こんにちは。日曜日のむしマガをお送りします。今回のクマムシトリビアは質問が2つです。

★クマムシトリビア その6

 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。

◆ 質問1:

 クマムシは全部で何種類いるんですか?

◇ 回答:

 現在、クマムシ、つまり緩歩動物門に属する種類は、全部で1000種類以上が知られています。クマムシは色んな環境、たとえば海や山や森や池や川などに棲んでいますが、異なる環境ごとに違う種類のクマムシが棲んでいます。

 クマムシは大きく分けてぶよぶよした真クマムシ類と、ヨロイっぽい外殻をまとった異クマムシ類に別れます。海にはほぼ異クマムシ類しか棲んでいませんが、陸には真クマムシ類と異クマムシ類の両方が見られます。

 川や池には異クマムシ類は滅多に見られず、ほぼ真クマムシ類のみが棲んでいます。

 クマムシの種類は年々増えている傾向にあるので、これからも種類が増えていくでしょう。1936年には167種類だったのが、1972年には417種類、1993年には750種類以上に、そして現在は1000種類を超えてきているのです。

 種類が増えていく、といってもクマムシがどんどん進化して新しい種類が増殖している、というわけではありません。ウィルスや細菌のようにそんなに変異がいっぱいできていくわけではないのです。

 どういうことかというと、単に見つかっていないクマムシの種類がたくさんいるのですね。

 人の目に隠れて潜んでいる、クマムシが。クマムシを採集して種類を調べている研究者というのは、世界で数十人しかいないので、この世の中をのクマムシをくまむし、じゃなくて、くまなく探すことには無理があるのです。

 とくに海に棲んでいるクマムシは、ほとんど研究されていないため、どれくらいの種類のクマムシが見つかるか見当もつきません。ちなみに、海に棲んでいるクマムシはトゲがびょーんと伸びていたり、浮き袋のようなものがついている種類がいたりと、かなり外見がカッコ良く、バリエーションも豊かです。