鈴木克昌代表代行・幹事長 定例記者会見(2014年3月7日)

3月7日、鈴木克昌代表代行・幹事長が定例の記者会見を行いました。
会見要旨全文は以下の通りです。


20140307幹事長会見


【 冒頭挨拶 】

本日開催された国民投票法改正案の各党協議だが、一部野党からそういう名称で集めるのはいかがなものかということになったので、自公案を説明する勉強会という形で開催された。

一時間ちょっとだったけれども、流れとしては自公案が説明された後、他の野党から修正案とか、独自の案というのが出されているので、それを含めて自公案と比較をして、それぞれ意見を言うという流れであった。
私どもは、前々から申し上げているように、3つの宿題について自公案では若干不足している部分があるという見地から3点の修正案を出している。

1つは、(投票権年齢を)20歳で始めて4年後には18歳になるということだが、読みようによっては4年間ずっと20歳でいくという流れにも読めるので、そこは出来るだけ速やかに本来の18歳に持っていけるようにすべきだということを主張している。
ただ、それもなかなか微妙な問題があり、じゃあ、仮に国民投票を18歳にして選挙権は20歳となるといいのかという問題もあるので、やはり同時に本来の法の目的である18歳ということになればいいけれども、なかなか公職選挙法、それから例えば民法、少年法と色々あるので、果たしてどこでどういうような形に法案が整備されていくのか、ここのところが議論のポイントになってくるのではないかと我党としては考えている。

2点目は、公務員の国民投票に関わる問題ということですが、これは基本的には自公案を否定するものではないけれども、そのことによって、公務員の政治活動はもちろん公務員法で制限されているけれども、それ以外の部分が委縮したりすることのないように、やはり、なんらかの担保をする必要があるのではないかということである。

3点目は、自公案には憲法改正以外の国民投票をどうするかということが全く触れられていないので、私どもずっと主張してきたポイントであるので、我党としては何らかの形でそれに対する自公案への展開というものを考えてもらいたい、そういう要望は出しておいたが、繰り返しになるけれども、基本的に我党は加憲を言っているので、やはり加憲であっても憲法のある部分を改正していくという流れになる訳だから、そういう見地からいくと、この国民投票法改正案を頭から反対であると拒否をすることではないという考え方をしている。

来週も同じように勉強会が開催されるということであるし、この1週間で自公の方で色々と各党へのヒアリングが行われるようなので、そこを見極めて憲法審査会の場できちんとした議論をしていきたいと思っている。

それ以外は、今参議院で予算案が審議されているわけだが、いずれにしても、非常に政府にとっては順調に推移をしているようだが、そうはいってもかなり衆議院で総理自身の発言に問題発言も沢山あった。その辺を参議院でどの程度までチェックできるのか、というところになってくるのではないかと思っている。

いずれにしても、月内成立だけはもう間違いないわけだし、それも3月の中下旬には上がるような雰囲気なので、熟議をすべきだというスタンスで臨んでいきたい、本当に国民の生活、とりわけ被災地の皆さんの、豪雪被害も含めて、もちろんこれで3年を迎える東日本大震災からの復旧・復興も含めて、しっかり議論をしていきたいと、また政府を正していきたいと思っている。

【 質疑要旨 】


国民投票法改正案について

Q. 国民投票法改正案について、あらためてこの意義、各党が集まってそれぞれ考え方に違いがある中で、一致点を見出しながら進めていこうという風に話し合いが進み始めているこの状況をどのように受け止められるか。(NHK)
A. 憲法の問題だから、これは本当に国家の基本中の基本である。
慎重に事を進めていかなければいけないことだが、いずれにしても、今から7年前に一旦はこの国民投票法が成立して、その時に3年以内に18歳への法整備をするということになっていたが、それがずっとなされずに、ある意味では行政の怠慢ということで今日まで来ている。
したがって、いたずらにどんどん時間をかければいいということでは、私はないと思っているので、今の進め方について大きく異論があるということではない。

ただ、やはり与党がそれによって押し切るということではなく、野党の意見を十分反映させた法案にしていくという努力をしようという風に見えるので、私はその動きについては大きな異論はないと思っている。
Q. 共産、社民が参加していないことについては(NHK)
A. 共産、社民については、やはり憲法に対する基本的な考え方をお持ちだと思う。各党協議という名称が勉強会に変わったというのは、共産の強い意見もあってということだから、今後どういう風になっていくのかは分からない。

与党が一体共産、社民にどのような形で話を持っていくのか分からないけれども、この1週間の動きの中でなんらかの妥協点というのか、一致はしないまでもこの進め方に対する理解度が深まっていけばいいかなと、こんな風に思っているけれども、なかなか憲法改正という抜本的なところでスタンスが違うところがあるので、そういう意味では全党揃ってという体制を取っていくのは非常に難しいのかもしれないと思っている。

選挙制度改革について

Q. 選挙制度改革について、来週これも全党での協議をやろうというところまで与野党で合意されていると思うが、ここもまた社民、共産、改革の3党をどう入れていくか難しいところになってくるかと思う。その点についてはどうお考えか。(テレビ朝日)
A. 昨日、一昨日、ご案内のように、流れとしては5党で一つの方向を出した。それは一言で言って、第三者機関に委ねようということである。それを踏まえて、自公含めて7党で協議し、色々あったがやはり第三者機関に託すということについては、一応7党は合意をしたということなので、それを踏まえて、来週改革、社民、共産を含めた10党で場を持つということである。これはある意味では、全党揃っての正式な場になる訳だから、そこで今の流れである、第三者機関に託すということが決まるのか決まらないのか、仮に決まってもまだ課題は沢山あり、例えば議長の下に置くということであるならば、果たしてそれを議長がどういう風に受けられるのか、基本的には恐らく全党が揃わなければ議長は受けられないということになるのかもしれない。それは分からない。

それからまた、どういう形で委員を何人選出するのか、どこで選出するのかという問題もあるだろうし、何を依嘱するのかという問題もある。決めたものをどう国会が承認をしていくのか、どういう形で進めるのか、課題は沢山あると思っているので、これもやはり、今まで20数回協議してきて、なかなか前に進まない。

そして、総理自身も場合によっては第三者機関に託してもということもおっしゃっているわけだから、そういう流れの中で我々は進めていきたいと思っているが、やはり、次の10党が集まる正式な会議の流れがどうなるかによって、また新たに暗礁に乗り上げていくという可能性も無きにしも非ずだと思っているが。
Q. 民主党の岡田さんも来週までに社民、共産、改革に対して説得していくというお話をされていたが、そういったことについて幹事長としてはどうお考えか。(テレビ朝日)
A. どこの党へというのは申し上げないけれども、私自身も少しある政党に対して、是非第三者機関の設置にご理解いただけないかと動いている。

その心は、元々この第三者機関というのは我党がずっと言い続けてきたことだから、そういう意味合いからいっても是非理解してもらいたいということである。だから、これは他の方がどういう風に動かれているのか分からないけれども、私もそういう形の中で少しでもこれを進めていくべく、その責任を果たしていきたいと思っている。


教育委員会改革について

Q. 教育委員会改革について、自公の案がまとまりつつある。教育長、教育委員長を統合した新しい教育長を作り、任期3年、自治体の首長に任免権を与えるといった内容になっている。これについてどう思われるかということと、党としてどのように対応していくか教えていただきたい。(共同通信)
A. まず、党として議論が固まっている、方向が出ているということではない。まだまだ、議論をしなければならないところがあると思う。

いずれにしても、与党案が固まらないことには議論を進めようがないということもあり、公式の場で党としてこういう考え方でという物は今のところ出していない。

ただ、個人的にとなると、私も地方の首長を経験してきて、これには本当に色々な思いがある。
あまり個人的見解を言うべきではないかもしれないが、やはり首長というのは色々な個性の方が出てくる。もちろん選挙で選ばれるとはいうものの、首長が変わって、また教育に対する基本的な問題の流れが変わるということは、私はあまりいいことではないと思っていて、あまり教育制度、学校制度を大きく変えない方がいいというのが私の持論だが、これはまた党内で議論をする時に、しっかりと私の意見は述べていきたいと思っている。

繰り返しになるが、まだ党としては方向を出しているわけではない。