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マクガイヤーチャンネル 第346号 2022/2/9
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おはようございます。マクガイヤーです。

なんだか大忙しになってきたのですが、それなりにサボらないとやっていけないと自覚しているくらいにはオトナです。オトナって最高やね!



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇2月13日(日)19時~「『ゴーストバスターズ』とジェイソン・ライトマンの屈託」(久しぶりに日曜日の放送になります。ご注意下さい)

2月4日より映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が公開されます。『ゴーストバスターズ(1984年)』『ゴーストバスターズ2(1989年)』の続編であり、同二作の監督を務めたアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンが監督を務めることでも話題です。

『ゴーストバスターズ』といえば80年代に子供時代を過ごした自分のような4、50代にとっては思い出深い映画です。44歳のジェイソン・ライトマンは『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞にノミネートされた、親父よりも有能な監督でもあります。しかも『アフターライフ』の主人公は、監督や脚本家としても有名だったハロルド・ライミス演じるイゴン・スペングラーの孫だというではありませんか。どう考えても自分の好きな、メタ的な面白さを持った映画だと期待しています。


そこで、『ゴーストバスターズ』やジェイソン・ライトマンのあれこれについて語るニコ生を行います。リック・モラニスが参加していないことだけ文句をつける予定です。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。




〇2月28日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2022年2月号」

お題

・時事ネタ

『ハウス・オブ・グッチ』

『Coda コーダ あいのうた』

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

『大怪獣のあとしまつ』

『355』

『牛首村』

その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。





さて、本日のブロマガですが、SNS等で話題沸騰中の『大怪獣のあとしまつ』について書かせてください。


●『大怪獣のあとしまつ』とは

先日『大怪獣のあとしまつ』を観てきました。同日に今度ニコ生で扱う『ゴーストバスターズ/アフターライフ』や気になっていたジェシカ・チャスティンの『355』も公開されており、暇で暇で仕方なかったら観れば良いかな程度に考えていたのですが、「世紀の駄作」だの「令和の『デビルマン』越え」だのとSNSが盛り上がっていたのです。更に、ニコ生にも度々出演してくれているお友達のナオトさんが「これが叩かれまくることに対して困惑しかないので、珍しく

意見を聞きたくなった(https://twitter.com/Triumph_march/status/1490195530949214209)」と言っており、もの凄く興味をかきたてられたので、映画館ですぐさま観ることにしました。


で、どんなひどいものを観せられるのかと思ったら、わりとちゃんとした映画だったのですよ。

題名のとおり、怪獣の死体をどう処理するするかという話が延々と続くわけですが、このテーマ自体は目新しいものではありません。『ウルトラマンティガ』には海岸に怪獣シーリザーの死体が流れ着く「怪獣が出てきた日」というずばりそのものな回がありましたし、『ウルトラマン』の「空の贈り物」は死体のように動かないスカイドンをどう処理するかという話ですし、『怪獣8号』にも『パシフィック・リム』にも怪獣死体の解体業者が出てきましたし、柳田理科雄の『空想科学読本』では第一巻から怪獣死体の処理問題が出てきました。


『大怪獣のあとしまつ』が過去作品と異なるのは、現場パートと政治パートがしっかり分かれているところです。「特務隊」と呼ばれるいかにも科特隊やウルトラ警備隊っぽいチームが内閣の政治家たちの承認を受けながら怪獣の死体処理に四苦八苦します。怪獣の死体から鯨のようにガスが出る問題を「ベント」で解決しようとしたり、未知の真菌を想定外で見逃したりします。つまり「怪獣の死体処理」は、『シン・ゴジラ』と同じ311だったり、コロナ禍だったりの暗喩なのです。

そして内閣の政治家たちは、怪獣の死体処理という未曾有の事態を通じて自らの権益を拡大しようとしたり、足をひっぱりあったりします。そんな醜くも滑稽な政治劇が、ブラックユーモアたっぷりのSFコメディとして描かれています。昨年末、彗星衝突による人類滅亡の危機をブラックユーモアたっぷりのSFコメディとして描いた『ドント・ルック・アップ』という名作がネットフリックスで配信されましたが、『大怪獣のあとしまつ』は『ドント・ルック・アップ』と同じものを目指してその1/3くらいの出来になってしまった作品と言って良いかもしれません。1/3といっても、邦画の予算規模とスケール感とこの種の映画の文脈の無さを考えたら上々の出来だと思います。少なくとも、怪獣の死体の巨大さや、ダム破壊といった特撮シーンはかなりおカネがかかっており、(邦画にしては)しっかりした出来です。



●評判の悪さ

じゃ、なんでこんなに評判が悪いのかというと、政治パートでは下ネタとシュールなギャグが延々と続き、全然笑えず、意味が分からず、「スベり散らかすギャグ」ばかりだからだそうです(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2202/04/news162.html)。