エレキギター練習しよう@ブロマガ by LeadMan

オクターブ調整について

2014/10/09 20:50 投稿

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  • エレキギター
  • 調整

配信で出た話題ではないけれど、備忘録的にまとめた記事を投下。
新品プレイテックを修正する上での作業から派生して
まとめてみようと思った話題です。
非常に当たり前の話なので目新しさはないかも。


オクターブ調整について

オクターブ調整について、軽く触れてみます。
ギターはアバウトにできている楽器で、日常的に色々と調整する必要があります。
ギターという楽器は、フレットが打ち込まれていて
そのために音を確保することが比較的容易な弦楽器という特徴があります。
ただ、そのフレットに依存した音も調整しないと正確になりません。
エレキギターの場合は、ブリッジサドルが可動式になっていることがほとんどで
そのフレットに弦を押さえつけた時の音の高さを
ブリッジサドルの位置で微調整することができるようになっています。
このブリッジサドル位置の調整を、オクターブ調整といいます。
(他に、ピッチ調整、イントネーション調整などということもあります。)
以下、具体的に触れていきます。


オクターブ調整のやり方

オクターブ調整のやり方ですが、一般にはハーモニクスを使った方法が知られています。
12fのハーモニクス音と、12fを押さえた音を比べ
両方の音が合うようにサドルの位置を動かします。
12fのハーモニクスは開放弦の1オクターブ上に当たり、
12fを押さえた音と一致するはずですので、
弦を押さえた音とのズレを耳で聞いて判定できます。
面倒な場合はチューニングを合わせた後、
チューナーで12fを押さえた音を直接計ってもよいでしょう
(この場合、ハーモニクスを鳴らす必要はありません)
クロマチックチューナーがある場合は、
12fにこだわらずに各ポジションで音の高さを測定できるので、
12f以外のポジションを基準にすることもできます。
いずれにしても、全弦のチューニングを合わせた上で
基準位置の押さえた音を測定し、ズレを見極めます

オクターブ調整での音のズレの解消は、ブリッジサドルの位置の調整で行います。
弦を押さえた音が高い場合、ブリッジサドルを後ろ(エンドピン側)に動かします。
弦を押さえた音が低い場合、ブリッジサドルを前(ネック側)に動かします。
ブリッジサドルを動かす時はいったん弦を緩め、
サドルを動かした後に再度チューニングをしなおして再計測するのが良いでしょう。
弦を緩めずに作業すると、思わぬところで故障を招く恐れがあります。
調整の際に弦を緩めたりチューニングしたりを繰り返すため、
作業は工数が多くなり、少し面倒なところがあります。
特にチューン-O-マチックでは主にブリッジサドルを動かすネジが
弦の下に潜る構造になっていること、
大抵のフロイドローズではブリッジサドルを固定する機構で、
その固定するビスが弦の下に入り込む構造になっていることで、
それぞれ作業が少々厄介です。
必要な時を見極めて、効率よく調整するようにするのが良いでしょう。

オクターブ調整の時、どちらにサドルを動かせばいいのか
いざという時に結構迷うこともあるかと思います。
その時は、同じ太さの弦を同じ力で張った場合
弦の振幅長が長い方が音が低くなることを考えると良いでしょう。
ブリッジサドルをネック側に動かせば振幅長は短くなり音は高い方に、
エンドピン側に動かせば振幅長は長くなり音は低い方に動きます。


オクターブ調整が必要になる時

オクターブ調整が必要になるのは、一般的に
弦高を変えた時弦のゲージ・材質を変えた時です。

弦高を変えた場合

弦高(アクション)を変えた場合にオクターブ調整が必要になるのは、
弦をフレットに押さえつけるまでにかかる指先からの力と弦の移動が関係します。
開放弦の状態では、弦は指板に対して一定の距離を保っています。
ここで弦を押さえに行くと、指先が弦をフレット側に押し込みます
このときに加わる力は弦の張力に影響します。
音の高さは弦の張りの強さによって左右されるため、
指が弦をフレットに押し付ける力も音の高さに影響します。
この影響から、弦高を変えた場合には、オクターブ調整が必要になります。

なお、ネック反りの状況の変化が弦高に影響する可能性を含むことから、
ネックの反りの調整を行った場合にも、オクターブ調整を見直しておくとよいでしょう。
逆説的に、オクターブ調整を行う場合は事前にネック反りの状況を見て、
不備がある場合にはネック反りを補正してから、
オクターブ調整にかかる
ようにするのが妥当です。

弦のゲージ・材質を変えた場合

弦のゲージや材質を変えた場合、前に挙げた弦高の存在により
フレットに弦を押さえつけるとその押し込む力でピッチが変わる現象において
ピッチの変化の量が変わる可能性があります。
また弦の振幅長は、机上の計算上では支点と支点の間の距離で考慮しますが、
実際の弦の運動を考慮すると、弦の物理的な特性から支点付近においては
理想状態とは違って振動できない部分があります。
弦のゲージや材質を変えた場合、その振動できない支点付近の範囲も
変化する可能性があります

これらの影響によるピッチの変化も、オクターブ調整で対処することになります。

弦の材質の組成などはブランドや製品などによっても若干の変化があり、
弦の運動の特性も違ってくる可能性があります。
同じゲージの弦でも、メーカーや製品を変えた場合は、
オクターブ調整を見直しておくのが良いでしょう


オクターブ調整の限界

オクターブ調整では、調整の際に基準とした位置でのピッチの確保を行いますが、
その基準位置でピッチが確保できたから、すべてのフレットでのピッチが
ジャストに調整されているとは必ずしもいえません

ギターは冒頭にも書いたようにアバウトに作られている楽器で、
常に完全な音程を得られるように厳密にデザインされた楽器ではないことも
織り込んで考えるのが妥当です。
そのためオクターブ調整は、弦を押さえた音の誤差を抑えるための調整といえます。
場合によっては、ここでも紹介した12フレットでの一般的なピッチ調整ではなく
よく使うポジション付近でのピッチの安定を狙って、
その付近を基準にとってのオクターブ調整を施すなども一つの対策でしょう。

また、ナットの溝切りの精度によっては、
ブリッジサドルの調整でオクターブピッチを補正しても、
ローポジションでのピッチが確保できないケースがあります。
特にローポジションでのピッチの狂いが気になる場合は、
ナットの調整も考慮に入れて対策を検討するのがよいでしょう。


注意点

オクターブ調整に当たり、弦を押さえた音のピッチを計る時には、
普段演奏する時と同じ状態でピッチを計るのが妥当です。
弦を押し込む力加減によっても、簡単にピッチは変化します
ギターを寝かせた状態で上から12fを押さえたり、
指先の力を加えるベクトルがいつもと違うだけでも、
演奏時とは違うピッチになる可能性があり、
調整の基準を正確に取れない可能性があります。
普段のようにギターを構え、普段と同じ加減で弦を押さえて
ピッチを計るのがよいでしょう。
(なお、普段から弦を押さえる時の力加減についても、
よく気をつけておくとよいでしょう。
ギターは、奏者が指先でピッチを作るものでもあります。)

張ってから時間が経っている古い弦では、
錆などの影響で弦の組成や重量、運動に対する特性などが変化・劣化して
オクターブピッチが安定しなくなることがあります。
オクターブピッチが怪しくなり、その時張ってある弦が古い場合は、
ブリッジの調整よりも弦を交換する方が優先的な対処といえるでしょう。
また、新品の弦でも不良があると、その影響でオクターブピッチが狂うことがあります。
同じ製品でゲージも弦高も変えていないのに、オクターブピッチが合わない場合は、
弦を別の新しい弦に換えることで問題が解消することもあります。


オクターブピッチの調整は、その機構が備えられているギターであれば、
より正確なピッチを確保するために積極的にやっておくのがよいでしょう。
良い演奏、良い練習をするためには、正しいピッチを確保できることが
大きなアドバンテージになります。
ただし、ギターのチューニング、ピッチ調整を整えることは大事ですが、
ピッチの狂いは指先の力加減一つでも簡単に起こり得る現象でもあります。
音の正確さを確保する上では、ギターの調整に頼り切らず、
普段からピッチを確保できているか音をよく聞くことも大事でしょう。
以上、参考になれば幸いです。


…ストップテールピースとか、テレキャスターの3連サドルとか
多くのアコースティックギターとかでは
正確なオクターブピッチを調整しにくいギターもあります。
場合によっては、その大味な構造から来る独特なピッチ感覚が
そのギターの味というようなこともあるかもしれません。
そういう面でも、ギターは曖昧で大雑把な楽器でもあります。

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