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マクガイヤーチャンネル 第315号 2021/3/17
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おはようございます。マクガイヤーです。

土日にまとめて映画を観るようにしているのですが、そろそろレイトショーが恋しい今日この頃です。やっぱり映画は夜中に映画館で観たいですねえ。


マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇3月22日(月)19時~「私小説としての『シン・エヴァンゲリオン』 発動編」

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日が3月8日となることが発表されました。二度の延期を経ての公開日決定ですが、今度こそ本当に公開されそうです。

95年の10月にTVシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始されたので、26年を経ての最終作となるわけですが、果して本当に最後の『エヴァ』になるのでしょうか? 「さらば、全てのエヴァンゲリオン」などという宣伝コピーを使いつつ、『エヴァよ永遠に』とか『エヴァ完結編』みたいな続編が作られる可能性はゼロではないのでしょうか?

……そんなことを考えてしまうのは、『エヴァ』が庵野秀明(総)監督にとっての私小説ともいえる作品で、庵野が生きている限り新作がされ続けるものと考えてしまうからです。

そこで、先月行った「私小説としての『エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン』 接触編」に引き続き、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を解説するニコ生を行います。


ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)を再度お迎えしてお送り致します。


予定していた「こんな時だからみたい旅行映画たち」は5月以降にお送り致します。



〇4月4日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2021年4月号」

詳細未定

いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇4月19日(月)18時~「テン年代の『進撃の巨人』(仮)」

『進撃の巨人』最終回が4月9日発売の別冊少年マガジンに掲載されるそうです。

2009年に連載が始まった『進撃の巨人』、当初は絵が下手すぎるという声もありましたが、衝撃的な展開や考え抜かれた世界観で人気作となり、今や完全に2010年代を代表する漫画となりました。戦争はもとより、民族紛争やテロリズム、果ては震災をも象徴するような「巨人」が登場する本作が、約10年を経て完結することに感慨を禁じえません。

そこで、『進撃の巨人』を解説するニコ生を行います。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。




さて、今回のブロマガですが、前回に続いて『キラメイジャー』『ゼンカイジャー』について書かせて下さい。



●『ゼンカイジャー』の保守本流

45周年記念作品として制作発表された『機界戦隊ゼンカイジャー』ですが、様々な仕掛け――それも革新的な仕掛けが施されている、というのが謳い文句でした。

その最たるものが、5人のメンバー中、生身の人間は1人だけ、他の4人は全員着ぐるみ・声優キャラという、メンバー構成です。

東映特撮は2008年の『ゴーオンジャー』までオールアフレコでした。現在もアクションシーンは当然アフレコです。だからこそ作品世界内では、生身の人間が演じるキャラクターと着ぐるみ+声優キャラが同じウェイトで存在することになります。悪側の怪人だけではなく、九官鳥や犬に声優がついたマスコットキャラクターも東映特撮の伝統です。『カクレンジャー』のニンジャマンや『カーレンジャー』のシグナルマン・VRVマスターを経て、『アバレンジャー』の時点で、巨大ロボとそれを構成する乗り物にも声優がついていたのですが、『仮面ライダー電王』の成功以来、主人公(たち)との「相棒」としての役割を担うことにもなってきました。東映特撮はウルトラマンと比較してアニメ的な要素が多かったのですが、着ぐるみ+声優キャラを作り手も視聴者も愛するようになってきたのです。

『キュウレンジャー』に至り、遂に戦隊メンバーにも着ぐるみ+声優キャラが加入することになります。しかし、この時点でも生身の若手俳優が演じる戦隊メンバーが5人はいたのです。

それが『ゼンカイジャー』では生身の若手俳優は1人だけ。新型コロナウイルス対策という理由もあるのかもしれませんが、さすが東映攻めてやがるぜ!……と思っていました、番組を観る前までは。


実際に番組を観て初めて理解したのですが、着ぐるみキャラたちは「キカイノイド」と呼ばれる機械生命体で、悪の組織であるトジテンドたちと同族でした。というか、キカイノイドたちが住むキカイトピアの支配階級がトジテンドであり、ゼンカイジャーの仲間となるジュランやガオーンといったキカイノイドたちは一般庶民なのです。

一般庶民のキカイノイドたちは人間との共存を望んでいるのですが、トジテンドの目的は侵略であり支配です、ジュラン(たち)はこの二つの民族の間に挟まれる存在となります。

1話では、人間と仲良くパーティしたいジュランが侵略者と同一視され、更に「種族は違っても他人を助けるのが正義」という力強いメッセージを体現するゼンカイザーこと五色田介人と異種族共闘するさまが描かれました。

――これは同じく香村純子がメイン脚本を務めた『ジュウオウジャー』において、人間と異次元地球の獣人「ジューマン」が種族を超えて共闘するのと同じ構図です。

もっといえば、一般人であるレッドというか主人公と、別世界出身または既に戦士であった4人がチームを組んで戦隊となるという意味では、『タイムレンジャー』『ガオレンジャー』と同じメンバー構成です。

更に、1話でジュラン、2話でガオーンと、少なくとも4話まではメンバーが一人ずつ増えていく話をやるようです。これは『リュウソウジャー』や『アバレンジャー』『ハリケンジャー』のような初期のみ3人や4人の戦隊をやりつつ、香村純子がシリーズ構成を手掛けた『ヒーリングっど♥プリキュア』でも描かれた正義の戦士としてのオリジン話をやるということでしょう。

つまり、スーパー戦隊としても特撮ヒーローものとしても鉄板の構成ではありませんか。


つまり『ゼンカイジャー』は、見た目は革新的でも中身は保守――従来からの伝統・習慣・制度・考え方などを尊重するという意味での保守的なスーパー戦隊だったのです。



●スーパー戦隊とマージナル・マン

何かと何かの間に挟まれて、架け橋となるような存在、もしくは二者の断絶や分断を象徴するような存在というのは、「ヒーローとはなにか」を考えると重要です。