小沢一郎代表 定例記者会見(2014年2月10日)

2月10日、小沢一郎代表が定例の記者会見を行いました。
会見の要旨は以下の通りです。

20140210小沢代表会見

【 質疑要旨 】


東京都知事選挙について

Q. 東京都知事選挙の結果を受けて、その受け止めについて。(TBS)
A. 今回の都知事選挙は、事前にしっかりと体制を整えれば絶対勝った選挙だったと思い、非常に、せっかくのチャンスをと残念に思っている。

票を見ても分かる通り、(細川氏と宇都宮氏)二つ合わせれば(舛添氏と)似たような数字になるのだから、最初から一本だったら二つ足した以上に票が集まり勝てたと思う。片方を自公でやっているから、どちらかと言えば野党サイドと、必ずしも細川・小泉サイドが野党のスタンスと言えるのかどうかは別にして、政府自公ではないサイドが二つに分かれてしまっているのだから、勝てるわけがない。
だから、そこがちょっと、ご本人たちも含めて、選挙の捉え方、認識が甘かったのではないだろうか。

今後はどうなるか分からない。本人に会っているわけではないし。風の頼りに聞くところでは、小泉氏も細川氏も脱原発の考え方は今後も貫いて国民に対してアピールしていこうという意志だと聞いているから、それはそれでいいのではないかと思う。
それが政局にどういう影響を与えるかということまでは、まだまだ今の段階では分からない。

Q. 脱原発ということに関して、ワンイシューで戦ったけれども、全くそれは効果がなかったと自民党サイドは今回の結果を受けて言っている。
今おっしゃったように、戦い方が間違っていたという話があるけれども、脱原発という争点は、結局都民に波及出来ていたのか、その辺りはどう思われるか。(日刊ゲンダイ)
A. そういうやり方は、間違いではなかったと思う。小泉氏が得意なところだけれども。2人とも合わせれば、それで200万近い票になっているのだもの。

もちろん都政だから、それだけではないけれども、やはり一番の電力の消費者は都民だから、そういう意味から言っても、原発の問題は都政とは関係ないという議論はおかしいと思う。国家的な問題ではあるけれども、都民とも大いに関係ある。

それから、これで都民の生活が影響を受けないで済むとかいう類の論評をしていた人がいるけれども、今までずっと止まっていたって、それによって生活に何も特段の支障があったわけではないので、これは変な議論だと思う。

いずれにしても、そのこと以上に、やはり基本的に二つのグループに分かれたことと、その調整をしようとしなかった選挙に対する感覚が、今回は失敗したのだろうと思う。

Q. 昨日、細川さんが敗戦の弁の時に、脱原発を争点化させない力が働いたというような言い方をしていた。それは色んな報道で、そういうものが報じられなかったというか、そういうことを指しておっしゃっていたのだが、まずそれについてどうお考えになるかということが一つと、もしそういうことがあるのであれば、今後も、原発か、原発でないかというグルーピング、そういう運動が起ころうとしても、そういう力が常に働くとすると、相当脱原発が実現化するというのは難しいのかもしれないという気がするけれども、その点どうか。(日刊ゲンダイ)
A. 細川さんが、メディアの報道があまり脱原発を、自分たちの主張を伝えてくれなかったことが敗因だという趣旨で喋ったということか?

それは、その通りだと思うけれども、やはり、当初討論会の様なマスコミの企画があったところに、細川さんが出ないので流れたというような話もあると聞いているから、そういったメディアへの対応もまずかったのではないのか。
本来、今の日本のメディアは、分ければ政府サイドの原発推進の方だから、今後もそれはそういう報道になるのだと思う。

思うけれども、やはり、それを跳ね返して国民を説得するだけの運動をしていかなくちゃならない。メディアのせいにするならば、私などはいくらでも言いたいことがあるけれども、そうやっても結果としてはそれを言ったってしょうがない。それを現実として、どのようにやっていったらいいのかということを、現実の政治家としては考えなくてはならないと思う。

Q. 田母神候補が歴史的な認識などでもかなりタカ派的というか、保守的な考えを前面に打ち出した中で60万票以上を獲得したという事実もある。
この動きを、日本の民主主義の中でどうみているか。(朝日新聞)
A. 獲ることは獲るだろうけれども、60万という票は予想できなかった。60万というと他の2候補の3分の2は獲っているわけだから。

しかし、こういう傾向が強まっているということは間違いないと思う。それで現在の安倍政権がまた、そういう考え方を助長しているということも言えるし、いずれにしろ世の中が不安定になればなるほど、極端な意見が出てくることは、人間社会いつものことだから、これはやはり、そういう意見を思っている人がいいとか悪いとかいうことではなくして、政治家はもちろんだが、国民全体が考えないと、ただ単にその場その場で目先のことで流れて、政治行動、投票行動をしているのは、よく考えなければいけないと私は思う。

これは、世界的潮流である。結局そうなるのだ。それで共産党が強くなるだろう。だから、私もそうなるとずっと言い続けてきた、朝日新聞に対しても。
良く考えなければいけない。それでいいのならいいけれども、それでは結局いい未来にならないだろう。だけど傾向はそういう傾向が強まっていく。これはやはり、日韓、日中、それから日米も、また同じような二国間関係にも、そういうことが、相当影響を及ぼしながら出てくるであろう。そして相手方にも出てくる。そういう意味で非常に危険なのだ。

だから、私も従来通り一生懸命訴えるけれども、皆さんもよくよく考えて行動してほしい。
間違えてはいけないけれども、田母神さんが悪いと言っているのではない。個人的な事を言っているのではない。


小泉氏との連携について

Q. 今後も小泉さんは脱原発の旗を降ろさないでやっていくと思うが、その脱原発という部分で連携できるところがあれば一緒に運動するというのは、今後考えられるか。(岩手日報)
A. 脱原発というのは、小泉氏がどうかは別にして、大きな基本的政策の違いだから、再編というかグルーピングの大きな一つの旗、テーマになるだろうと思う。

だから、今すぐ既存の政党含めて、原発推進と脱原発に分かれるというような動きになるかどうかは別にして、もしそういう流れが出てくるとすれば、それは大きな私はテーマだと思う。


脱原発をテーマにしたグルーピングについて

Q. 脱原発に分かれてグルーピングする流れが出てくるかもしれないということだが、今回選挙で敗北したということで、そのグルーピングの勢い、野党サイドの勢いにどのように影響が与えられるのかと見ているか。(毎日新聞)
A. 脱原発でグループ化がされるという表現よりも、基本的な政治の考え方の中でグループ化が進むとすれば、その脱原発というのが一つの大きなテーマになり得るのではないかということである。

今回の都知事選挙、負けたと言ったって実際には負けていないと私は思う。非常にいいチャンスを逸してしまったと思っている。
ちゃんと真面目に考えて、万全を期して戦いに臨めば勝ったと思う。だからその意味で、脱原発で負けた、だから萎んでしまうのではないかというのは、早計だと思う。


日中関係について

Q. 小沢代表はかねがね、中国との交流を長くされてきているけれども、日中関係がこういう状況になった中で、中国とのパイプを持っている政治家というのはすごく貴重だと思う。小沢代表が中国に行って何かするといったお考えがあったら教えてほしい。(岩手日報)
A. 非常に心配しているので、日本としてこのままでは非常に危ういと私は思っているから、やらなければならないと思うが、私の今の現実の現状のままでは、中国に行って日本をある程度代表している立場でもなんでもないから、仲良くやりましょうと言えないわけで、それではお互いに何のメリットもない。
そこはやはり、それなりの立場にある政府与党がきちんとしなくてはいけないと思うけれども、今のままでは、日中もそうだけれども日韓も非常にこじれてしまって、非常に危うい微妙な状況になってしまってきている。

扉を開いているからと言ったって、なんだかんだこちらサイドの好きな言動をしておいて、いくら開いているからお前の方から来いと言ったところで無理だ。
お互い様のことなのだから、お互いを思いやりながら、おもんばかりながら話し合いをしなければ、話し合いにならない。
そこがちょっと、冷静に聞いても変な筋のような気がするから、向こうから聞いたらふざけるなということになってしまっているのではないか。