母に「片付けなさい」と注意したり命令されるのが嫌いだった。だから「片付けなさい」と言われる前に片付けるようにしてきた。母もぼくが注意されたり命令されたりするのを察して何も言わなくなった。言われなくても自分でやる人間だと信じてくれたのだろう。

  誰もが「片付けなさい」と言われる前に片付けるようになれば「片付けなさい」と命令する人は必要ないのではないか。そんな思いが無政府主義とカテゴライズされるぼくの根底にある。