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TPP、リスクを負うのは国民。事実を理解し行動してもらいたい

2013/03/21 12:56 投稿

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小沢一郎代表定例記者会見要旨(2013年3月18日)

3月18日(月)午後、小沢一郎代表が党本部にて定例の記者会見を行いました。会見の要旨は以下の通りです。

小沢一郎代表定例記者会見

【内容】

参議院議員補欠選挙について

Q. 4月に行われる山口県選挙区での参院補選について、民主党は平岡秀夫元法相を擁立する方向で調整している。平岡氏は野党共闘が条件と言っているが、補選についてどういう関わりをしていくか。
A. それは平岡氏ではなく、民主党自身がそういう形(野党共闘)で選挙戦に臨みたいというのならば、民主党自身が野党共闘ということで呼びかけないといけないのではないか。平岡氏がどうこうではなく、民主党自身が他のところに声をかけなくてはならない。

TPP交渉参加について

Q. 3月17日付の毎日新聞に、TPP交渉参加支持63%、安倍内閣支持70%という世論調査結果が掲載されていたが、この結果に対する感想は。またTPPも安倍内閣も本質的なことについて大手メディアが報道しないため、イメージとして何かいいことがあるのではないか、と国民は思っているのではないかと思うが、どう考えるか。
A. おっしゃる通り、イメージ、何とはなしのムードがそういった数字に出ているのではないかと思う。小泉(純一郎)氏が構造改革のいの一番が郵政だと、これさえやれば他の改革もすべてできる、という類の話をしながら進めたわけだが、結果として国民の所得は、小泉内閣以来今日に至るまで、ずっと下がりっぱなし、減りっぱなしである。その上、様々な形での増税、来年からは消費税。こういった中、今アベノミクスという言葉が飛び交って、メディアもそれを報道しているので、国民の一般的な受け方としては、景気も良くなるのではないだろうか、自分たちの収入も増えるのではないだろうか、といった期待感の中で、漠然とそのような支持という数字になるのだろうと思う。TPPも、何かいいことがあるのだろうということが先行して、現実にTPPの本質的なことや、農業だけではなくして、医療、郵政、知的所有権等々、いろんな分野で日本社会の制度的なものを変革させかねない、非常に国民生活に密接な、危うい、危険な要素を持っているということを、国民は全く、今の雰囲気の中では考えていない。そういうことで、TPPの支持というのも、何とはなしに多くなっているのだろうと思う。私は、結果としてリスクを負うのは国民、大衆であるので、ぜひ国民の皆さんには自分自身の目で見、確かめて行動してもらいたいと思っている。
Q. 3月15日付で出した小沢代表の「安倍総理のTPP交渉への参加表明を受けて」という文章の末尾の部分に、「各界各層と連携し闘っていく」とあるが、「各界各層」とは具体的に何を指すか。例えば民主党内のTPP慎重派との連携を視野に入れているのか。
A. 文章として「各界各層」ということになるが、基本的には国民の皆さんである。国民の皆さんは、先ほど言ったように、何かいいことがある、心配はいらない、日本に都合の悪いことは絶対守ることができる、という簡単な認識でいるのではないか。メディアもそういう雰囲気での報道なので、そこに大きな落とし穴があるのではないか。多分、具体的に進んでくれば、国民の皆さんも、非常に大変だ、ということになるだろう。その時では遅いかもしれないが。具体的に、例えばこの間(岩手)県連の設立の会合に出たが、その時に岩手県の農業ということで試算したら、生産額その他の数字で言うと、ほぼ半分という壊滅的な数字になってしまう。それを農業団体がどう受け止めるか。一般の生産者がそれをしっかり認識するまでには少し時間がかかるのではないか。我々はそういう人たちに対しても、事実認識と皆さんの判断を求める。医療でもそうである。混合医療の規制をもっと緩やかにして取っ払っていけば、皆保険は事実上崩壊してしまう。それでいいのですか、と言えばだれもいいとは言わない。そういう意味で、事実関係を多くの国民の皆さんに、理解し、認識してもらうという運動であって、誰とか、何党とか、という以上に、大きな範囲で考えていかなくてはいけないのではないかと思っている。
Q. TPPの代案としてRCEPについて言及している議員がいるが、生活の党としてどこまで議論が進んでいるか。
A. まだそのことについて議論を深めているという段階にはない。ただ、基本的にアジアでもって自由貿易圏を作っていこうとか、あるいは少なくとも近隣の日本、韓国、中国等で自由貿易協定を作ろうとか、ということは、現実には進めていくことのできるテーマだと思っている。TPPというのは、背景にアメリカの意図があるので、何度も言うように、アメリカときちんと対等に話のできる日本政府であれば、それほど心配することはない。しかしこれまで十数回会談をし、今までに決まったことを、日本にとって都合が悪いからと言って変えることはできない、という旧来の加盟国の人の話がある。また、農業であれ、医療であれ、郵政であれ、知的所有権の問題であれ、日本社会のいわゆる仕組み、ルールを変えようというアメリカ自身の意図が見え隠れしている。これは従来から言っている構造協議の延長線上であるので、アメリカ国内でも、関税だけで言うと自動車業界が反対している等言っているが、アメリカンスタイルの社会にしていこうというのがあるので、このTPPというのはそういう意味で、非常に慎重に考えていかなくてはいけない。だが、いわゆる自由貿易の話し合いについては、私は積極的に進めていっていいと思っている。指摘のアジアの自由貿易圏の話については、党内で今(議論が)深まってきて打ち出す、というところまではきていない。

李克強中国新首相について

Q. 中国では、小沢代表とかつて親交があった李克強氏が新首相に就任したが、緊迫する日中関係、経済大国として中国の果たす役割という部分を見据えた上で、李新首相に期待する点は。
A. 李克強氏はまだ共青団(中国共産主義青年団)の初期の頃からの知り合いであるし、私の田舎の自宅にホームステイしてくれたこともあった。それはそれとして、現在の中国としては、習近平氏の挨拶にもあったように、やはり外に対しては、相当強い姿勢を取らざるを得ないのではないかと(私は)思っている。李克強氏は首相ということだから、経済をはじめとした行政の切り口からの役割だと思う。政治と経済の双方の切り口をうまくやりながら、最終的におかしな結果にならないように、という気持ちは2人とも持っていると思うが、だいたい世の中というのはそううまくいかない。中国は中国の国内事情。中国が強硬になれば日本においても安倍(晋三)氏はじめ、強い意見が出てくる。そうなると、結果として経済にも大きな影響を及ぼすということになりかねない。その点は、このまま両方(日中)とも強い姿勢を取っていると、非常に危ういと思っている。特に経済問題では、一時のユーロの危機を忘れて、また、なんとかなるの中でこのところ経過してきた。キプロスだ、イタリアだ、といって、またユーロの心配を始めているようだが、これをしっかり解決しなければ、世界経済、なかんずく中国経済に大きな影響を及ぼすので、そういった意味も加えて、そう簡単にうまくいくとは思えないというのが私の認識である。

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