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ディズニースタッフが集結といっても、ディズニーの映画ではありません。io9によると、『ハラバルー』はディズニーで20年以上働いた経験のあるアニメーターがINDIEGOGOで資金を募っている短編アニメなんだそうです。
スチームパンクと手書きアニメが大好きなジェームズ・ロペスさん(『ポカホンタス』、『ライオンキング』、『ペーパーマン』に参加)は、長編並みにハイクオリティの2Dベースのショートアニメーションを作りたいと考えており、INDIEGOGOで支援を募っています。
ディズニーを始めとする大手アニメーションスタジオで働いた経験を持つプロのアニメーターが、誰かの作品の為に技術を提供するのではなく、「今や死にかけのアート」と言われている2Dで自分の色を全面的に押し出した作品を作りたいと一念発起したようです。
そんなロペスさんのアイディアに賛同したのは、ロペスさんと肩を並べるベテランの人たちです。この参加者たちはとても豪華なので、紹介したいと思います。
ブルース・スミスさん
30年以上の経験を持つアニメーターのブルース・スミスさん。代表作は『ロジャーラビット』、『ターザン』、『プリンセスと魔法のキス』。また、ディズニーのテレビシリーズである『The Proud Family』のクリエーターでもあります。
リック・ファーミローさん
ディズニーのベテランアニメーター、リック・ファーミローさん。代表作は『リトル・マーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』といったディズニーが誇る2Dアニメーション。
ミンキュ・リーさん
『Adam and Dog』という作品でアカデミー賞にノミネートされたこともあるマルチタレント・アーティストのミンキュ・リーさん。『プリンセスと魔法のキス』、近年公開されて大ヒットした『アナと雪の女王』にも参加しています。
サンドロ・クルーゾさん
サンドロ・クルーゾさんは、ディズニーの2Dアニメーション×実写で大ヒットした『魔法にかけられて』や『ラマになった王様』、『プリンセスと魔法のキス』に参加。ドリームワークスの『カンフーパンダ2』のDVD/Blu-ray特典映像として制作された『Kung Fu Panda: Secrets of the Masters』にも関わっています。
サラ・エアリスさん
サラ・エアリスさんは、元ディズニー所属のアニメーターで『プリンセスと魔法のキス』、『シュガー・ラッシュ』に参加しました。近年制作された『ペーパーマン』ではメインのキャラクターを動かしました。
アレックス・サマーフィールド・ゴリアップさん
アレックス・サマーフィールド・ゴリアップさんは、ファイナル・ライン・アーティスト。『プリンス・オブ・エジプト』、『Spirit -Stallion of the Cimarron』、『リロ&スティッチ2』、『ライオンキング1 1/2』、『シンデレラ3』といったディズニー作品に名前を連ねるだけでなく、ドリームワークスの『シンドバッド 7つの海の伝説』にも参加しています。
ジョフェリー・ブラックさん
アリゾナ州立大学卒業後、CGモデラーとしてソニーやニケロディオン、ピクサーといった大手VFXスタジオの映画を元にしたゲームの制作に関わり、現在はロサンゼルスフィルムスクールにてコースディレクターをしているジョフェリー・ブラックさんもCGモデラーとして参加します。
レオ・オリベートさん
レオ・オリベートさんは、最近、Gnomon School of Visual Effectsを卒業したばかりという『ハラバルー』参加者にしては珍しい新人。本作でプロのモデラーとしてデビューを飾る予定です。
マネル・ジル・イングランドさん
マネル・ジル・イングランドさんはスペイン出身の作曲家。数々の賞でノミネートされており、2010年にはJerry Goldsmith Award で「Best Music in a Full Length Format」を受賞した経験を持ちます。
ユリ・ロウェンサルさん
声優にはユリ・ロウェンサルさんが参加。舞台、映画、声優として数々の役を担当してきました。代表的なキャラクターは『NARUTO』のサスケ、『BEN10』のベン、またゲームでは『プリンス・オブ・ペルシャ』のプリンスが有名。他にも『ブリーチ』、『アサシン・クリード』、『バイオショック・インフィニット』、『フォールアウト・ニューべガス』、『ディアボロ3』、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『コール・オブ・デューティー』シリーズに参加しています。
G.D.ファルクセンさん
G.D.ファルクセンさんは作家、講師、俳優というマルチ・タレント。彼が執筆した作品は『Ouroboros Cycle』シリーズや『Blood In The Skies』。また、ジェームズ・ロペスさんと協同で『ハラバルー』の脚本も執筆しています。
メアリー・ロビネッテ・コーウェルさん
メアリー・ロビネッテ・コーウェルさんは小説家、声優、20年以上の経験を持つプロの操り人形師です。『Glamourist Histories』シリーズの著作者として知られており、幾つかの部門でヒューゴー賞を授賞。声優としてオーディオブックの収録も盛んに行ってきています。
エヴリン・クリーテさん
プロデューサーを務めるのはエヴリン・クリーテさん。『ハラバルー』が初のプロデューサー作品になる彼女は、エディター、アーティスト、ファッションデザイナー、スタイリスト、ブロガー、ソーシャルメディアストラテジスト、そしてニューメディアコーディネーターという様々な肩書きと経歴を持ちます。
また、イベントプロデューサーとして広い範囲でのサブカルチャーと流行に精力的に関わってきており、スチームパンクを世界的に流行らせようとする立役者でもあります。活動の一部に、スチームパンクのソーシャルメディアを運営して、およそ50万人というフォロアーにトレンドを伝えるといったこともしています。そんなクリーテさんは、ニューヨークタイムスやMTVを始めとする幅広いジャンルのニュースメディアや本に露出する有名人です。
ジェイク・アクナさん
コンポジットとポスプロにはジェイク・アクナさんが参加します。彼は『スティーブ・ジョブズ』や『デビルス・カーニバル』、『Come Back to Me』で活躍しました。
こんな人達が参加するというだけで興味が湧く『ハラバルー』ですが、肝心のストーリーはどういったものなんでしょうか。
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【ストーリー】
『ハラバルー』は、エリートフィニッシングスクールを卒業し、消息を経った父親を探す為に家に戻ってきたばかりの若き天才科学者ベロニカ・ダーリンの話です。
ベロニカは手がかりが残っていないかと、父親がスチームパワーの発明品をテストする場所として使っていた廃アミューズメントパーク「ダーリン・アドベンチャー」に向かいます。
そこで、出会ったジュールスという奇妙な女の子。彼女は、ベロニカの父親探しと父親が残した作品の秘密を探る手伝いを申し出ます。そして、ベロニカとジュールスはジョナサン・ダーリンが、権力者で構成された秘密結社に誘拐され、ジョナサンの最新の発明が非道な企みに使われようとしていることを知ったのです。
秘密結社のメンバーは裕福で社会を動かす力を持っています。ベロニカとジュールスでは公に彼らを止めることは出来ません。しかし、父親を救うこと、そしてテクノロジーは悪ではなく善の為に使われなくてはならないという家族の信念を守るために、ベロニカは彼女のもうひとつの顔「ハラバルー」となって、知恵と科学を武器にした戦いで、悪企みを潰して父親を救うことを決めたのでした。
さて、この秘密結社は何がしたいのでしょう? ジョナサン・ダーリンの謎めいた最新テクノロジーを使って行う計画とは? ベロニカとジュールスは無事に計画を阻止することが出来るのでしょうか?
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このプロジェクトに資金を提供すると、他では得られないような超豪華な特典が得られます。1ドル~250ドルまでだと、お礼メールやサイン入りスケッチ、サウンドトラックといったありふれたものです。
ですが、何と言っても凄いのは500ドル出資した人へのオンラインアニメーションクラス! トップアニメーターからスカイプやGoogle Hangoutを使って1時間のレッスンが受けられるのです。こんなチャンスは滅多にありません。
ロペスさんが目標としていた金額は8万ドルでしたが、現時点で22万4300ドルが集まっています。思いのほか資金が集まってきているので、『ハラバルー』だけでなく、続編のショートフィルム『Curse of the Cheshire Cat』の作成が決定した上に、両方の作品にフルオーケストラを起用することが可能になったそうです。今後も、増えるようであれば続編に回すことが出来るようになる予定です。
『ハラバルー』のことをもっと知りたい方はIndieGoGoを覗いてみて下さいね。
[via io9]
(中川真知子)
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