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【第326号】『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』と『ペット・セメタリー』

2021/06/02 07:00 投稿

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マクガイヤーチャンネル 第326号 2021/6/2
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おはようございます。マクガイヤーです。

先日の放送「『閃光のハサウェイ』予習編 富野は何故『閃光のハサウェイ』を監督できないのか、あるいは、しなかったのか」は如何だったでしょうか?

虹野ういろうさんとたっぷりガンダムトーク、富野トークができて、満足しております。

昨日、映画『閃光のハサウェイ』の新しい公開日が6/11に決まったことが発表されました。観るのが楽しみです。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇6月14日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2021年6月号」

・時事ネタ

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』

『あのこは貴族』

『街の上で』

『くれなずめ』

『ジェントルメン』

『映画大好きポンポさん』

『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』

『AVA/エヴァ 』

その他、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇6月28日(月)19時~「押井守はオワコンなのか? 『ぶらどらぶ』と押井アニメの魅力」

2021年2月よりアニメシリーズ『ぶらどらぶ』が配信されています。押井守が十数年ぶりに監督(総監督)を務めるアニメ作品です。

パロディ・悪ノリ満載の、令和版『うる星やつら』とでも呼びたいハイテンションなコメディですが、残念なことに、あまり話題になっていません。

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』でも演出として押井と組んだ西村純二監督によれば、基本理念として掲げている「仕事終わりのサラリーマンが深夜になんとなくTVをつけたら流れていて、面白いとは思いつつも次の日には忘れているような日常に根差す作品づくり」を貫いているとのことですが、2度にわけてのネット配信ではなく、週一回の深夜放送だったらもっと話題になったのでしょうか。

そこで、アニメ監督としての押井守を振り返りつつ、『ぶらどらぶ』について解説するニコ生を行います。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。




さて、今回のブロマガですが、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』について語らせて下さい。『スナイダーカット』を観ると、どうしても『ペット・セメタリー』のことが頭に浮かんでしまうのですよ。



●『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』とは

自分は『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』にそれほど期待していませんでした。


ホドロフスキー版『DUNE』、バーボーベンとシュワルツェネッガー版『キングダム・オブ・ヘブン』こと『十字軍』、ケヴィン・スミスとニコラス・ケイジ版『スーパーマン(・リヴス)』、ジョージ・ミラー版『ジャスティス・リーグ』、フィル・ロードとクリス・ミラーがそのまま監督した版『ハン・ソロ』……映画界には「もし実現していたら映画史を変えたかもしれない幻の映画」の話題に事欠きません。


ザック・スナイダーがそのまま監督した版『ジャスティス・リーグ』こと『ザック・スナイダーカット』もその一つでした。


突然の娘の死により、監督とプロデューサーを降板したスナイダー夫妻。その後を継いだジョス・ウェドン版『ジャスティス・リーグ』は、それなりの映画でした。

ザック・スナイダーの欠点としてよく挙げられる

「重厚や神話的を通り越してひたすら重苦しい」

「ヒーローたちがどうでもいいことで悩んでばかり」

「アクションシーンがスローモーションばかりでかったるい」

「話が全然進まないのに、長い」

……といった要素は、軽減されているのでしょうが、それなりにありました。


一方で、ジョス・ウェドンが『アベンジャーズ』でみせたヒーロー同士の軽妙なやりとりは、シリーズ前作にあたる『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と比較して、確かに増えていたものの、なんだかいきなり付け足された感が拭えないものでした。

また、全体的なまとまりの無さというか、クライマックスであるロシアの原発都市での戦いでの段取り感が、気になりました。MCUのヒーローたちは、悪役とのバトルを今まで観たことがない映像でみせると同時に、一般市民を助けるシーンも同時に描くことを大事にしています。ジョス・ウェドン版『ジャスティス・リーグ』にもそのようなシーンがあるのですが、原発都市に住んでいる一家族にだけ集約されているのです。こちらも、後から付け足された感がどうしても気になってしまうものでした。


だから、『ザック・スナイダーカット』が制作段階から話題になったのも良く分かります。

ザック・スナイダーがスタジオのありとあらゆる横やりを無視し、自分の思うままにカットを繋げる。しかも4時間ちょいという劇場で上映するのは不可能な長さ。更に、ジョス・ウェドン版では姿すらみせなかったヒーローやヴィランたちも出てくるというではありませんか。

これは期待できる!

……と、十代の自分なら思ったかもしれません。

しかし、すっかりおっさんになった今は違います。

人間は、特にオタクは、どんなに冷静で合理的に考えようとしても、自分の理想や希望を入れてしまうものです。それぞれが頭の中で考え、想像した「理想のDCヒーロー」や「理想の『ジャスティス・リーグ』」。つまりは「理想の映画」を、自分では気づかないうちに期待しているのです。頭の中にあるうちは、具体化していないが故に、「理想の面白さ」と価値づけているだけなのです。

だから、誰かが「幻の映画」を実現したとしても、それは「誰かの理想の映画」であって、自分のそれではありません。期待していたほど面白くないのではないでしょうか。トレボロウ版『スター・ウォーズ』EP9や、ルーカス版シークェルが、仮に実現していたとしても、映画史に与えた影響は変わりないものだったのではないでしょうか。自分は、生きているうちは観られないものだと思っていたが故に、心臓がはちきれそうな興奮で観たプリクェル三部作の第一作である『ファントム・メナス』を観た時の、確かに映像は斬新だけど観たかったのはこれだったのだろうかというコレジャナイ感を忘れていません。



●『ザック・スナイダーカット』面白かったです

ところが、『ザック・スナイダーカット』は面白かったのですよ。

勿論、これが理想のアメコミヒーロー映画だとか、理想の『ジャスティス・リーグ』だとかいうつもりはありません。ただ、これまでザック・スナイダーの欠点だと思っていた要素が、本作ではことごとく作品の魅力となっているのですよ。



以下ネタバレ

 

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