小沢一郎代表 記者会見要旨(2013年10月2日)

10月2日、小沢一郎代表が記者会見を行いました。冒頭、まもなく開会予定の臨時国会では様々なテーマがあるので、会見に先立って開催された幹事会で、我々の主張をきちんと打ち出していこうと、所属議員たちと確認した旨述べました。

質疑の要旨は以下の通りです。

 

小沢一郎代表定例記者会見(2013年10月2日)

 

【質疑要旨】


3年後の衆議院総選挙について

Q. 先日、民放番組で3年後の総選挙を集大成にしたいとおっしゃっていたが、そのお心、お気持ちをもう一度お聞かせ願いたい。(TBS)
A. 俗に予想されているのは、3年後の衆参ダブル選挙という事だろうと思う。衆議院の任期で言えばその後半年あるが、多分そうなるだろうと。

そしてこれは、今日の各派のあるいは各党の政治状況のまま3年後を迎えると、また自民党政権が否応なしに継続するという事になりかねない事であり、それは、日本の、日本国民の将来にとって非常によろしくない結果をもたらすことになるだろうと、そう思っている。

なんとしても、もう一度3年後の総選挙で政権交代を実現して、そして、政治制度で言うと議会制民主主義をなんとか定着させるために、4年前に続き2度目の試みになるが、政権交代を実現したいと。また、そうしないと日本の前途は非常に悲観的なものとして予想せざるを得ないものになる。そういう思いが非常に強いので、3年後のダブル選挙・総選挙という事であれば、多分日本の今後の政治、日本の国の在り方にとって最後のチャンスになるのではないかという風に考えている。

それから、私自身も年を経てきているので、そういう意味でも次の世代に松明を譲り渡したいという気持ちもある。なんとか年来の目標であった議会制民主主義を緒に就けて、日本に民主主義が定着できるように本当の日本の社会の民主化を実現させるその第一歩を、今度こそきちんと築いて次の人たちに譲り渡したいと、そう思っている。


小泉元総理、脱原発発言について

Q. 最近小泉元総理が脱原発について、政治家が決断すれば一気に進むものだと発言されている。生活の党の政策とも近いと思うが、この点についてどう感じられているか。(東京新聞社)
A. 小泉氏とは別に話し合う訳でもないので、どういう考え心境の変化か私はまったくわからないが、多分彼も総理大臣を経験して、大きな、あるいは高い立場から冷静に考えた場合に、やはりこの福島の原発事故を契機にして、原子力はやめる事にした方がいいという思いに至ったんだと思う。

冷静に日本の現状と将来を考える人であれば、大抵行き着く結論であろうと思う。特に事故の対応について我々は、ずっと機会あるたびに言っているが、全く放射能の封じ込めが出来ていないと。(政府は)一生懸命いい加減な話をして事実を隠しているが、だんだん、だんだん、隠しきれなくなってくるのではないかと(思っている。)

その時は福島県、そして日本にとってかなりな悲劇だと思うが、そんなことを現実の政治の場を離れて冷静に見た場合に、そういう思いに至ったのではないかと思う。


国会改革について

Q. 国会改革の議論について。今の自民党、公明党、あるいは日本維新の会から、総理大臣の国会出席日数を少し減らすべきだという議論があるが、生活の党の小沢代表としてどういうご見解をお持ちか。(読売新聞)
A. 総理大臣であれ他の国務大臣であれ、政府の職務と国民の代表たる国会での議論とどういう風に兼ね合いを保つかという話だろう。

与党も野党も、野党もとにかく何でもかんでも総理を引っ張り出さなきゃいかんという根性もよくないし、与党は出来るだけ審議はやらないで済まそうという根性もよくない。

だからそこは、小泉氏が現場を離れてみて、公平に高みから眺めてみると、やはり脱原発だという心境に至った事を考えてみても、ちゃんと冷静に公平に考えれば、自ずと結論は出ることである。これは制度の話ではなく、運営の話だから。

それをもう少し合理的な、そしてお互いにそれぞれの職責に忠実に考えていけば、必然的に出てくる話ではないかなと思う。


野党再編について

Q. 臨時国会に臨む会派についてお伺いしたい。先日社民党の幹事長が記者会見で、生活の党と無所属の方と会派を組んで国会の活動をしたいと呼びかけていると話していたが、この呼びかけにどのようにお応えになるお考えなのかお聞かせ願いたい。(NHK)
A. そのことについては、色んなことを言う人もいるようだが、私はまだ正式に聞いていない。多分、国対レベルでお互いに発言権を、発言の場をきちんと確保していくには、会派としての規模を大きくしていった方がいいという思いで話をしているのではないかと思うが、正式にどうしようかという事は、私は聞いていない。
Q. 代表は以前、消費税8%の判断を総理がした後に、野党再編の機運が高まってくるだろうとおっしゃったけれども、今後、消費税を10%に上げるタイミングとか、参院選とのダブル選挙直前とか、色々タイミングがあろうかとは思うが、野党再編のスケジュール感というものを代表はどの様に見てらっしゃるか。(産経新聞社)
A. それは分からない。将来の事だから。将来というか先の事だから。だから、現実に消費税を上げると政府が決めることは、最初から分かりきっていた事だ。ただ、(臨時)国会が召集されてその中でどのような論議になっていくか、あるいはその論議に関連しながらそれぞれの国会議員がどういう風に考えていくかという問題が一つ。

それから、国民自身が消費税(増税)が実施される事になったと決まったという事を、どう受け止めるかという問題。それから、今言った原発の問題。それから、TPPについてアメリカは今年中にやっつけたいのだろう、その結果がどう出るか。というようなことが臨時国会と並行して出てくるだろう。

だから、そういう意味でいろんな議論が高まり、国民の間でも高まっていくと(思う)。そして、国民が現実に肌身で今言ったような問題を感じた時に政治も動くのではないだろうか。

Q. 野党再編の関連でお伺いしたい。みんなの党の渡辺代表が政党ブロック構想等を掲げている一方で、新党結成を目指す動きもあると思うが、小沢代表はその動きについてどの様にお考えになり、動いて行かれるおつもりか伺いたい。(毎日新聞社)
A. ブロックとはどういう意味か?よく分からないけれど。
Q. 連立内閣みたいなもの。(毎日新聞社)
A. 「オリーブの木」的な話の事?そういう意味か。要は、国民が自民党に代わる受け皿のグループが出来たなという認識を持つようなものでなければ意味がない。だから、私はずっと以前から色んなところで言うのだが、やはりそれぞれが目先の利害に拘泥していたのでは、とても国民の期待に応えられるようなグループは出来ないと思う。

だから、自分たちの目先の利害は捨てて、日本の将来の為に、そして国民の為にこうあるべきだというところに出来るだけ皆が近づけるような努力をすれば、国民の声を背景にしながら自然とできると思う。その手法とか経過とかは何も気にしない。


福島第一原発汚染水漏れ事故に関する安倍総理発言について

Q. 安倍首相が五輪の招致演説の中で、汚染水の問題についてコントロールされていると述べて、その後もブロックされているという風に述べている。
一方で東電側からは、現状ではコントロール出来ていないという発言もあった。今後、安倍政権の行方にも影響してくる問題だと思うが、代表としてはこの一連の総理の発言についてどのように捉えているか。(朝日新聞社)
A. 現実に事故対応の作業をしている東電が、コントロールされていないと言い、総理はされていると言う。この事実を見ただけで原発事故の処理は全く不十分というか、放射能の封じ込めが出来ていないという事を象徴的に表したものではないかと思う。

この問題は、オリンピックの招致演説で総理が発言したのだったかな。日本では政府、そしてまたメディアの諸君の報道による影響があると思うけれども、なんとなく収まっている、風化している、していくような方向にあるが、いずれ国民にとって、そして日本にとって大きなマイナスというか、非常な痛手というか、損害というか(になるだろう)。
とにかく大きな問題に更になっていくということが、そんなに遠い先の話ではないのではないかと(思う)。

次々、やあ、また水が漏れたの、やあ、どうしたのこうしたのって、出てきているわけだから、これは直接的には福島県(の問題)だが、福島県だけではなくて、地下水は海に当然どんどん自然現象として流れるわけだから、沿岸の漁業も出来ないという事態になりかねないし、これがまた太平洋に広く流れていくという事になれば、国際問題にもなってしまう。
今、政府や日本の多くの人たちが考えているような、そんな簡単なものではないと私は思っている。

だから、一内閣がだめになるかならないかなんて言う程度の話ではない。もちろん政治の責任が一番大きいことは間違いないけれども、被害をこうむるのは日本国民だから、そこのところを十分考えないといけないし、皆さんにも(適切な報道を)お願いしたいと思う。