消費に幸せを感じる時代の終焉を強く感じ始めたのは2008年の年末。リーマン・ショックから三ヶ月が経った師走のことだった。大晦日に日比谷公園で開設された炊き出しに長い行列ができていた。多くは派遣切りに遭った人たちだった。同世代と思しき人も少なくなかったと記憶している。
東京で暮らしていた。毎日のように外食していた。自分も彼らと同じように金がなければ、すなわち仕事がなければ生きていけない生き方をしていることに強い危機感を覚えた。
翌年から仕事を絡めて千葉で農業を始めた。「食べるものを育てていれば食べる為に働かなくても生きていける」ことを知った。食べるものを供給する側に回れば資本主義社会の構造そのものも変えてしまえることに気づいた。
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「夢に縛られるか、夢に齧り付くか」
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