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【第309号】映画を観ないで感想書くよ:『花束みたいな恋をした』

2021/02/03 07:00 投稿

コメント:1

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マクガイヤーチャンネル 第309号 2021/2/3
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おはようございます。マクガイヤーです。

先日『ヤクザと家族』を観ました。『ヤクザと家族』は。1995年、2005年、2019年の、3つの時代を舞台としているのですが。2005年というかゼロ年代初頭を象徴するアイテムとして初代iMac(G3)が登場して、ちょっと複雑な気持ちになってしまいました。

実は、職場でまだiMac使ってるんですよね……iMacでしか制御できない機械があるのでどうしようもないのです。


マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇2月8日(月)19時~「私小説としての『エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン』 接触編」

2021年1月23日より公開予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開延期となりました。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の四作目にして、1995年にTVアニメとして発表された『エヴァンゲリオン』から続くシリーズ全体の最終作ですが、新型コロナウイルス禍を受けての公開延期だそうです。

TVアニメ放送当時にちょうど二十歳だった自分にとって『エヴァンゲリオン』は思い入れ深い作品です。庵野秀明(総)監督にとっての私小説ともいえる作品で、庵野が生きている限り新作がされ続けるものと思っていましたが、8年ちょっとぶりに公開される新作映画がしっかり最終作となることに、感慨深いものがあります。


そこで、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の予習として、TVアニメから『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』まで、『エヴァンゲリオン』シリーズ全体を解説するようなニコ生を行います。


ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



〇2月21日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2021年2月号」

詳細未定

いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。




さて、今回のブロマガですが、『花束みたいな恋をした』について書かせて下さい。


●恋愛エクスプロイテーション映画

映画業界で稼ぎ頭とされている映画があります。

たとえば、『名探偵コナン』『ドラえもん』といった、テレビアニメの映画版です。毎週テレビで放送されているので知名度も抜群で、親子、時には家族全員で観にきてくれて、ポップコーンやジュースやアイスといった飲食物も買ってくれるのです。映画館にとっては神様のような存在でしょう。

ピクサーやディズニーのCGアニメ、もはや新作は公開されなくなりましたがジブリアニメも同様です。

これらに、MCUやスターウォーズなどのハリウッド大作のシリーズ映画が続きます。『コナン』や『ドラえもん』に比べれば家族連れは少ないですが、とにかく全世代にわたって満遍なく観に来てくれるからです。


一方で、『仮面ライダー』『スーパー戦隊』などのテレビ特撮番組の映画版、夏休みやゴールデンウィーク等の長期休暇中に公開されるホラー映画、若手人気俳優を使った恋愛・難病・漫画原作映画なども稼ぎ頭です。ハリウッド大作映画の1/10、時には1/100の予算であるにも関わらず、俳優や原作漫画の知名度から、時にハリウッド映画とほとんど同じくらいのお客さんが入ってくれるからです。

これらは、現代のプログラムピクチャーと言ってもいいかもしれません。

特に、東映が公開する『ライダー』や『スーパー戦隊』の映画の多くは2本立てや3本立てで、作り手が子供向けプログラムピクチャーを志向していることが明らかです。

また、若手人気俳優を使った恋愛・難病・漫画原作映画は、ある意味で観客から金を巻き上げるためのエクスプロイテーション映画としての側面があります。つまり感動ポルノです。つまらないポルノ映画がただただ観客の劣情を催すために作られるように、つまらない恋愛・難病映画はただただ観客を感動させ涙を搾取するために作られるわけです。それらが漫画原作なら知名度の点でなおよし、というわけです。


自分はわりと色んな映画を観る方だと思うのですが、「劣情を催す」あるいは「泣かせる」ためにそれなりに良くできてる以上のものが無い映画を観る必要は無いかなあと考えています。

そんなわけで、『えんとつ町のプペル』は暇で暇で死にそうにならない限り観るつもりもないし、『花束みたいな恋をした』も同様だったのですが、後者に押井守が本人役で出演して。しかも恋のキューピッド役と聞くにおよび、「『花こい』は絶対に観なきゃ」と心変わりしました。

そんな映画、ただぼ感動ポルノであるはずがありません。


●映画監督がカメオ出演する意味

映画監督、それもその映画の作り手より映画史的に格上の映画監督が映画に出るということには、特別な意味が発生します。本人役なら猶更です。

たとえば、ゴダールの『気狂いピエロ』にはサミュエル・フラーがワンシーンのみ出演します。「映画とは何か?」という質問に、「映画とは、戦場のようなものだ。愛、憎しみ、アクション、暴力、そして死。要するに、エモーションだ」と答えるシーンは有名で、ここにはヨーロッパの映画人であるゴダールのハリウッド映画人がその大規模さゆえに作れるエキセントリックな映画的興奮への羨望がありました。

たとえば『ホステル』には三池崇史が殺人クラブの顧客としてカメオ出演しています。『ホステル』の劇中で三池は三池崇史本人と名言されませんが、アメリカでは三池の『オーディション』がスプラッター映画というジャンルを本質的に変えた名作として日本以上に評価されており、ホラー映画というジャンルを象徴する人間として登場するわけです。

同じようなことは『未知との遭遇』のフランソワ・トリュフォーや、マーベル映画におけるスタン・リーにもいえます。いずれも本人役ではありませんし、スタン・リーに至っては監督でもありませんが、彼らが成しえたもの、象徴するものに対してリスペクトを捧げているわけです。

そういった意味で、単なるお遊びとしてスピルバーグがバク転する『オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー』や、俳優として存在感を認められた故に出演した『沈黙 -サイレンス-』の塚本晋也とは、全く意味合いが異なるわけです。

 

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コメント

yass
No.1 (2021/02/03 21:19)
どうも、初めてコメントします。自分は昨日早上がりして見てきました。脚本があの坂元氏と言う事もありただのキラキラ恋愛モノじゃないとは思ってましたが中々のビターな味わいの恋愛映画でした。趣味趣向が殆ど一致するから運命の出会いかと思って同棲してみたら就職状況や2人の実家の経済力格差とかが影響し微妙なすれ違いが最後にと言うお約束の展開なんですが脚本と演出の力でダレ場なしで見せていくのは流石でした。マクガイヤーさんの評価を楽しみにしています。なお主役の2人はTBSラジオリスナーのようですがタマフルやアトロクではなく粋な夜電波のリスナーでした(;・∀・)
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