台所で揚げ物をしていた妻が「わー」と声を上げた。別の部屋でワープロに向かっていたぼくも手を止めて立ち上がるほどの声だった。すかさず「大丈夫?」と喉まで出掛かったときだ。一瞬早く「だいじょうぶ?」という娘の声が聞こえた。