1月25日、参議院本会議にて、安倍総理の施政方針演説、国務大臣の演説に対する代表質問が行われ、参議院会派、希望の会(自由・社民)を代表して山本太郎自由党代表が登壇しました。質問全文は以下の通りです。
【質問全文】
自由党・共同代表・山本太郎です。先日、安倍総理が施政方針演説で、「ただ批判に明け暮れても何も生まれない」と仰ったので、今日は批判ではなく、政権の今までのお仕事を、肯定的に振り返り、ほめ殺し気味に、「希望の会・自由・社民」を代表し、総理に質問します。
政治の使命は、この国に生きる人々の生命・財産を守る事と考えます。安倍総理は、誰の為の政治を行なっているのか、お答え下さい。
安倍総理は、きっちりと仕事をしておられます。庶民を犠牲にして、大企業を儲けさせる。そのご活躍ぶりは、歴代の総理大臣を見ても、ダントツのナンバーワン。
庶民から搾り取った税金で、庶民への再分配は最低限に抑え、真っ先に手当をするのは、選挙や権力基盤作りでお世話になった、経団連など大企業や資本家、高額納税者へのご恩返し。トコトン美味しい減税・補助金メニューを提供。派遣法を改悪し、働く人々をコストとして、切り捨て易くする、ルール改正などを取り揃える。お陰で上場企業は、あのバブルの時よりも儲かり、過去最高益。一方で中小零細企業の解散・休業は過去最高。見ているのは、大口の支持者のみ!まさに「大企業ファースト」。これぞ、額に汗を流す政治家の姿です。
子どもの貧困問題を人々の善意、基金で解決しよう、と言うウルトラCは、安倍総理が薄情で指導者の器でない、のではなく、総理は、ただ興味がないだけなんです。いままで国会やメデイアで取り上げられていた、厚労省の「国民生活基礎調査」ではなく、違うデータを持ち出して、総理は、子どもの貧困率が低下したと演説されました。持ち出したのは、総務省の「全国消費実態調査」。この調査は非常に面倒な作業を対象者に求めるもので、お金と時間に余裕がある人しか、なかなか対応することができず、低所得者層の実態をしっかり反映しづらい、という傾向があると言われます。厚労省の「国民生活基礎調査」では、子供の貧困率は16.3%。今年、最新のものが発表される予定ですが、この調査で、アベノミクス効果により、子どもの貧困率がどれ位下がるのか、総理の予想値を聞かせて戴くと共に、今年、子どもの貧困改善の、数値目標をお聞かせ下さい。
ここ数年、奨学金が問題化しています。OECDなど先進国グループの中で、教育に最もカネを出さないドケチ国家の第二位とも言われる日本。個人消費を引き上げる意味でも、少子化問題を改善する意味でも、奨学金という名のサラ金地獄から対象者を救い出す必要があります。新たな奨学金国債を発行して借り換える。
マイナス金利に合わせて、過去の有利子奨学金を全て無利子に転換する、などは、もちろんやりません。何故、国がサラ金のようなシステムで若い人々を苦しめるのか。奨学金の利息収入は、年間390億円程。奨学金の延滞金収入は年間40億円程。これらで金融機関を潤し、取り立てを行なう債権回収会社に対しても、手堅い仕事を提供。若者の未来には投資しない。企業の為だ、若いうちの苦労は買ってでもしろ、安倍総理の親心でもあります。
安倍政権になってから、正規の雇用は36万人減って、非正規は167万人も増えています。ですが、安倍総理は以前、正規の雇用が増えたと仰っていました。確かに、2015年・労働力調査では、正規では、前年比で26万人増えています。まさに、アベノミクス効果。この正社員26万人のうち、25万人は、介護福祉職。介護福祉職のうち福祉施設介護員は全産業平均より月々11万円給料が低いのです。
そこで安倍総理は改革を進めます。月額たった1万円程、上げて下さるそうです。
現在、労災認定で1番多いのが、心の病。その中で、労災申請・過労自殺のトップが介護福祉職。現場の悲鳴は聞こえないフリ、細かい中身は見ないで戴きたい。表側の数字だけで評価するのです。これこそがアベノミクスの神髄であります。
安倍晋三閣下は、行政府の長であるばかりか、立法府の長でもあるとご本人が宣言されました。司法の長になられるのも時間の問題です。その為にも、現行憲法など守っていられませんし、守りません。不都合な真実・事実を声高に叫ぶ人間は、邪魔です。オリンピックに向けて、火事場泥棒的に治安立法を成立させます。安倍総理、オリンピックを成功させるためには、共謀罪が必要との趣旨の発言ありました。共謀罪を「テロ等準備罪」と名前を変えるようですが、「テロ等準備罪」の「等」・この「等」とは、どう言う意味ですか?テロ以外にも適用される、余地を残す理由を教えてください。
世界一安全な東京とアピールし、たった数週間の体育祭を開催するのに、国民を監視し、密告制度で相互
監視までさせ、「相談しただけでアウト」、と言う、権力が思想・信条の領域にまで足を踏み入れるとんでもない法律が、必要な理由は何でしょうか。
東電原発事故による放射能汚染水問題について、総理にお聞きします。ブエノスアイレスでの御発言、「汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内でブロックされている」に間違いはございませんでしょうか?
海では、潮の満ち引き・潮の流れなどがあり、港湾内の水がブロックされる事自体がありえません。八日間で99%、港湾内と港湾外の水が入れ替わる。大量の海水でゆっくりと希釈された結果、港湾外に出た汚染水の数値は低くみえるものの、垂れ流される汚染の総量に、変わりはありません。
去年はじめ、静岡県沼津市の漁港で水揚げされたアオザメから、基準値の7倍超えのセシウムが検出。汚染水の影響は明らかに海洋生物にも見られますが、細かい事は気にしないで戴きたい。総理がブロックされていると言うのですから。みんなで信じようではありませんか!
最終的に、東電原発事故の収束費用は、トータルでいくら掛かると考えているか。将来、もう一カ所で原発の過酷事故が起きた場合。国の経済破綻は免れないと考えるが、いかがか。日本は火山国であり地震大国です。それでも、原発再稼働を進めて大丈夫だと言い切れますか?お答え下さい。
福島東電原発の収束はその方法もなく、現在では、ほぼ不可能。費用も今後、ケタ違いの額になる事は容易に想像出来ます。事故原発の原因も究明しない。安全基準はデタラメ。避難基準もテキトー。原発がなくても電力は余っていますが、原発は再稼動します。海外に売りつける為に、再稼動します。プルトニウムを持ち続ける為に、再稼動します。
三菱、東芝、日立、鹿島建設、大林、大成、竹中、清水、IHI、富士電機、三井住友銀行、UFJ、などなど。原発に関係する企業の皆さん、安心して下さい。安倍政権は脱原発など、絶対にやりません。安倍政権は税金と電気料金を湯水の様に使える発電方法は諦めません。
首都圏直下地震・30年以内にマグニチュード7で発生する確率・約70%。東南海地震・南海地震・30年以内・マグニチュード8から9で発生する確率・約60~70%。日本列島、北から南まで50の活火山が24時間体制で監視されていますが、火山噴火予知連絡会も「全ての噴火が前
もって分かるわけではない」「我々の予知レベルはそんなもの」だとコメント。火山予測のプロでもほぼ予測不可能だそうです。自動車事故や医療事故は、過失でも当然、処罰されます。しかし原発事故では、いまだ過失で処罰された者はひとりもいません。すべては想定外と言う魔法の言葉で逃げるつもり。次の事故が起きたとしても安倍総理ならもっと上手に誤魔化せるでしょう。
皆さん、安倍総理を信じてこのバスに乗り込みましょう!次の停車駅は、地獄の1丁目1番地です。
今回無理をして、批判はさけましたが、もう限界です。
総理、あなたが総理を続ければこの国の未来は持ちません。いつ、総理の座から降りてくださるのですか?
お答え下さい。
自由党ブロマガ
参議院代表質問 登壇、山本太郎代表
2017/01/27 16:02 投稿
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