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【同人音楽】なんでこんなに下手なんだよー。とか思ってたはずなのに再生回数1800回とは一体……。さくらソルフェヰジュ、『明後日まで透き通る一年』レビュ

2014/02/18 00:00 投稿

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ボーカル作詞云々のしゅりと、作編曲のるなの二人によるユニット、さくらソルフェヰジュ。La’vierge boudoirとしても活躍中だそうです。

その最新アルバムがこちら『明後日まで透き通る一年』です。




エピソード形式でEP0からEDまでの全8トラック。なにやら思わせぶりなタイトルには深い話しが隠されているようで、設定資料集も頒布されているそうです(現在手に入るかは未詳です)

。前回のM3でふらりと立ち寄ってジャケ買いしただけなので他のCDはまだ聞いていませぬ。

だから、他の作品もそうなのかどうなのかはわかりませんが、楽曲はシンプルな四つ打ちのポップスをベースに、切なめなバラードも織り交ぜて物語性の高い作りになっています。

とはゆうものの、とにかくボーカルが下手! いわゆる音痴(SMAPの中居くん式)ではないし、微妙にメロディラインに歌声がフィックスしていない。カラオケで歌い慣れていない曲を歌っているような「うまくなさ」をヒシヒシと感じるのですが、しゅりの甘い声質はそれを吹き飛ばすほどに魅力的で聴きやすく、なんとも言えない「甘い感じ」がします。。

でも、「このヘタクソがッ! とんでもないCD掴まされやがった!」とか思っていたはずなのに、不思議と再生回数が800回を超えているんですがそれは……状態です。


というのがおそらくは本作の仕掛けなわけで、「このヘタクソがっ」と思っていたらもう完全に術中にはまってますたぶん。

このCDを聞いて思い出すのは―ボーカルとしてのタイプはかなり異なるでしょうが―、IOSYSのMikoさんだったりします。かつては「下手」と呼ばれていて、それからめちゃくちゃ上手くなりましたが(ごっすんと、アルバトロシクスの曲を聴き比べてみれば瞭然です)、かつての下手だったころのほうが魅力的に聞こえる人も少ない無いでしょう。


現在の音楽編集技術では、声質や発話タイミングを変更することもできます(手間が凄くて死ぬかもしれません)。つまり「本来下手な方が上手にうたっているてい」にすることもその逆も簡単にできるわけです。数万枚を狙うCDではそのレベルまでMIXを行うこともザラですが「上手にうたう曲」が、いい、魅力的だ、とは限りません。むしろ「下手な歌」がもつ不思議な魅力のほうに強く引きつけられることもあるのではないかと思います。

しかし、普通に楽曲を作るスタッフが膨大化しているメジャーシーンでは「下手」を全面に出して曲を作るというのは「上策」とはみなされない傾向にあります。アーティストがそれでやりたいといってもゲートキーパーが許さんでしょう。

こうした「下手うま」の魅力はは2000年台のディスコグラフィーの中で「奇妙な一角」をしめる音楽的なムーブメントだったのではないか云々はともかく、とにかく下手くそなのに、畜生聞いちまうじゃねえか! なわけす。

また別の言い方をすれば、そうした「上手い下手」の下手の魅力を全開にだすという同人音楽というニッチで成長しやすい音楽性だったようにも思います。


『明後日まで透き通る一年』はそれをかなり意識的に行った点が、実に面白い。ここまで読んでくれた方なら「下手」という評価そのものは『明後日まで~』の本質ではなくて、「うまくなさ」がもつ、たどたどしい、美しく魅力的な強さをどのように引き出すか、ということがこのCDの本質だということがわかってくれると思います。しゅりさんの他の曲も聞いてもしこのCDに「なにか引っかかる」ものを感じたら、あなたはかなり―じゃなくてものすごく! 同人音楽が好きに慣れるかも知れません!

*なお、しゅりさんが「本当にめちゃくちゃうまいのだけれど、あえてこのように歌っている」のかどうかは、他のCDを買っていないために僕にはわかりませんが、彼女の魅力はうまさではなくて、やはりその声質ではないかと思います。


とはいうものの、そうしたコンセプトをフォローする編曲やマスタリングまでの音楽的な処理はハイレベルです。シンプルだけど記憶に残るメロディは秀逸。なんといってもギターがいい。曲それぞれに違う3名のギタリストが参加していますが、それぞれの持ち味があって、なるほど、裏の主役、と思います。

とにかく中でもトラック2の「ミスティーローズが二人の間を駆け抜けて」はかなりの神曲といってもよいでしょう。耳にはこびりついてしまう出だしや爽快感あふれるサウンドにキュンキュンすること間違いなし! 

デモでもよいので一度聞いてくれ!

どこで買えるのかはわかりません……M3やコミティアに定期的に出ているそうですので、要チェキ!


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