線だけでなく丸や点を描けるようになったことで再び絵に夢中になっていた娘に「何を描いてるの?」と訊いたときのことだ。返ってきた「ふつうのおばけ」という答えに絶句してしまった。彼女の言葉はそのほとんどが僕らか保育園か、あるいはテレビや絵本から耳で聞いてインプットされたものだ。それを的確に組み合わせて会話をしている。そんな人間の言語習得能力には日々驚かされているのだけれど、今回驚いたのは「普通」なんて言葉を自分たちがいつの間に、どんな風に使っていたのだろうということだった。いや、僕らではないのかもしれないのだけれど、すんなり出て来るということはよく耳にする言葉のひとつだったのだろう。
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