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ニコニコ生放送
過去、様々な生放送が行われてきた。

その中、タブーとされている放送ジャンルがある


「 宗教 」

「 犯罪 」

「 麻薬 」


そして

「 自殺(自傷) 」





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2013年  7月27日   


生放送中に
自傷(リストカット)をし、放送BANになった配信者がいた。


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愛ドル:さきたむ
 


リスナーの制止にも耳を貸さず、カメラの前で手首を刻む彼女

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心配する声に混じり、更に深く手首を刻むよう煽るコメントもあったのだが
彼女はむしろそういうコメントを拾い実行に移していく。

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ニコニコ生放送で放送出来なくなると、今度はツイキャスへと移動。
ツイキャス生放送では、なんとカミソリで自殺を計る。


首か。

手首か。


「ねえどっちがいい?
  ねえどっちがいいの?」


リスナーに涙ながらに死に方を選択させる場面もあり
放送は、常に緊迫した空気に包まれた。


しかし、死に切れず。


今度は睡眠薬を一気に飲み干した。

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イソブロ(イソミタール+ブロバリン
(アモバルビタール+ブロムワレリル尿素)


意識混濁の状態で、再びカミソリで首を切ろうとする。

「もうやめろ!」

リスナーの声に踏み留まる。

しかし、安心したのも束の間

今度はマンション最上階から飛び降りようとする。

再び、緊張が走る。

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マンション屋上から生放送する彼女。

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壁のハリに捕まりながら

「いま手を離したら死ぬから」

彼女は飛び降りるまでの一部始終を生配信で行うつもりだ。



「まさかそこまで…」と思われたが
彼女はそのまま手を離し、画面が揺れ、ガタンと鋭い音を立て
そこで放送はオフラインとなった。

その後、どうなったのかは誰も分からない。

彼女は本当に死んでしまったのか。
彼女に関する情報を集め始めた矢先、Twitterを発見した。


そこには

「最終書き込み:1時間前」


生きていた。
彼女は飛び降りてはいなかったのだ。


安堵、緊張の糸が解れる。





■何故、この様な配信を行ったのか? 直接聞いてみた。


この放送は一体なんだったのか。

ジョーク。
エンターテイメントとしての「自殺ショー」だったのか。

今回、彼女に詳しく話を直接聞くことが出来た。



■自殺配信者、さきたむに話を聞く。

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力也
「まずは、生きていて安心しました。
 今回の自殺配信はどういった意図で行われたのでしょうか」


愛ドルさきたむ
さきたむ
「たまたま放送中に感情が高まったのでやりました」

「もともと自傷配信をしていた所、リスナーが煽って来たので
 どんどんエスカレートしていった感じです」


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力也
「では自殺をする事を前提としていた生放送ではなかったと。」


愛ドルさきたむ
さきたむ
「一つ言っておきますが、私は、死ぬつもりはありません。
精神は不安定で意識が混濁してはいましたが、はじめから死ぬつもりないです


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力也
「そうでしたか」
「自傷配信について聞かせ下さい。さみたむさんにとって自傷とはなんですか?」


愛ドルさきたむ
さきたむ
「んー精神安定剤的な。
 すっきりってか落ち着くっていうか。
 本当に追い詰められたときはやめられなくなりますね」


自身を傷付けはするけども、死ぬつもりはない。

矛盾。



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力也
「死にたがりでは無いと知り、安心しました。」


愛ドルさきたむ
さきたむ
「私は本当に自殺してきた人を周りで沢山見て来ました。
 死にたいっていう人は、痛みが分からない人なんだと思います。


そう答える彼女。
正直、違和感を感じずにはいられなかった。

自傷配信をした本人の口から

「自殺はいけない」と語られるこの違和感。

なにか彼女との間にズレを感じた。

そのズレは「認識の違い」から生まれるものだと、後に知る。




■「自傷行為」における認識の違い


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%82%B7%E8%A1%8C%E7%82%BA
第9項目「自傷行為に対する偏見」より


・自傷行為は自己防衛手段である

自分を傷付ける事で自分を守る。
矛盾に思われるかもしれない。

「自傷」とは厳しい現実に立ち向かう為、心の安定を図るものであって
死に急ぐ為の手段ではないのだという。

見える「痛み」で心の「痛み」を具現化する。

傷が癒えていく過程を現実に認識する事で
心の傷も癒えていくと感じ取る。

「自傷」とは
心の傷「痛み」を可視化する為の行為だった。



・特異な行動ではあるが異常者ではない

理解出来ない=異常と短絡的な見方をする人間は多い。
が、しかし、自傷とは先に述べた通り
「生きる」為の行為である。
理はあり、決して異常と呼ぶに相応しくない。

また「異常」と最も強く意識するのは、自傷者本人だと言う。

周りに理解されない、異端に思う行動を止められず繰り返す自分に
疎外感と罪の意識を感じてしまうのだという。

そして死を選ぶケースが多い。

偏見は自傷者を追い詰め、死に追いやる結果を招いた。


筆者は決して「自傷行為」を推奨するものではない。
ただ、
前向きに「生きる為」を目的とするならば、非難するべきでは無いと考える。



総括:
「自傷」とは
「生きる」為に「死」を傍らに置く事で「生命」を感じ取る行為であった。




今回のインタビューで「自傷」についての見識を深める事となった。
とは言え、やはり痛いのは苦手だ。

精神安定なら自分はタバコを吸う方が良い。

百害あって一利無しの害悪=タバコ

これもまた「自傷」と言えるのではないだろうか。


記者名:力也
プロフィール:福井から上京し「綿菓子屋ふわり」を開店
半年で潰すも現在チラシポスティングで生計を立てながら
元気にニコ生で活動中。35歳。
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ガジェット通信記者リンク:http://getnews.jp/archives/author/rikiya