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マクガイヤーチャンネル 第95号 2016/11/28
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おはようございます。年の瀬をひしひしと感じるマクガイヤーです。

前回の放送「最近のマクガイヤー 2016年11月号」はいかがだったでしょうか?

久しぶりに出演してくれたオタク大賞名誉審査員のナオトさんが大活躍してくれました。まさか岡田斗司夫とターザン山本に共通点があったとは……ナオトさんに『シン・ゴジラ』『君の名は。』についてやっと聞くことができたのも良かったです。

マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。


○12月10日(土) 20時~ (放送日が変更になりました。ご注意下さい)

「ニッポン対ワクチン」

子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの副反応や、HPVワクチン薬害研究についての疑義、というか捏造報道など、ワクチンに関する報道や話題が盛り上がっています。

そこで、そもそもワクチンとは何か、どのように発明されどのように使われてきたのか、何故大事なのか、なにが現実でなにが虚構なのか……等々について今一度しっかり解説します。



1216日(金) 20時~

「最近のマクガイヤー 201612月号」

いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。

詳細未定。



1230日(金) 20時~

Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2016

年に一度のお楽しみ!

2016年度のオタクトピックについて独断と偏見で語りまくります。

詳細は未定ですが、『ローグワン / スターウォーズ・ストーリー』について語ることだけは決まっております。



お楽しみに!



番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。

マクガイヤーチャンネル物販部 : https://clubt.jp/shop/S0000051529.html

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思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップ

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これからの寒い季節に着たい、乳首ポケストップトレーナー

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『ローグ・ワン』公開に合わせて着たい、マクガイヤー・ウォーズ トレーナー

 

……等々、絶賛発売中!





さて、今回のブロマガですが、ニコ生でも話題にした『レイダース!』と『聲の形』について語らせて下さい。

この二作には共通点があるのです……というか、『聲の形』の原作漫画で理解しづらい終盤の映画製作エピソードは、『レイダース!』(と以前のニコ生でも言及した『リトル・ミス・サンシャイン』)を補助線にするとぐっと分かりやすくなると思うのですよ。

日本ではネットフリックスのみで公開されている『レイダース!(Raiders!: The Story of the Greatest Fan Film Ever Made)』は、どうかしてる映画です。
https://www.amazon.com/Raiders-Story-Greatest-Blu-Ray-Digital/dp/B01EG1R9IO

1981年に公開された『インディ・ジョーンズ シリーズ』の第1作『レイダース/失われたアーク』について知らない人はいないでしょう。
往年の冒険活劇を(当時としては)現代的なSFXと10分に1回はピンチが訪れる現代的なテンポで再現した本作は、今となっては『スター・ウォーズ』と並ぶ名作シリーズとして位置づけられています。最初の三部作の評価が高く、21世紀になってから作られた4作目以降の評価が低いのも同じですね。

11歳の時に観た『レイダース/失われたアーク』があまりにも面白かったために、7年間かけて自分たちでリメイクしようとした少年たちについてのドキュメンタリーが『レイダース!(Raiders: The Adaptation)』です。

……いや、「元少年たち」というべきでしょうか。映画は、40代になり、すっかりおっさんになった彼らが昔を振り返ります。と同時に、予算的な理由から唯一リメイクできなかった全翼機前でのアクションシーンを撮影しようとします。
ヒロインであるマリオン役に可愛い女の子をキャスティングするも童貞なのでキスシーンにドキドキしてしまう、火が人に燃え移る場面でボヤ騒ぎを起こしてしまう、オトナの見張り役をつけさせられるも、そのオトナが率先して危ないシーンの撮影に加担する……そんな、まるで『スーパー8』『エド・ウッド』のような、ニヤニヤしてしまうシーンが満載です。
スタッフの一人が「高画質でやるならともかく、本家よりもわざわざ低いクオリティでリメイクする理由がわからない」と口走る通り、これは狂気の沙汰です。しかし、彼らには彼らなりの理由があったのです。でなければ、7年間もこんなことを続けられなかったでしょう。

女がらみのトラブルで撮影が長期中断したり、主演を務めてくれた親友がドラッグにハマって進行が途絶えたり、撮影が雨で延びるも本業の休みがなかなか認められなかったり……という、シリアスな問題も発生しますが、結局は「映画」や「映画製作」に対する愛が彼らを再度結びつけます。

喪われた子供時代の思い出や絆が、「映画」や「映画製作」で再生するのです。映画祭で観客が熱狂したり、イーライ・ロスが業界内の友人知人に推しまくったり、明らかに著作権をぶっちぎっているにも関わらずスティーブン・スピルバーグが「感銘を受けた」とコメントし、おっさんになった元少年たちと楽しそうに語り合った理由もここにあります。

ちなみに、『Raiders: The Adaptation』の一部はYoutubeにアップされています。

「著作権者からの申し立てにより、音声トラックはミュート状態となっています」の一文が、なかなかに味わい深いです。


この『レイダース!』を頭に入れておくと、漫画『聲の形』における終盤の映画製作エピソードの意味が分かりやすくなると思うのですよ。

『聲の形』については、今月の初めに解説を行いました。

一言でいうと、小学生の頃に聴覚障害者の女の子をいじめていた少年が、後にいじめられるようになった結果、自分のしてしまった「罪」に気づき、高校生に成長した後、自殺しようとするも思いとどまり、かつていじめたりいじめられたりした友人知人との人間関係を再生しようとする話です。


本作については、幾つかの批判があります。


・聴覚障害者を感動のために消費し、いじめっ子、及びかつていじめっ子だった者を慰撫する、いわゆる「感動ポルノ」ではないか

・(障害者=天使という捉え方は社会にとっても障害者にとっても安易過ぎる美化だが、)聴覚障害者である西宮硝子が無垢な「天使」のように描かれていないか?


いずれも、安易な見方だと自分は思うわけです。

主人公である石田将也は、いじめっ子でありいじめられっ子です。また、いじめに加担した一人である植野直花は、ある意味で最も正直に西宮硝子と向き合う存在になります。

西宮硝子はいつも微笑んでいて、周囲に気ばかり使っていて、決して怒りませんが、それが演技であり努力であることは、端々で示されます。決して「天使」などではありません。


……というようなことをニコ生で語ったのですが、一方で、誤解されやすい作品であることも確かだと思うわけですよ。



西宮硝子は携帯メールで文章をうって自分の意思を他人に伝えることができるのに、それをしないのは、耳が聞こえないだけなのに知能が劣っているかのようにみえるし、最後まで本音を吐露せず植野に対して自分を曝け出さないのが残念だ――という町山さんの意見ももっともだと思うのですよ。

https://tomomachi.stores.jp/items/58313c2b99c3cdb5f200e807



ただ、これには作者なりの、大今良時なりの理由があると思うのですね。


以下ネタバレです。

(この続きは有料でお楽しみください)