御用邸の前でバスを降りた。太陽は傾き始めていた。和らいだ陽射しを秋の涼風が吹き抜けていく。ヒグラシが啼き始めていた。別荘が連なる砂混じりの小径を抜けて浜辺に出ると黒い富士山の真上に太陽が沈もうとしていた。
「夏の終わり、秋の始まり」
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