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マクガイヤーチャンネル 第253号 2019/12/25
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メリー・ク○トリス、ミスター・ローレンス!

マクガイヤーです。

先日の放送「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会スターウォーズ2019」は如何だったでしょうか?

約2時間半、スターウォーズのことについて話せて、その点では満足しております。

しまさんからは、有料に入った後半の方が面白かったといわれたのですが、勝手な予想コーナー「こんな『夜明け』は嫌だ!」などを最初につかみとして持ってきた方が良かったかもしれませんね。ちょっと構成について反省しております。


次回ブロマガは正月のためお休みとさせて頂きます。




マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○12月30日(月)17時~「最近のマクガイヤー シン・オタ忘年会2019」(17時からになりました! いつもと曜日と時間帯が異なっております。ご注意下さい)

12/22のオタ忘年会放送はスターウォーズのことだけを話したため、急遽12月3回目の放送を行うことになりました。

2019年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。

いつもと曜日と時間帯が異なっておりますのでご注意下さい(当初、16時~とアナウンスしておりましたが、17時~に変更となりました)。


ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年



○1月6日(月)19時~「「ジャンプヒーローとアメコミヒーローのあいだ」としての『僕のヒーローアカデミア』」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

12月20日より映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が公開されます。漫画『僕のヒーローアカデミア』のアニメ版にして劇場版です。原作漫画・アニメ共に高い人気を誇っており、日本は勿論のこと、アメコミの影響を受けつつ、アメリカでも大人気という、いまのジャンプを代表する漫画の一つです。オリジナルストーリーでありながら、昨年の映画版も驚くほどの面白さでした。

そこで、アメコミとジャンプ漫画双方の視点から解説するような放送を行ないたいと思います。 ゲストとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)をお迎えしてお送り致します。



○1月20日(月)19時~「『パラサイト 半地下の家族』とポン・ジュノ映画(仮)」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

1/10より『パラサイト 半地下の家族』がやっと日本公開されます。

カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たし、世界中で話題を呼んでいる作品です。

ポン・ジュノは現在の韓国を代表する映画監督であり、社会的テーマとエンターテイメントを必ず両立させた過去作も傑作揃いです。また漫画が大好きで、3ヶ月に1度映画監督同士で漫画の感想を言い合う飲み会を開催し、パク・チャヌクにお薦めしたのが『ルーズ戦記 オールドボーイ』映画化のきっかけだという話があったりします。

しかし残念なことに、ポン・ジュノ作品ですら日本公開が韓国より半年以上遅れるくらい、韓国映画は(シネマート以外で)盛り上がっていません。

そこで、ポン・ジュノの過去作品について紹介すると共に、『パラサイト』について解説するニコ生を行います。

できれば『パラサイト』を視聴してからご覧下さい。

ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109



○『やれたかも委員会』に取材協力しました。

『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。

ちなみに基になったお話はこちら

https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063





さて、今回のブロマガですが、改めて『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』について書かせて下さい。


エピソード9(EP9)は続3部作(EP7~9)の完結編であるだけでなく、EP1~9までの、9部作の完結編となる映画になる――全ての謎が解明され、全ての伏線が回収され、全てに決着がつく――そのようなことを、コリン・トレボロウの代わりに監督に就いたJ・J・エイブラムスは、早い段階からアナウンスしていました。ルーカスが数十年前から、スターウォーズは9部作であることを公言していたこと、その9部作は3部作を3回繰り返すような構成で作られるであろうことからも、これには納得であり、アナキン、ルークと継承されてきたスカイウォーカー家の血脈がなにがしかの結論を迎えるであろう『スカイウォーカーの夜明け』というサブタイトルにも、これまた納得したものでした。


●こんな『スカイウォーカーの夜明け』は嫌だ!

このような映画シリーズが終わる場合、シリーズを長年観続けてきたファンは、どのような終わり方を迎えるのか、映画を観る前にある程度予想してしまうものです。一方で、自分のような素人の予想など軽がると超えていって欲しい、サプライズがあって欲しいという矛盾した思いもあります。

前述したとおり、スターウォーズ9部作は3部作を3回繰り返すような構成で作られています。世代が代わっても、それぞれの主人公は同じような試練やロマンスや師弟関係や対決や帰還を迎えるというのが、9部作を通してみた場合の最大の面白さになります、というかなるはずです。続三部作におけるそれは、2度あることは3度ある的なものになりますが、一方でEP8はそれを若干裏切ってきました。このような予想や妄想もはかどるというものです。

自分も、「こんな『スカイウォーカーの夜明け』は嫌だ!」を考えてしまいました。


●こんな『夜明け』は嫌だ!:「レイはクローン」

『スカイウォーカーの夜明け』の予告編が公開された時、皆が息を飲んだのは、いかにも悪者っぽい衣装を着たレイが中折れ式のダブルブレード・ライトセーバーを持った姿――通称「闇堕ちレイ」でした。

外見だけみればこの「闇堕ちレイ」は、EP2やEP4のそれに対応する「修行中に主人公が幻視する最もなりたくない自分」ですが、EP8で既に合わせ鏡のような洞窟を使って「どこの誰とも繋がりのない、何者でもないレイ」をやっているので、これはありえません。なによりも、『夜明け』は続三部作の二作目ではなく三作目です。

とすれば、本当にレイがダークサイドに転向するか、レイのクローンでなければ、ありえない映像ではありませんか。EP2でクローントルーパーが大量登場し、スターウォーズ世界でのヒューマノイドのクローニング技術が示されていることを考えると、この展開は自然です。いや、もっと進めて、レイ自身もクローンであったという展開も、レイの「何者でもなさ」の強調としてありえます。


●こんな『夜明け』は嫌だ!:「レイがタイムスリップで過去に戻り、アナキンの母親になる円環エンド」

アナキンの父親はいったい誰なのか――これはシリーズを通しての謎の一つでした。EP1で、父は誰かとクワイ・ガン・ジンに問われたアナキンの母シミ・スカイウォーカーは、「父親はいませんでした。私に言えるのは……、あの子を身ごもり、産んだだけ。何があったのかは、説明できません」とだけ答えます。

ルーカスがスター・ウォーズのプロットを作る時、キャンベルの神話論を参考にしたことは有名な話ですが、このシーンはマリアの処女懐胎を引用しているわけです。

しかし一方で、スター・ウォーズはSFであり、父殺しの物語でもあります。EP3やEP6でアナキンがドゥークー伯爵やパルパティーンを殺したことから、ドゥークーやパルパティーンがなにがしかのテクノロジーを用いて自分の遺伝子を受け継いだ受精卵をシミの子宮に送り込んだのではないかというスピンオフコミックもありましたが、少なくとも映画内ではアナキンの父親が誰なのか、何故アナキンは強いフォース(センシティブ)の持ち主なのかは明かされませんでした。

しかし、たとえばラストバトルの最中に強い爆発やらなんやらがあってレイが過去に戻り、レイがアナキンの母親であったというターミネーターの如き展開になれば、アナキンのフォースの強さの謎はきっちり解明されます。その場合、父親は誰かということになりますが、先のクローン技術を絡めればすんなりといくでしょう。たとえば、シスの後継者となることを拒否するレイに対し、パルパティーンがクローン技術で作ったカイロ・レンとの受精卵をフォースで子宮に転送する……といったような。

この展開ですと、『まどマギ』のような完成度の高い円環構造がサーガに組み込まれることになります。映画界では、ただでさえ面倒くさいSF映画にタイムトラベル要素が入ると観客が混乱するという定説がありましたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が大ヒットしたことを考えると、そんなこともないでしょう。


●こんな『夜明け』は嫌だ!:「パルパティーンの正体は誰か」

皆がもう一つ『スカイウォーカーの夜明け』の予告編でびっくりしたのは、パルパティーンの復活が示されたことでした。

EP8でスノーク最高指導者が死に、大混乱を迎えた続三部作。週刊連載のごとくアドリブで続けてる物語において、そろそろ……というタイミングで新たに大きな悪役を登場させ、それを倒すことで強制的に大団円を迎えさせようという方法はよく分かります。最近の平成ライダーはだいたいそうですね。

ですが、そこでパルパティーンというのは驚きでした。6作目までのラスボスが9作目もラスボスを務める……あまりにも安易ではないですか。

『ロード・オブ・ザ・リング』では、本当のラスボスは誰もが醜くて卑しくてあわれと感じる、主人公の影たるゴクリでしたし、『エンドゲーム』は冒頭で誰もがラスボスと思っていたサノスが死にました。なにがしかのサプライズがあったわけです。

これは、なにかしらの捻りがあるに違いありません。たとえば、誰かがパルパティーンの名を騙っているとか、パルパティーンも誰かのクローンであるとか……なんにせよ、我々の考えもつかないサプライズがなければ、ここでパルパティーンが復活するわけがありません!

まぁ、実はジャー・ジャー・ビンクス(と同じグンガン族のゴクリみたいな奴)とかR2-D2とかが黒幕だった……みたいなサプライズだったら、それはそれで嫌ですが。


●こんな『夜明け』は嫌だ!:「最後はスパロボ最終ステージ的参戦と元気玉」

こういった巨大シリーズの最終作では、ラストで確実に盛り上げるためのメソッドが存在します。

その一つが、「最後の最後にピンチになるが、今まで完全に第三者だったり、敵だったりした奴が助けてくれる」です。

そもそもEP4がそれでしたが、ルーカスは『隠し砦の三悪人』を参照したのは有名な話です。スピルバーグも『ET』でやってますね。様々な映画が作られると共に大規模&複雑になり、『ロード・オブ・ザ・リング』も『エンドゲーム』もこの展開がありました。

効果的に使えば本当に盛り上がるのですが、最悪なのは主人公たちが全く努力していないのに敵が仲間になったり、第三者が助けに来たりする展開です。『スーパーロボット大戦』でたいてい終盤になるとそれまで敵だった奴が仲間になったり、ラストステージ限定で操作できるようになったりするのですが、それまでに特定のキャラクターで敵を多く倒したり、「説得」というコマンドを使用して、フラグを立てておく必要があります。つまり、プレイヤーの努力が必要で、リスクもエフォートも無しで助けが来ても盛り上がらないわけです。


また、最後の最後で皆の力を集めて、ドラゴンボールの元気玉ライクな必殺技でラスボスを倒したり、謎の力で復活したりするのも、特撮やアニメやゲームで幾度となく使われてきました。あまりにも使われすぎてしまったせいで、最近の東映特撮は元気玉ライクな必殺技を避けているくらいです。


●ここがヘンだよ『スカイウォーカーの夜明け』

で、実際に観てみたのですが、びっくりしてしまいました。悪い意味で。




以下ネタバレ