サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」という戯曲がある。ゴドーという人物を登場人物たちがひたすら待ち続ける物語だ。なぜ待っているのか。いつ来るのか。そもそもゴドーというのはいかなる人物なのかなど肝心な部分は一切描かれない。空白になっているのだ。様々な解釈がされるこの物語りを「待つことは空白なのだ」と解く人もいるし、その空白にどんな絵を描くのかが人生なのだと解く人もいる。
「春を待ちながら」
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