おはようございます。
一昨日の放送「『TENET』とクリストファー・ノーラン――映画の「時間」と「嫁が怖い」――」は如何だったでしょうか?
『ドラえもん』と時間SFを引き合いに出した話ができて満足しております。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇10月5日(月)19時~「『デカダンス』とゲームの中で生きるおじさん」
7月8日よりアニメ『デカダンス』が放送・配信されています。
未来世界を舞台としたポストアポカリプスSFかとおもいきや、ある「仕掛け」が2話で明かされる、今期注目のアニメ作品になっています。
この「仕掛け」は、実のところ、取沙汰されている『ウエストワールド』だけではなく、ここ十数年の「いま」のアニメ・映画に特徴するものでもあるのですが、主人公が中年男であるところに、おじさんである自分は泣けてきます。
そこで、『デカダンス』と関連作品について解説するようなニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
〇10月19日(月)19時~「黒沢清とセカイの恐怖」
10月16日より黒沢清の新作『スパイの妻』が公開されます。
6月にNHK BS8Kで放送された作品の映画版ですが、どう考えても普通のNHKドラマとは思えません。
そこで、映画監督 黒沢清について振り返りつつ、『スパイの妻』について解説するようなニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、『のび太と闇堕ち出木杉くん』の続きになります。
●未来の国からはるばると
出木杉くんはグリえもんと一緒に、裏山の頂上にいました。ここからは裏山や学校のみならず、街全体が見渡せます。
「この裏山も、未来の世界では跡形も無くなっていた……」
のび太やしずかちゃんたちと遊んだ裏山での思い出が出木杉くんの脳裏に浮かびます(テレビ版お馴染みの裏山の風景だけでなく、藤子・F・不二雄が裏山のモデルとした故郷高岡市の古城公園内にある卯辰山を髣髴とさせる新解釈の裏山のカットも入れます)。
いまだショックが覚めやらぬ出木杉くんを、グリえもんは勇気付けます。
「大丈夫だよ、出木杉くん。才能もあって努力も怠らないキミならなんでもできる。なんにでもなれるし、未来も好きなように変えられるんだ」
でも、具体的にどうすれば……と戸惑う出木杉くんに、グリえもんは具体的すぎるアドバイスをします。
出木杉くんは未来の図書館でこれからの歴史をざっとですが知りました。何度も大きな事件や戦争が起きるのも知りました。
まずはお母さん名義で口座を開き、値上がりしそうな株を買うこと。利益を資金として、未来のテクノロジーを基にベンチャー企業を起すこと。よきタイミングで選挙に出て政治家になること。それらと並行して「組織」を創ること……
「ちょっと待って! それって時の流れや歴史を変えることになるんじゃないの?」
「出木杉くん、時の流れは変わりうるし、タイムトラベラーの行動が既に歴史の一部として織り込み済みの場合もあるんだ。勿論、タイムパトロールが妨害してくる可能性は大いにある。でも、対処法もあるんだ……」
そしてグリえもんは説明します。
・のび太の玄孫であるセワシくんの経済状況を変えるために時を越えてドラえもんが派遣されたこと。
・実際にのび太の未来の妻がジャイ子からしずかちゃんに変わったこと。
・明らかに航時法違反だが、歴史の一部として織り込み済み――時空特異点とみなされているため、タイムパトロールに逮捕されないこと。
(ここで、タイムパトロールが時間を止めた上で眠っているのび太やセワシくんやドラえもんに近寄り、チェックカードをかざして歴史上の影響がある存在かどうかを確認するシーンを入れたいところです)
・のび太くん以外にもタイムトラベラーが存在し、その多くはタイムパトロールであり、彼らが変える時の流れも歴史の一部として織り込み済みであること。
(ここで、タイムトラベラーが歴史を変えると、歴史は枝分かれすることなく、タイムトラベラーの目の前で壊れた建物が蘇ったり、逆に無くなったりするような形で修正されることを映像で説明します)
・タイムパトロール本部にある時空特異点データベースに出木杉くんを登録すれば、後はやりたい放題であること。
「……もしかして、“時よ止まれ、お前は美しい”と言ったらぼくの魂を貰ってゆく、とか言い出さないよね」
「まさか、僕は単なる猫型ロボットだよ」
みたいなことを言わせて、オトナの観客をニヤつかせるかどうかは判断の分かれるところでしょう。
「あとは出木杉くん次第だ。でも、出木杉くんには、自分が正しいと心から信じることのために命を賭ける覚悟があるんだろう?」
「……それはそうとグリえもん、その顔の損傷はいつついたの? 修理しないの?」
「うん……、この傷跡が何故できたかはね……、そのうち分かるよ……」
●のび太とディストピア
ドラえもんの故郷であり、セワシくんやドラミちゃんが住む22世紀。
いかにも未来的なビルやハイウェイが埋め尽くしていた筈ですが、森や草原ばかりの世界に変貌していました。ちょうど『のび太の日本誕生』で訪れた7万年前の日本のようです。「現代」では絶滅危惧種であるコウノトリが空を飛び、川にはイトウやサンショウウオの姿がみえます。
タイムマシンの故障で過去に来てしまったかと戸惑うのび太たち。しかしメーターは22世紀を指しています。秘密道具(「たずね人ステッキ」や「みちび機」)を使って人間が住む都市を探し出すと、廃墟のような都市(『みどりの守り神』の東京ジャングルをイメージ)に、ぼろぼろになったスーツやタイツやジャージ(化学繊維でできた未来的な服)を着た未来人の市民たちが住んでいました。彼らは「ロボポリス」によって管理され、「日曜農業セット」を用いた農作業や、「立体コピー紙」「フエルミラー」を用いて過去の遺物を増産する工場での奴隷労働を強制させられていました(田んぼにはタガメやゲンゴロウの姿もみえます)。
みかねたのび太たちは「ロボポリス」を破壊し、市民たちを解放します(ここで「ショックガン」や「空気砲」を使った、劇場版おなじみのアクションシーンが描かれます)。
しかし、市民たちの顔は晴れません。「とんでもないことをしてくれたな」なんて台詞を吐く者までいます。事情を聞くのび太たち
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