おはようございます。マクガイヤーです。
映画『シビルウォー』に続いて『デッドプール』の公開、『スパイダーバース』の邦訳発売、そして『仮面ライダー アマゾンズ』の第二期製作発表と、盆と正月がいっしょにやってきたような忙しさとはこのことですね。
6月は祝日が無いので毎年キツいのですが、ここで死ぬわけにはいかんと頑張る所存です。
○6/10(金)20時~
ニコ生マクガイヤーゼミ「腸管免疫と腸内フローラ」
最近、テレビや雑誌でめっちゃ話題な腸内フローラ。
を腸管免疫と共にマクガイヤー流に解説する久しぶりの科学回です。
ウンコが出なくて悩んでる人は必見ですよ!
○6/30(木)20時~
「最近のマクガイヤー 2016年6月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
・『スパイダーバース』
その他、いつも通り、最近面白かった映画や漫画、気になったトピックについて、まったりとひとり喋りでお送りします。
○7月前半(日程未定)20時~
「ピクサー続編映画の光と闇(仮題)」
7/16よりピクサー期待の新作映画『ファインディング・ドリー』が公開されます。
本作は『ファインディング・ニモ』の13年ぶりの続編です。
ピクサーが作る映画とその続編には、傑作もあれば、駄作もありました。
そこで、ピクサー過去のシリーズ作品を振り返りつつ、「ピクサーの続編とはなにか?」について考えたいと思います。
番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
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新作ワレカラエイリアンTシャツを追加しましたよ!
他にも、
思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップ
いつもイラストを描いて頂いているアモイさん入魂の一品、キヨポンマグカップ
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さて、今回のブロマガですが、当ブロマガをお読みの皆様なら当然ご覧になっているはずの映画『デッドプール』について語らせて下さい。
自分は公開初日である6月1日に観たのですが、平日のレイトショーにも関わらずお客さんがそれなりにいて、びっくりしました。手乗りデップーは貰えなかったのですが、こういう映画は大勢のお客さんといっしょにギャハギャハ笑いながらみたいものです。
本作のなにが良いかって、なによりもまずボンクラ向けのラブストーリーとして真面目に作られているってことだと思うのですよ。
本作のヒロインであるモリーナ・バッカリンは同じブラジル系であるダレノガレ明美になんとなく似ているのですが、今までなんとも思わなかったダレノガレ明美のことが気になってしまうくらい良い映画でした。まるで、企画モノAVを観ていたら同じクラスの女子になんとなく似ているAV女優が出てきて、思わずオカズにしてしまったら、翌日からその女子のことがなんとなく気になってしまう――みたいな。
一見すると本作は、数々のサブカルネタやメタネタ、そしてR指定が当然と思える下ネタと残酷描写が目立つ映画です。
スローモーションで描かれるオープニングから「監督:ギャラが高すぎの役立たず」「脚本家:本当のヒーローは彼ら」なんてクレジットが表示されたり、「ライアン・レイノルズが表紙を飾った雑誌(世界一セクシーな男というコピー入り)」や「(以前ライアン・レイノルズが主演した)グリーン・ランタンのカード」が写ったりと、自虐ネタや他のアメコミ映画へのイジリが満載です。
特に「スーパーヒーロー着地」は爆笑でした。この「三点着地」の起源は映画『攻殻機動隊』だと思うのですが、「素子ジャンプ」と呼んでニコ生でネタにしたりしてましたね。
もしくは
デッドプールは、常に一定のサブカル知識が必要かつ下品なジョークを喋りまくり、二丁の銃と二振りの刀で残酷に敵を殺します。サブカルネタというか音楽ネタは『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』でもガンガン使われていましたが、脳漿が飛び出て、首ちょんぱなアクションシーンは、子供から大人まで、アメリカ人から中国人までが観られるようにして、投資した資金をきっちり回収しようとするマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)誕生以降のアメコミヒーロー映画では珍しく、新鮮です。ここまで残酷なアメコミヒーロー映画は『ブレイド』シリーズが最後だった気がします。あ、 『ブレイド3』にはライアン・ゴズリングが出演していた関係上、本作でもきちんとネタにされていましたね。
そして、本作にはR指定らしいエロネタや下ネタがきっちり存在します。ニール・セダカの「カレンダーガール」が流れる中、それぞれの月らしい格好をして彼女とセックスする――一年間ヤリまくってる――というシーンがあれば、「喋るキンタマみたいなツラ」「アボカドが古くなったアボカドとヤったみたいなツラ」、「フレディがユタ州(起伏が激しい地形だから)としたみたいなツラ」といった、デップーの顔を常に下ネタで表現するジョークが連発されます。いずれも、これまたMCU誕生以降のアメコミヒーロー映画では珍しく、新鮮です。デップーはウルヴァリンと同じ再生能力を持ち、手足を切り落とされても再生するのですが、再生途中の子供のような手でオナニーするぜ――というジョークは最高でした。
更に、ヒーロー誕生譚をやりつつも、カッタるくない構成になっているという、脚本の上手さもあります。アメコミ映画には「もうベンおじさんが死ぬところ見たくない問題」とか「2が一番面白い問題」というのがあります。ヒーロー誕生譚をやると、どうしてもヒーローが活躍するシーンが中盤以降になり、派手なシーンで観客の心をつかめないという問題があるのです、本作は巧みな時系列シャッフルでこれを解決しています。回想シーンを使うと混乱する観客が一定の割合で出てきますが、それを全く恐れていないのです。
これらすべての要素が、本作がR指定なのにヒットし、世界中のボンクラに愛されている理由でしょう。いかにもアメコミのデッドプールが映画化されるのならばこうでしかありえない――という形になっています。全ての世代が観られるようにG指定にして、イスラム圏や中国市場での公開を考えていたら、こんな内容になるはずがありません。実際、本作は未だ中国での公開見込みが立っていないそうです。日本人で良かった!
http://www.cinematoday.jp/page/N0079648
結果として、本作は現代コメディ映画として『ハングオーバー』や『テッド』等の傑作にひけをとらない量の笑いが満載です。『127時間』や『96時間』、『帝国の逆襲』のように、元ネタが分からないと全然笑えない映画ネタが多いのが嬉しい一方、アメリカのコメディ映画がなかなか劇場公開されない日本では、本作もDVDスルーされる可能性があった、というのも納得です。
特に『ボルトロン』の指輪と、『フェリスはある朝突然に』のパロディが最高でした。
アメリカにはChuck E. Cheese'sのような、ゲームセンターというか、ゲーセンとファミリーレストランが合わさったような、日本でいうラウンド1みたいな、室内アミューズメントレストランがあります。
そこには、Redemption gamesと呼ばれる、点数に応じてチケットが貰えるゲームがあります。
本作の劇中でも、デッドプールはスキーボール(↑こんなの)と呼ばれる球を投げて穴に入れるゲームでチケットを貯めて、『ボルトロン』の指輪に交換していましたね。
http://hancholo.com/products/voltron-ring-1
(↑色が違うけど、欲しい!)
で、大事だけど気づきにくい点が一つあります。このChuck E. Cheese's、基本的には小学生以下の子供や幼児(と付き添いの大人)に向けたお店なのです。よく誕生日パーティなんかに使われます。
スキーボールは遊園地やショッピングモールにもありますが、イオンやららぽーとの2階や3階にあるゲーセンに置いてあるようなマシーンだとお考え下さい(日本だと法律の問題があるので置いてませんが)。
いい歳こいた大人が、そんなところで彼女、それも娼婦の彼女とスキーボールなんかしないわけです。しかも、チケットを貯めて、よりによって『ボルトロン』の指輪に交換して、「5頭のライオン・ミニ・ボットが合体して巨大ロボになるんだよ! ギブアップせい!!」……なんて熱く語らないわけです。
そんなことをするのはボンクラだけです。
そして、映画『デッドプール』の真の魅力は、「ボンクラにとってのラブストーリー」という点にあると思うのですよ。
(この続きは有料でお楽しみください)
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心根に泣いたぜ