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2013年9月29日 原宿ニコニコ本社前・・・
そこには、たったひとりで大企業に立ち向かう男の姿があった。
男の名は、横山緑(36)





最新バージョン「GINZA」発表に伴ない、旧バージョン「原宿」の廃止が告知される。

使い慣れた「原宿バージョン」から強制的に「GINZAバージョン」へ移行を強いられる現実を前に、リスナーの一部からは反発の声が上がった。
その声の主の一人が、株式会社ドワンゴに対し全面戦争を仕掛けることとなる。
横山緑その人だ。

曰く、「あんな使いづらいプレイヤーは改悪だ!」

賛同する者が少ない中、それでも自分の信念に従い
孤軍奮闘、巨大な敵に立ち向かう決意をするのであった。


■何故そこまで「新ver」を嫌うのか?

彼は大の機械音痴だった。
前回の企画放送の時、初めてNLE※に触れ、漏らした言葉。
※NLEとは、ニコ生ライブエンコーダの略称。高画質配信を可能にする外部ツール。

「こんなのあったんだ」

驚いた。
配信を始めて4年、今まで見る事も使うこともなかったのだと言う。

周りに流されること無く、己の信じるものだけをこよなく愛する男。彼の生き様を見た。

彼には揺るぎないポリシーがあった。
『説明書は絶対に、読まない』

昭和52年生まれ。
実にファミコン世代らしい考え方である。


■「デモを起こそう!」彼はそう言った

筆者の携帯が鳴った。
「デモやるから看板つくっといて」

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今、プロジェクトが動き出す。


■原宿警察へ許諾申請の手続きを取る

警察
「デモ?竹下通りで?何人でやりますか?」

筆者
「ひとりぼっちです」

…鼻で笑われる。

警察
「それはデモではないですね」
「街宣になるので申請はいりません」

終始半笑いで対応をされたが、警察から以下の条件を付きつけられた。
・車に気をつけること
・大きな看板を持たないこと
・デモを行う会社に連絡をする事(推奨)
・2人以上人数を増やさないこと

■ニコニコ本社・原宿へ連絡

筆者
「申し訳ありませんが、明日、原宿本社前でデモを行いたいと思います。」

ニコニコ本社スタッフ
「はい、分かりました」

以外にあっさりだった。

筆者
「つきましては、広報担当の方にお話を伺いたいのですが」

ニコニコ本社スタッフ
「そちらと警察との取り交わしなので、当社は一切関わりません」

ともあれ、承諾を頂いた。


デモ当日。
彼は、手ブラだった。

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裸一貫、巨大企業へと戦いを挑む横山緑。
ヘルメット・抗議板を手に、いざニコニコ本社へ。

「シュプヒレコール!」
「シュプヒレコール!」

彼の声が街中に響き渡る。
先日36歳になったばかりのこの男。彼を突き動かすものは、一体なんなのか。

■原宿「竹下通り」に到着

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週末の原宿竹下通り。人の往来の多さに困惑。
ふと足を止め、彼の口から発せられる言葉に誰もが耳を疑った。

「…コワイ」

ニコニコ本社までの道のり、残り500m。
ここに来て、まさかの断念か。

ひとり戦うと宣言した男、横山緑。
それを見守る筆者。

彼は諦めなかった。
人の往来を掻き分け、恐怖に打ち勝ち声を張り上げる。
一歩一歩、足を進めていく。

彼の声に耳を貸す者は誰もいなかったが
それでも、声を張り上げ主張を続けた。

後に彼はこう語る
「たとえ伝わらなくても、行動で示すんだ」

まさに孤軍奮闘。彼はひとりで戦っていた。


■「伝わらない思い」真逆の結果を生む事に

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ニコニコ本社前で思いの丈をぶつける。
人通りの少ないニコニコ本社前に声が響く。

そこで予期せぬ現象が起こった。
「ニコニコプレイヤーGINZA」の評価がうなぎ登りに上がっていったのだ。

彼の行動は、民衆の心を掴めなかった。

一部リスナーからは「反発するリスナーの多さを逆手に取った新手の宣伝活動」となじられた。

デモならぬステマ。
勝ち馬に乗ったのは、運営だった。

しかし彼の挑戦が終わることはなかった。


■「ニコニコカフェ・ショップへ直談判」

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ニコニコ原宿本社2階にある「ニコニコカフェ」
そこで働くスタッフに直談判するべく、鋭い眼差しのまま店内に入る。

そこで待っていたのは、思いもよらぬ冷遇

横山緑
「すいませーん」

カフェ店員
「・・・」

横山緑
「すいませーん」

カフェ店員
「・・・」

無視である。まったく相手にされなかった。
すぐさま3階にある「ニコニコショップ」へと向かう。

横山緑
「あの、僕のこと知ってますか?」

ニコニコショップスタッフ
「知りません」

その場にいた女性スタッフ5名全員が首を横に振る。

公式放送に何度も出演し、ショップにサインも飾られていた横山緑。
プライドを傷付けられた。
(サインは現在撤去されている)

心が折れる音がした。

その後、デモとは関係のないクレームを言い放った後、退散。
なんの収穫も得られなかった。


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ニコニコショップに貼られたポスター。

筆者
「彼ですよ」

ニコニコショップスタッフ
「…?」

アンチコメントには耐性があった。

しかしこの対応は、アンチよりも辛辣であった。

『好きの反対は嫌いではなく、無関心』

打ちのめされた。
このあと、更なる仕打ちに打ちのめされる事となる。


■通報「警察を呼ばれる」

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通報が入った。警察4名に呼び止められ、事情聴取を受ける。

またしても辛酸を舐める。
しかし、怯むことはない。どんな状況でも、毅然とした態度は崩さなかった。

信念に従い行動する男、横山緑。
逮捕も覚悟の上であった。

しかしたまたま居合わせたガジェット社員も巻き込まれてしまい、大変バツを悪くしたのか、素直に警察の指示に従う事に。

こうしてニコニコ本社前デモ活動の幕は閉じられた。


■「諦めない心」タクシーでニコニコ銀座本社へ

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折れたかに思われた心は、折れていなかった。
原宿を後にし、すぐさまタクシーに飛び乗り
目指すはニコニコ「銀座」本社。

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彼の戦いはまだ終わってはいない。
まだ始まってもいないのかもしれない。

ひとりきり、誰一人味方のいない中で、それでも信念を曲げず、大きな壁に立ち向かい続ける男、横山緑。

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彼を見守るのはここまでにしよう。

ひとりで挑み続ける男の背中を見送りながら
筆者は原宿の街を後にした。
(焼き肉を食べに行きました)



総括:
「たとえ伝わらなくても、行動で示すんだ」


次回の
暗黒行動連盟の活動は
『ニコニコ銀座本社』でデモ活動を行う。(予定)

力也記者名:力也
プロフィール:福井から上京し「綿菓子屋ふわり」を開店
半年で潰すも現在チラシポスティングで生計を立てながら
元気にニコ生で活動中。35歳。
コミュニティ:co352781
Twitter:https://twitter.com/lilyfilter
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ガジェット通信記者リンク:http://getnews.jp/archives/author/rikiya