「2100年のやくそく」
浜辺に続く小径を歩く。僕の左手の中に娘の小さな手の温もりがある。気がつくと意識が現実感の伴わない次元を漂っていた。ごはんを食べさせたり、おむつを換えたりと我を忘れて目の前のことに追われているときはどこかに行っている疑問についてぼんやりと考えていた。この小さな命はどこからやって来たのだろう。何の為にやって来たのだろう。言葉を理解し始めた娘に聞いてみたくなる衝動をぐっと堪える。
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