四時半頃に目が覚めた。カーテンの隙間から射し込む朝の光のせいだ。窓の外はもう明るい。朝靄の海に漁船が見える。ベランダで今日の食卓に上る鮮魚を想像しながら、ゆっくりと時間をかけて白湯を飲む。体が完全に目覚めた午前五時、海沿いの国道を走り出す。昨日の熱気を夜が冷却した湿気が肌にまとわりつく。六月に入ってみるみる湿度が上がっていた。乾いた風が気持ち良かった五月は振り返ってももう見えない。