"Hooniganゆかりのneed for speed"番外編 "二人の日常"

秘密

2016/08/20 20:00 投稿

コメント:4

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「よし、行きましょう…!」

ある衝動に駆られて、私はガレージではなく、貸し倉庫へ向かう。そこに私の欲を満たしてくれるものが保管されている。

「よいしょっと…。」

シャッターを開け、明かりをつける。真ん中に一台、カバーのかかった車。

「さあ、スピードに溺れさせてください…!」

スルスルとカバーを外す。1973年型ポルシェ911カレラRSR。とことんスピードを出す為に、できる限りのカスタムとセッティングを施してある。"圧倒的なスピード感を感じたくなった時"、私は密かに組み上げたこの車に乗り、レースをする訳でもなく、誰と走るでもなく、ただひたすらに、高速道路や峠道を走り抜けるのだ。



キーを回してエンジンを掛ける。大音量のエキゾーストノートが、私の周りの空気を震わせる。その音にうっとりしながら、暖機も兼ねて走行前のチェックを行う。エンジンのアイドル、タイヤの残量、足回り、ブレーキパッドの残量、灯火類のチェック。オールオッケー。車に乗り込み、アクセルを少しあおる。それに合わせてすぐに回転数が上がり、すぐにアイドル回転数に戻る。いいレスポンスだ。シートに深く腰掛け、シートベルトをしっかり締める。クラッチを踏む。相当な重さ。左足が強張る。ギアをファーストへ。

「よし、今夜も決めるぜ!」




ベンチュラベイを一周する高速道路に乗る。合流地点に入り、アクセル全開。700馬力オーバーのエンジンが唸りを上げる。タービンの過給音が聞こえる。強烈な加速のGが全身に掛かる。ぐぐぐっとボディの軋む音。古い車体だが、目一杯ワイドボディ化し、スポット増し、ロールケージで補強された剛性たっぷりの車体は、ブレる事なく一直線に加速する。100、150、素早くシフトチェンジ、200、250。スピードメーターの指す数字がどんどん増えていく。300、350。この辺りからスピードの増加が緩やかになる。372、この辺りで安定。アクセルは踏みしめたまま、微妙なコーナーに合わせてステアを切る。かなり重い。そのうち腕が太くなってしまうのでは、と少し心配になったりするが、走っているうちはそんな事も考えられない。ただただ、恐怖と喜びの混じったスピード感に心を委ねるだけ。アドレナリンがたっぷり分泌されている事がわかる。興奮を引き起こし、感覚を麻痺させる…、残るのはスピードへの欲求…。



止まっている様に見える一般車をパスして、最高速度域を保ったまま走り続ける。そのまま、大きな橋に差し掛かる。しばらく登った後、下りになる。最高速チャレンジ。少しずつ速度が上がっていく。ナイトロも使って本当の全開。380、385。ほとんど速度が上がらなくなる。390…。坂道を下り終わり、また緩やかな登りに入る。喜ぶでもなく、落胆する訳でもなく、ただ走り続ける。



海岸線に沿って道が作られたセクションに突入。急なコーナーに進入する。ブレーキを踏み、シフトダウン。速度が一気に落ち込み、ドリフト状態でコーナーをパスする。ナイトロを使い、一気に加速。数秒後にはまた時速300km/hオーバーの世界へ。

峠道への分岐が近づく。速度を落として峠道側に進入。展望台がある山の頂へ向かい、またここに戻って来るコースを頭に浮かべる。道幅が狭くとも、アクセルは緩めない。起伏に注意しながら走り続ける。ヘアピンに差し掛かる。ブレーキ、エンジンブレーキで減速、サイドブレーキで一気に向きを変え、パスしていく。その繰り返し。



また分岐へ戻って来た。加速して最高速へ。後少しでこの道を一周する事を感じながらひた走る。油温は安定している。高速を降りるまでずっと全速で走る事を決意する。大きな滝を横目に渓谷を走り抜ける。



市街地が見えて来た。高速の出口を望む。ブレーキを慎重にかけながら、シフトダウン数回、100km/hあたりまで速度を落とす。楽しみの時間は終わりを告げ、市街をゆっくり、貸し倉庫に向けて走る。

貸し倉庫に到着。しばらく車を落ち着けた後、エンジンを切り、車を降りる。労う気持ちと、喜びを兼ねて、ルーフを軽くパンパンと叩く。車にカバーを掛けて、倉庫の鍵を閉める。一気に疲労感に襲われ、少しふらつく。足、腕はわずかに震え、呼吸が乱れる。シャッターに背を預け、コンクリートの地面に座りながら少し休憩。深く息を吸い、呼吸を整える。わずか十数分の出来事、それに思いを馳せながら、余韻と満足感に浸る。夜の冷たい空気を感じて、生きてる事を実感する。全身の疲れすら愛おしい。



「…帰りますか!」

誰に言うでもなくそう言って、私は満足げに帰途についた。


「ゆかちゃん!昨日すごい車を見たよ!!」
「ん~?どんなのです?」
「えっとね~…。昨日私は高速道路を走ってたんだけど、とんでもない速度で走る車に追い越されたんだ~。本当にすごい速さだったよ~?追い越されたっ!って思った頃にはもう見えなくなってたもん!あっという間の出来事だったから、どんな車かはよく分からなかったけど、ピンクっぽい色で、丸っこい形をしてたかな?ひょっとかすると、ゆかちゃんより速いかもしれないね~!ライバル登場かな?」
「え、ええ!そ、そうですね!…気をつけないと…。ははは~…。」





お借りした素材
くま式結月ゆかりver.2.2 くま様
結月ゆかり 穏モデル くま様

弦巻マキ もものは様


あとがき
 時々意味もなく、ただ単に車をかっ飛ばしたくなる…、そんな事ありませんか?そんなときのお話を書いてみました。実際に走って撮影しましたよっ!無傷で一周はできなかったよ…。
 そして、今回使用した穏ポルシェは痛車としてNFS2015上で公開しています!






なんと!PC版でも公開してますよ!



良かったら使ってみてください!
そして、雑コラすまんのう…。画像編集は苦手でな…。






コメント

ku (著者)
No.3 (2016/08/22 20:05)
>>1
さあ、どうかな?
モカロン
No.4 (2016/09/07 20:57)
全部読んで全部動画見ました!YouTubeのep15の方でコメントさせてもらったモカロンです。
その場その場を五感をフル活用した表現に一気に世界観に引き込まれてスクロールする手が止まらずにあっという間に制覇してしまいました。
ゆうりのショートストーリーも気になりますが、それも含め、次の記事を楽しみにしてますね!更新待ってます!
ku (著者)
No.5 (2016/09/07 21:10)
>>4
ありがとです!
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