戦できるのではないでしょうか。

・マナーについて

放送運営をしていると、批判的なコメントをいただくこともあります。その中にはいわゆる「対局マナー」について言及されるものもあります。
この中から2つほど取り上げてみたいと思います。

長考

プロの対局は、一般的な麻雀と比較して長い時間考えることが多く見受けられます。
ネット麻雀では時間制限が設けられていて物理的に長考が不可能な場合が多いですし、リアルの麻雀でも、打ちなれた人達であればあまり長考はしませんし、好まれません。
そういった場を数多く経験した人の意識には
『長考=悪・弱い』
という図式がどうしても植えつけられてしまいます。
対局放送を視聴してくださる方の中にも、そういった旨のコメントをされる方がたまに見受けられます。

正解を導けるのであれば、思考速度は早ければ早いほどいいのは当然です。
では、対局中のプロは思考が遅いから長考するのでしょうか?
そうではないと思います。
プロ、特にトッププロともなると、我々一般の麻雀愛好家より遥かに多く思考を巡らせています。
自分のツモ番以外の時間もずっと考え続けているでしょう。
しかし、それでも長考に入ってしまう。

これは、競技であるからこそ、「本当にこの打牌でいいのか」「本当にこの牌を鳴いていいのか」と常に自問し、吟味に吟味を重ね選択しなければならない。それは真剣に勝負をする相手への礼儀でもあり、自分の勝利のためでもあります

上記の『沖ヒカル改造計画』内で沖さんの序盤の打牌に対する考え方としてたろうプロがおっしゃっていたのが、「競技麻雀では、本当にその残す牌に価値があるのか、本当に打牌はそれでいいのか、しっかり考えて結論を出してから打牌をしましょう。それが競技麻雀というものでしょ」といった趣旨のことでした。

人生の決して少なくない部分を費やしているからこそ打牌が遅くなってしまうということですね。

もちろん、視聴者目線で言えば、あまりにも打牌が遅いと「早くしてほしいなー」と思ってしまうのは自然なことです。視聴者の皆さんも貴重な時間を観戦に使ってくださっているわけですからね。
そんなときは、対局者が今どんなことを考え打牌選択をしようとしているか、一緒に考えてみると、より対局が楽しめるかもしれません。


今は持ち時間制の対局というものはほぼありませんので、このようにたくさん時間をかけて打牌選択することも可能ですが、今後思考のスピードと精度を兼ね備えたプロを発掘するために、持ち時間制の対局も実現するかもしれませんね。

強打

対局を見ていると、時折打牌が強くなったり、ツモアガリの際に牌を叩き付けたりするシーンに出くわすことがあります。
これは僕たちが楽しむような不特定多数との麻雀においては明らかなマナー違反です。確かに見ていて不快に思う方も多いと思います。僕も自分が打つときはやられると若干イラッときます(笑)

しかし、前提条件としてプロの方々は顔見知り同士で打っています。
そして、彼らの中には人生を懸けて麻雀を打っている人もたくさんいます。
人生の一大事に力が入らない人というのはあまりいないのではないでしょうか。
毎度毎度強打となるとなんとも言いようがありませんが、たまに力が入ってしまうのは、人として仕方のないことだと思います。

そういった対局者たちの「」を感じるのも観戦の醍醐味の一つととらえ、楽しんでくださると幸いです。

とはいうものの、プロはみんなのお手本になるべきだという意見もあるでしょうし、個人的にもスマートに打ってほしいという思いがありますので、ここぞというときだけにしていただけるといいですね(笑)
みなさんは知らない人と打つときは強打はしないようにしてくださいね!

以上、弐号機の駄文でした。
これからもよりよい放送をたくさん提供していけるよう頑張りますので、みなさんも色んな見方で対局を楽しんでいただければ幸いです!

それではまた!