潮風が心地良い季節だ。 

 朝、目覚めの白湯を手に娘と二人でバルコニーに出る。初夏の海をしらす船が漁港に戻っていく。134号線をロードバイクが走っていく。適温になった白湯をゆっくりと注いでいく。内蔵から身体がじんわりとあたたまってゆく。温度差のせいで潮風がさっきより涼しく感じられる。梅雨直前の湿気を含んでいない渇いた風の心地良さ。それを感じたくてさらに白湯を飲む。