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【事実確認】各種ホラー映画の元となった出来事は本当に起きたのか?

2014/07/27 00:00 投稿

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多くのホラー映画が「実際の出来事に基づいて」や「実際の出来事を元にして」といったキャッチフレーズを使います。しかし、どれくらいの映画が本当に事実や実際の出来事を元にしているのでしょうか? そこで、io9が実話を元にしたと主張している映画の事実確認に乗り出しました。


『死霊館』(2013年)

【事実確認】各種ホラー映画の元となった出来事は本当に起きたのか?


【事実と主張している部分】
『死霊館』は、アメリカで有名な超常現象研究家のエドとロレイン・ウォーレン夫妻が扱った中で「最も邪悪で恐ろしい事件」に基づいて制作されています。

1971年、ロードアイランド州ハリスヴィルにある呪われた一軒家に引っ越して来たペロン一家を襲った数々の怪奇現象。引っ越して間もなく、室内のドアが勝手に開閉する、世にも恐ろしい姿をした悪霊が家族を襲う、取り憑かれた母親が子供達を殺そうとするといった超常現象に見舞われます。これらは全て、その土地のかつてのオーナーが、後に土地を手にする人々を呪ったことが原因だったのです。

家の他にも、呪われたアナベル人形も登場します。アナベル人形は、持ち主がゴミに出しても「Miss Me?」のメッセージと共に家に戻ってきます。そんなアナベル人形は、ウォーレン夫妻の呪われたアイテム保管所に、ショーケースに入れられて安全に保管されていますが、劇中、保管所を抜け出してウォーレン夫妻の愛娘を襲い、助けに入った夫妻に強大な力で椅子を投げつけました。


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【事実確認】
ペロン一家は実在する家族で、『死霊館』の監督であるジェームズ・ワンは、一家にインタビューしました。その際、ペロンさんご家族が、幾度と無く夜中に何者かによって足を引っ張られる経験をしたと明かしたので、それを映画の中に取り入れたのです。実際のペロン一家がカメラの前でインタビューに応じている映像もあり、それが映画のトレイラーにも使用されています。また、Providence Journalのインタビューでは、母親が何物かに憑依されたことが裏付けられたと思しき内容も語られています。

次にアナベル人形についてです。実際に、アナベル人形と呼ばれる人形をウォーレン夫妻が管理しています。しかし、実際の人形は、トップ画像にも或る通り、映画に登場するものとは似つかない程愛らしい姿形をしています。しかし、映画同様に、誰も動かしていないにも関わらず、置いてあった場所から移動しているといった現象が確認されています。

【結論】
ペロン一家が、お金の為にこのようなストーリーをでっち上げた可能性も否定出来ません。しかし、ペロン一家は実在し、アナベル人形も実際に存在することは確かです。


『プロフェシー』(2002年)

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【事実と主張している部分】
映画の冒頭で、このストーリーは実際にあった出来事を元に構成されているという説明が入ります。

リチャード・ギア演じる敏腕ジャーナリストのジョン・クラインと妻のメアリーは、メアリーの運転する車で事故にあってしまいます。妻は何かを目撃し、驚きのあまりにハンドル操作を誤ってしまったのでした。

メアリーの死から2年後、ジョンはウェスト・バージニア州のポイントプレザントで繰り返し目撃されているというモスマンの調査に向かいます。そこで、メアリーもモスマンを目撃し、それが事故の原因だったという事実にいきついたのでした。


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【事実確認】
ウェストバージニア州のポイントプレザントという場所は存在します。それだけでなく、モスマンの銅像も立っている上に、60年代には、数多くのモスマン目撃情報が寄せられているのです。中でも、1966から1967年にかけて、モスマンの目撃情報が高まっており、作家であり未確認飛行物体/超常現象の研究家のジョン・キールもモスマン目当てにポイントプレザントに足を運び、その時の調査報告を『モスマンの黙示』にまとめました。

映画にも描かれているように、キールは何者かから電話を受けたと主張しています。また、彼がインタビューしたモスマンの目撃者達が、オハイオ・リバーの悲劇的な事故で命を落としたというのも事実です。他にも、この事故が警告されたものだったとも伝えられています。

【結論】
モスマンは、ビッグフット同様に伝説の存在です。しかし、モスマンが存在しないという決定的な証明はできていません。加え、『プロフェシー』に登場する多くの出来事が実際に起こったとされるものから来ていることからも、この映画が「嘘」だとは断言できないのです。


『悪魔の棲む家』(1979年)

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【事実と主張している部分】
本作(1977年に出版されたジェイ・アンソン著『アミティビル・ホラー』を元として制作された)は、ジョージ・ラッツとキャシー・ラッツ夫婦が実際に経験した出来事に基づいています。

映画の前半で、カソリックの神父が家のお祓いを試みるも、邪悪な力には及ばず体調を著しく崩してしまいます。お祓いが失敗に終わったことで、ラッツ家の人々は、暗闇で赤く光る目を目撃したり、秘密の部屋を見つけたり、壁から液体が染み出たり、家の中で家族が殺されるといった悪夢を見るようになったりと、不可解な出来事に次々と見舞われるようになります。そして、ラッツ家の人々は、その家がかつての惨殺事件現場であり、呪われていることを突き止めるのです。

【事実確認】
ラッツ一家がこのアミティビルの家に引っ越して来た一年前に、惨殺事件が起こったのは事実です。デフェオ家の長男であるロナルド・デフェオ・ジュニアが、銃で両親と兄妹4人を射殺したのです。そして、光る目や悪夢、壁から滲み出る液体、秘密の部屋といった映画の中で描かれている現象は、ジェイ・アンソンの本でも説明されています。また、神父が家をお祓いした際に「出て行け」といった声を聞いたとも書かれています。

しかし、この『アミティビル・ホラー』の内容は大部分がフィクションと考えて間違いないでしょう。というのも、惨殺事件の裁判でロナルド・デフェオ・ジュニアの弁護をしたウィリアム・ウィーバーが、1979年に発行されたピープルマガジンのインタビューで、このストーリーは彼とラッツ夫妻が「ワインを暴飲しながら作り上げた」と明かしたのです。

【結論】
映画に登場する出来事は、ラッツ夫婦がジェイ・アンソンに語ったものから来ているものが大半です。しかし、そのストーリーはウィーバー弁護士とラッツ夫婦が大金目的にデフェオ一家の悲劇的な事件を利用してでっち上げたものだったのです。


『エクトプラズム 怨霊の棲む家』(2009年)

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【事実と主張している部分】
映画配給会社の主張によると、本作は、コネチカット州サジントンの家でスネデカー一家が経験した身も凍る体験を元に作られているのだそうです。

病に冒された長男マットの治療の為に、コネチカット州の診療所にほど近い場所に建つ一軒家に引っ越して来た家族。しかし、その家は、かつて葬儀準備所だったのです。不気味に思う家族でしたが、マットの治療のこともあり、その家の気味の悪い過去を無視して暮らすことを決意します。

ところが、その家で暮らし始めるや否や、マットは不気味な体験やフラッシュバックに苦しみはじめ、家族もマットや家の異変に気付きます。そして、マットは、その家で降霊術の会が行われていたことや、媒介役である少年のジョナが命を落としたこと、死体愛好の儀式が行われていたことを突き止めます。それだけでなく、この家の壁には、死体愛好家の手によっておびただしい数の死体が埋められており、家の中は、果てしない怒りや悲しみを抱えた霊で溢れていたのです。ジョナの霊に取り憑かれたマットは、埋められていた死体を焼き払うことで霊を開放します。そして、家が焼け落ちるとともに、マットの体を蝕んでいた病も消え失せたのでした。


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コネチカットの屋敷 via National Paranormal Association


【事実確認】
このケースを扱った著名な超常現象研究家であり透視能力者のロレイン・ウォーレンも、この映画の大まかな内容は、実際にあった事件が元になっていると証言しています。その上で、映画版にアレンジされたストーリーが事実として認識されてしまうことに対して不安を覚えているとメディアに語りました。

この家は実際に呪われていましたが、1992年にこの事件をまとめて『In a Dark Place: The Story of a True Haunting』という本にしたレイ・ガートンによると、全てはでっち上げだったそうです。Damned Connecticutのインタビューでは、ガートンは、ロレインの夫であるエド・ウォーレンが「私たちに相談に来る人は皆一様に頭がイカレている。だから、私たちの所に来る。使えるものは使って、でっち上げれば良いさ。怖い本を書いているんだろう? 脚色して怖くすれば良いじゃないか。その為に雇ったんだから」と話したことを明かしています。

他にも、スネデイカー一家の話に一貫性が無かったことや、マット役の元となった少年と殆ど会話することが出来なかったこと、数少ないながらも、少年に当時のことを尋ねる機会に恵まれ、話を聞いたところ少年が投薬を終えた頃には、家での不可解な現象や物体は無くなったと語ったと話しています。

【結論】
スネデカー一家が、コネチカット州の旧葬儀準備所に住んでいたのは事実です。しかし、それ以外は真実とはほど遠い内容です。本作は、スネデカー家と、超常現象研究家のウォーレン夫婦によって語られた内容をレイ・ガートンが本にしたものが大まかな元となっています。


『エミリー・ローズ』 (2005年)

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【事実と主張している部分】
本作は実際の裁判の例を元に制作されています。

平穏な暮らしを送っていたエミリー・ローズを突如として襲った奇妙な現象。「てんかん」と診断されたローズですが、医学的処置は効果を発揮せず、また、徐々に幻覚や幻聴にも悩まさえるようになりました。

そして、いっこうに収まらないそれらの現象は「てんかん」ではなく、悪魔憑きだと診断されたのです。そして驚くべきことに、6体の悪魔に取り憑かれていることが明らかになったのでした。彼女は悪魔払いを施してもらいますが、栄養失調や脱水症状で命を落としてしまいました。彼女の死後、悪魔払いを行った神父は、ローズの直接的な死の責任を疑われて裁判にかけられます。そして、過失致死で執行猶予付きの懲役6ヶ月を言い渡されたのです。


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【事実確認】
『エミリー・ローズ』のモデルとなった人物は、ドイツ人のアンネリーゼ・ミシェルという若い女性です。彼女の身に振りかかった悲劇は、映画のストーリーよりも悲惨と言えるでしょう。

ドイツ、バイエルン州出身のミシェルは、信仰深い16歳の少女でした。彼女はひどい痙攣に悩ませており、てんかんと診断されました。精神病院にかかり発作の治療に乗り出しましたが、効果の程は見られず、幻覚症状まで始まりました。治療の甲斐が見られなかったため、ミシェルはその症状が悪魔憑きからきているのではないかと考えるようになり、彼女と彼女の両親は悪魔払いを依頼したのです。話を聞いた神父は、最初の内は、ミシェルの症状はてんかんであり悪魔憑きではないと、エクソシストを拒否していました。

しかし、1975年になると、主教がアーノルド・レンツ神父にエクソシストの許可を出し、ミシェルは10ヶ月の間に合計で67回ものエクソシストを施されることとなったのです。しかし、残念なことに、若きミシェルは脱水症状と飢餓で命を落とす結果となりました。

ミシェルの死後、エクソシストを行ったアーノルト・レンツとエルンスト・アルト司祭は、ミシェルの死が過失によるものだと起訴されました。そして映画同様、この神父ふたりは、ミシェルがユダ、ネロ、アドルフ・ヒトラーを含む6体の悪魔に取り憑かれていたと主張したのです。結局、神父は過失致死で6ヶ月の懲役、3ヶ月の執行猶予が言い渡されました。

後日、バチカンはミシェルが精神病に冒されており、悪魔に取り憑かれていたのではないと宣言。しかし、彼女の墓には今も尚悪魔に取り憑かれたまま命を捧げたと信じて疑わない人達が足を運び続けているのです。

【結論】
本作は、アルトとレンズが裁判で主張した内容を含め、ミシェルのケースから多くのアイディアを得ています。しかし、実際のミシェルは、おそらく神経性の病に冒されていたにも関わらず、悪魔払いという誤った解決法を施された上で亡くなったという悲劇に見舞われた女性なのです。


『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(2008年)

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【事実と主張している部分】
人里離れたキャビンに滞在するカップルを、マスクで顔を隠した不気味で残虐な訪問者が執拗に襲い続けます。『ストレンジャーズ』の冒頭には「実話に基づく」の一節が。

【事実確認】
監督/脚本を手がけたブライアン・ベルティノの「実話」の部分に関してして、プロダクションノートで次のように触れられていました。

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この話は、ベルティノの幼少期の経験からきています。幼かったベルティノは、辺鄙な場所に建った一軒家に住んでいました。ある晩、彼の両親が家をあけていた時に、誰かがドアをノックしたのです。訪問者は、応対したベルティノの妹に、その家には住んでいないはずの人物について質問してきたそうです。ベルティノは後日、その人物がエリア一帯の家をノックしていたこと、不在の家に空き巣に入っていたことを知りました。これが『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』の核となっています。彼は、不在であろうと無かろうと、押し入ってきて在宅中の人を甚振る人物を描いたのです。
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【結論】
これを「実話」としてしまうなら、何でもありになってしまいます。なので、こう断言してしまっても良いのではないでしょうか。「事実を元にして作られているのではない」。


『THE 4TH KIND フォース・カインド』(2009年)


【事実と主張している部分】
映画の冒頭に、主演のミラ・ジョボヴィッチが本人として登場し、視聴者に向かって「これから見る映画は実際に起こったエイリアンの誘拐を再現したものだ」という旨のメッセージを伝えます。

アラスカ州ノーム。心理学者のアビゲイル・タイラー博士は、何者かに夫を殺害されており、その真相解明に努める傍ら、不眠症の患者を診察していました。不眠症で悩む複数の患者には共通点があり、調査を進めていく内に、どうやら宇宙人に誘拐・拉致されているらしいという仮説に行き着いたのです。

そして、真実に近づくにつれ、宇宙人に誘拐・拉致されたことを思い出した不眠症患者達が自ら命を絶ったり、不可解な現象で全身麻痺になってしまいます。遂には、タイラー博士の娘までもが宇宙人に誘拐され姿を消してしまいます。錯乱するタイラー博士に追い打ちをかけるように、夫の死は拳銃自殺であり殺害されたというのは、現実を受け入れられなかった彼女の妄想だったことが判明します。そして、博士の心は荒み、正常な意識は戻らないまま物語は終わります。

この映画は、時折画面を2分割にして、片方にジョボヴィッチ演じるアラスカ州ノーム出身の精神科医のアビゲイル・タイラー医師の姿を、もう片方には実在のアビゲイル・テイラー医師がエイリアンに誘拐されたと思しき人物をインタビューした時に撮影した映像を映し出すことで、より現実味を持たせています。

【事実確認】
映像に登場する「本物」とされるタイラー医師は、IMDBにも書かれている通り、シャーロット・ミルチャードという俳優によって演じられています。スタジオは、タイラー医師の仕事を紹介するウェブサイトまで制作して本物であるかのように演出しようとしましたが、偽物であることが暴かれてしまいました。

それだけでなく、この映画に登場するものはでっち上げであると、現場にいたクルーメンバーが証言しています。 唯一、事実だったと言えるのは、2005年にアラスカの小さな町で連続失踪事件があったことでしょう。Anchorage Daily Newsによると、FBIが捜査に乗り出し、20にも上るケースを調査した結果、「アルコールの摂取と凍てつく寒さが原因」だということが明かされたのでした。

【結論】
本物かという検証をすること自体バカらしくなる程偽物


『オープン・ウォーター』(2003年)

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【事実と主張している部分】
2003年公開の『オープン・ウォーター』は、スキューバダイビングの途中でグループから取り残されてしまったカップルが遭遇した身の毛のよだつ海の恐怖を描いています。バハマ沖で、脱水とサメの攻撃に苦しむふたり。最終的に、夫はサメの攻撃により死亡、妻は溺れて命を落とします。全編に渡り「実話に基づいて」とアピールされています。

【事実確認】
1998年、アメリカ人観光客のトム・ローガナンとアイリーン・ローガナンがオーストラリアのグレート・バリア・リーフで、ダイビング中にスキューバダイビングのグループとはぐれてしまいました。本作は、この事件を元にして作られているのは明白です。

【結論】
実話に基づいた話。実際に被害にあった人達の恐怖は計り知れません


『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)

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【事実と主張している部分】
1994年10月、映画学部の学生3人がメリーランド州のバーキッツビルの森で映画の撮影中、行方不明に。その1年後、彼らが撮影したと思われるフィルムが発見され、古くから伝わるブレア・ウィッチにまつわるドキュメンタリーを撮影する姿や、ブレア・ウィッチと思われるものから攻撃され、最終的には殺される様子が映し出されたのでした。

この映画の公開にあたり、スタジオは「実際に見つかったフィルムを編集した」と宣伝。3人の行方を問うポスターも公開しました。

【事実確認】
本作は、ファウンド・フッテージのパイオニアです。 完全なる作りもの。ご承知の通り登場人物は俳優です。

【結論】
真っ赤な嘘


『悪魔のいけにえ』(1974年)

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【事実と主張している部分】
アメリカのテキサス州、帰郷した男女5人が立ち寄った家には、カニバリズム一家が住んでいました。ひとり、またひとりと餌食になり、遂にはチェーンソーを振り回す人皮のマスクを被った大男が登場し、女性を甚振るように追いかけ回します。

トビー・フーパー監督は、この『悪魔のいけにえ』が実際に起こった事件が元になっていると宣伝しました。具体的にどの事件が元になっているとは明かされていませんが、幾つかの類似点が見られることから、エド・ゲインという男性が50年代に起こした猟奇殺人ではないかと言われています。

【事実確認】
エド・ゲインは実在の殺人鬼で、人間の死体を使って衣類や装飾品、ちょっとした家具を作ったりしたことで知られています。そのユニークで不気味な趣味思考が多くの映画制作者の想像力を刺激し、『羊達の沈黙』や『サイコ』といった映画の元となりました。

しかし、彼はテキサスの若者をチェーンソーで追いかけ回したり、惨殺するといったことはしていません。また、テキサスではなく、ウィスコンシン出身で、独自の儀式に基づいて人間の革で作ったドレスやマスクを着用しました。殺人に関しても、ハンターがシカを下ごしらえするように被害者の女性の体を「きれいに」していたのです。

また、映画『テキサス・チェーンソー ビギニング』に寄せたインタービューによると、監督本人は、「実際の事件が元となっている」というのは映画をヒットさせるための苦肉の策であって、エド・ゲイン事件のことは良く知らなかったと告白しています。そのため、映画に似た事件があったと言う事実に仰天したようですが、取り立てて否定もしなかったので「エド・ゲイン事件を元にした」という通説が流布されたのだそうです。

【結論】
真実ではない


ファイヤー・イン・ザ・スカイ 未知からの生還 (1993年)

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【事実と主張している部分】
アリゾナ州の国有林の伐採業者が、仕事を終えて帰路につこうとしていた矢先、突如として現れたUFOに捕われてしまいました。現場を見ていた同僚達は、慌てて近隣の町まで行って事件を知らせ、翌日には大々的な山狩りが行われます。しかし、その男性の姿は見つからず、UFOと思しき着陸痕や残骸といったものも見当たりませんでした。

そこで、警察は同僚達が男性を殺したのではないかと考え、彼らをポリグラフ検査にかけたのです。しかし結果は動揺しすぎて判定不能だったひとりを除いて全員シロ。そして、事件があった日から5日後、誘拐された男性が無事に地球に戻って来て、自分は宇宙人に誘拐されて宇宙船の中で繰り返し実験されたと告白したのです。

トラビス・ウォルトンが宇宙人の誘拐について語っている映像です。1時間以上の長いものですが、興味があればどうぞ。



【事実確認】
宇宙人に誘拐されたと主張しているトラビス・ウォルトンは実在の人物です。彼は、経験をまとめた『The Walton Experience』を出版し、本と映画の為に精力的に全国を回りました。

『ファイヤー・イン・ザ・スカイ 未知からの生還』に登場するエイリアンの実験とされるおぞましい内容や、誘拐された時のビームは、あまりにも出来すぎています。また、全編に渡って「私が信じるには~」という視点で描かれています。

ジェラルド・リベラは、本作でウォルトンの友人役を演じた演じたロバート・パトリックを番組に招待し、これを事実だと信じているかどうか問いました。するとパトリックは、アメリカの天文学者でSF作家でもあるカール・セーガンの言葉を引用する形で信じていると答えました。

【結論】
トラビス・ウォルトンとマイク・ロジャーズ(ロバート・パトリックの役名)は信じている。


『ポゼッション』(2012年)

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【事実と主張している部分】
「実際にあった出来事に基づく」とされる『ポゼッション』。

離婚したばかりの父親と2人の娘は、ガレージセールでアンティークの箱を見つけて家に持ち帰ります。次女はその箱に夢中になりますが、段々と人が変わったように暴力的になっていきます。実は、その箱はユダヤの民話に伝わる「呪われた箱」で、次女はとり憑かれてしまっていたのです。


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【事実確認】
ケビン・マニスは、ポーランド人大虐殺を逃れたハベラという女性の遺品整理で、この呪われた箱を手に入れました。彼が語ったによると、元の持ち主であったその女性は、その箱を降霊術の会で使っており、「ディビューク」と呼ばれる霊と交信したことがあり、降霊術で箱に閉じ込めたらしいのです。

マニスは、この箱を手に入れて以来、不気味な現象に見舞われており耐えきれなくなってオークションサイトのeBayに出品。そして、後のオーナー達も健康被害や不気味な現象を体験することとなったのです。様々な災いをもたらすディビュークの箱は多くのメディアに取り上げられ、一躍有名になりました。

余談ですが、ディビュークの箱の現在の所有者は不明だそうです。

【結論】
箱は実在するが、映画のストーリーに関して言えば嘘


ソース:「13 Horror Movies and the True Stories They're Based On」、Mothman Article via IGN 

[via io9

中川真知子

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