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マクガイヤーチャンネル 第64号 【おれの童貞時代その2】

2016/04/25 07:00 投稿

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マクガイヤーチャンネル 第64号 2016/4/25
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おはようございます。大忙しなマクガイヤーです。

昨日まで御蔵島に小旅行に行っていたのですが、リアル仕事での文章作成と小旅行が重なると何もできないというのが分かりました。このブロマガも旅行の帰りの船内で書きましたよ。

 

 

今後の放送予定ですが、以下のようになっております。



○4/29(金)20時~

「最近のマクガイヤー 2016年4月号」

いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。

・『アイアムアヒーロー(映画漫画)

『ボーダーライン』

『チャック・ノリス VS 共産主義』

『コロコロ創刊伝説』

『ゆきゆきて戦車道』

『映画秘宝EX 日本不良映画年代記』

『レヴェナント:蘇えりし者』

『青春100キロ』

『ファークライ プライマル』

『Fallout4 Automatron』

・最近のイベント(「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」等)

その他諸々について語る予定です。

友人のナオトさんが久しぶりに出演してくれる予定です。


○5/3(火)20時~

「『シビル・ウォー』と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』」

4月より『コンレボ』こと『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』の第二期放送『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』が始まります。自分はテレビの前でハァハァいいながら第一期の放送を観ていたので、ちょう楽しみです!

ところがこの『コンレボ』、背景を含めてきちんと理解するには昭和史の知識のみならず、昭和のマンガやアニメや特撮の知識が必要です。

さらには、脚本を務める會川昇が公言している通り、発想の原点には『ワイルド・カード』『マーヴルズ』『ウォッチメン』『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』といったアメコミやアメコミ関連作の影響があります。そして、4/29より公開される『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』とその原作で描かれている「様々な正義」(會川昇がこれまで様々な作品でテーマにしてきたものでもあります)のぶつかり合いを描く作品でもあります。

そこで、『シビル・ウォー』を引き合いにだしつつ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』のやろうとしていることやキャラクターのネタ元、作品の魅力などなどについて解説する予定です。


○5/24(火)20時~(日程が変更になりました。ご注意ください)

「最近のマクガイヤー 2016年5月号」

いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。

詳細未定。



以上、ご期待ください。



番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。

マクガイヤーチャンネル物販部 : https://clubt.jp/shop/S0000051529.html


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思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップの他に


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いつもイラストを描いて頂いているアモイさん入魂の一品、キヨポンマグカップ


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等々の新商品が追加されました!

絶賛発売中!

 

 

 

さて、前回の続きです。

 

大学のサークル勧誘といえば、大声で新入生に声をかけまくり、あの手この手で人を入れようとするというのが定番です。当然でしょう。新入部員がゼロだったら、存続が危ぶまれるのですから。

しかし、そのダイビングサークルは雰囲気が違いました。ブースに先輩らしき人がいることはいるのですが、だらだらしていて、誰にも声をかけようとしないのです。声をかけられなくても話を聞く気満々の自分には関係ない話ですが、他のサークルとは明らかに異なる雰囲気が気になりました。

意を決してブースに座り、「ダイビングに興味があるので話をきかせてください」と切り出します。すると、若干ゲイっぽい男の先輩――S先輩が以下のようなことを説明してくれました。

・うちのサークルは文化部連盟に所属しているけれど、本質は体育会系であること

・週一回の海練、週一回のプール練、週一回の知識講習――計週三回の活動に必ず参加すること。

・前期はスキンダイビング(素潜り)の練習をし、タンクを背負ったスキューバ・ダイビングをやるのは後期からであること。

・夏に大島、春に沖縄に合宿に行く。前者は十数万、後者は二十数万円かかる。前年度は西表島に行った。合宿が終わってから、各自様々な島に遊びに行ったりバイトに行ったりする。

・スキューバダイビングの機材一式を購入するには、どんなに安い品を選んでも約10万円ほどかかる。

・肉体的・金銭的に負担が大きい。また、数年前に死人が出たので、今度事故をおこしたら廃部になる。

・今の時代、こんなキツい練習をしなくても、ショップに入って金を払えば楽しくダイビングのライセンスがとれる。

・以上の理由から、こちらから新入生に声をかけて勧誘することはしない。やる気のある奴だけ入ってほしい。

 

――なるほど、と思いました。どおりで先輩方は皆日焼けしていて、独特の雰囲気を湛えているはずです。そしてその雰囲気は、自分にとっては憧れの対象でした。

合間合間に、ちょっと気になる女の先輩――W先輩が補足してくれるのですが、W先輩の声の低さも気になりました。声の低い女性に出会うと、今でもちょっとだけ興奮してしまいます。

 

いずれにせよ、童貞っぽい先輩が「扇風機のプラモを作った」と言ってニヤニヤしていた模型部とはえらい違いです。その時の自分も童貞だったので、人のことは言えませんが。これは大学という新天地でチャレンジし甲斐のあるサークルではないかと思い、入ることにしました。お金のことは、バイトすればなんとかなるでしょう(高校時代はバイト禁止だったので、バイトしてみたいという気持ちもありました)。

 

実際に参加してみると、想像していた以上に本格派なサークルでした。

まず知識講習ですが、この担当がS先輩でした。ダイビング、特にスキューバ・ダイビングは潜水病の問題があるので、長時間水深が深いところに潜り続けることができません。それは何故か――というメカニズムを知らなければ、安全に潜水計画を立て、ダイビングを楽しむことができません。ちょっと前まで受験勉強で似たようなことを習っていたはずなのですが、中年の教師でも塾の講師でもなく、一つ年上の先輩から授業のような講習を受けるのは、なかなか新鮮な体験でした。

 

次にプール練ですが、市営のプールの隅っこのレーンで、時間いっぱい泳ぎ続けるというものでした。2時間くらいかけてだいたい2~3キロクロールで泳ぐというものなのですが、受験勉強でダレた身体にはキツいものでした。

一応、クロールの泳ぎ方は知っているつもりだったのですが、あまりにも無様だったのでしょう。プールの監視員に「キミ、溺れてるんじゃないよね?」と屈辱の一言をかけられたことを今でも覚えています。

このプール練の担当が件のW先輩でした。つい先月まで沖縄のダイビングショップでヘルパー(という名の雑事担当)のバイトをしていたというW先輩はサークル屈指の女傑で、腹筋が6つに割れているという噂でした。プール練の時も、勝手にプールをでてまったりしていた自分や自分の同期を厳しく叱りつけ、「この女、いつか絶対レイプしてやる」と思いながらクロールし続けていたものです。なにしろ童貞だったから、仕方ありませんね。

W先輩の「息を吸うのを早めに、吐くのを遅めに」というアドバイスで、無事に溺れているようにみえないクロールを習得できました。

 

で、肝心の海連――海洋練習です。日曜日に皆で海に行って、海面ダッシュ、立ち泳ぎ、器材ひろいを朝9時から午後4時くらいまでやり続けます。スキンダイビングはウェットスーツ、スノーケルつきのゴーグル、中性浮力をとるためのウェイト(のついたベルト)、フィンを着用して行うのですが、ゴーグルやウェイトやフィンを海底に置いてきて、再度ひろいに行くのが「器材ひろい」です。

1日の練習は5、6限ほどにわかれており、1限ごとにビーチという名のゴロタからエントリー(海に入ること)・エキジット(海からでること)を繰り返します。

立ち泳ぎは、手を水面に挙げて、皆で声をあげながら数十分泳ぎ続けるのですが、首に多量のウェイトを巻き付ける「ネックレス」なる練習をしていたら死人がでたとのことでした。そこで、ウェイトではなく、先輩が背中に覆いかぶさり、重しとなるやり方に変えたそうです。

以前、自衛隊のドキュメンタリーを観ていたら、ほとんど同じような練習をしていて、なんだか納得していたことを覚えています、というか、今でも『海猿』の隊員たちが浮上する時にヘッドアップ(船のスクリューに巻き込まれないよう、顔を上げて水面を確認すること)しないのが不思議でなりません。あんな浮上の仕方、うちのサークルだったらすぐ先輩が激怒だぞ!

 

後期からはスキューバ・ダイビングの練習も入りますが、そうなるとスキューバ・ダイビングの機材ひろいも入ってきます。海底に圧縮空気のタンク(がついたBC)を置き、バルブを閉め、浮上する(この時、浮上の速度が速すぎると潜水病になります)。素潜りで潜り、バルブを開け、タンクを身に付ける……。上手くできるようになると、タンクの他にフィンやゴーグルやウェイトの着脱が加わります。ほとんどサーカスです。

 

上級者になると、なんとウェットスーツの着脱が入ってきます。

ゴーグルや空気タンクの着脱はまだ分かります。前を泳いでいたダイバーのフィンでゴーグルを蹴り飛ばされたり、突然空気系にトラブルが起こって、パニックに陥るというのは、充分に考えられる事態です。だから事前に練習して、落ち着いておこうというわけです。

というか、今になって分かるのですが、ここまで書いてきた練習内容は、どれも肉体的にはそれほど大変なものではなく、ダイビング中トラブルが起こった時、いかにパニックをおこさず行動できるかという意図の下に組まれたものでした。

しかし、海中でウェットスーツの着脱とは! いったい、どんな時に海中でウェットスーツの着脱が必要なんですか? という問いに、W先輩はクールに答えるのでした。

 

「アタシ、この前沖縄でヘルパーしてた時おなか壊しちゃったんだけど、その時本当に役立ったよ。お客さんについてる時におなか痛くなったんだけど、こっそりサンゴ礁の隅に行って、ウェットスーツを脱いで……」

 

こういう台詞を不細工な女性が言っても爆笑するだけなのですが、W先輩は(少なくとも自分にとっては)ちょっと気になるルックスの持ち主でした。

そして、童貞だった自分にとっては、こんな質問にこんな答えを返す女性は初めてでした。

 

その後も、W先輩の信じられないような行動は続きました。

たとえば、穴に入っているウツボを「邪魔」と、手で追い出したこと。

たとえば、バイトに行った民宿の近くにある池に夜中(酒に酔った勢いで)飛び込み、泳いだこと。

たとえば、男も途中で投げ出すような赤十字ライフセーバー講習(江ノ島の海岸で早朝に走ったり泳いだりが一週間続きます)をやり遂げ、めでたく資格をゲットしたこと。

たとえば、授業にほとんど出席せずダイビングをし続けているせいで、2年生にして既に留年必至なこと。

 

そんなW先輩は、自分にとってどんどん気になる存在になっていきました。

 

 

一年が経ち、春合宿で西表島に行くことになりました。一年の総決算です。一週間ほど西表島の各所でファンダイビング(練習でも技能習得でもない観光ダイビング)をする、楽しい楽しい、楽しさしかない合宿です。

その合宿の打ち上げにて、W先輩ってちょっと良いよなあ、みたいなことを同期のAに漏らしました。

 

「おまえ、知らなかったのか。Wさんは(副部長の)Tさんとつきあってるんだぜ」

 

 

(この続きは有料でお楽しみください)

 

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