おかえりケイリーちゃん!
前回の記事「その姿はまるでジョーカー。美少女の脳ミソを食べる謎の殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」」でご紹介しました、12歳の美少女ケイリー・ハーディグちゃんが劇的な回復を遂げました!
鼻から侵入して、達した先の脳ミソを食い荒らし、人間を死に至らしめる...という、世にも恐ろしいアメーバに寄生されてしまった彼女。1%以下と言われる生存確率から生き延びただけでなく、徐々に回復し、今ではなんとか自力で歩けるくらいまでになったのだそうです。なのでもう、来週また学校へ通うコトとなりました。本当に良かったですね。
以下でもう少し詳しく、この嬉しい続報をお届けします。
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今回もまた、「io9」で紹介されたこのニュース。見逃した方のために、ちょっとだけおさらいしてみましょう。
今年の7月頃、リトル・ロックに在るウィロウ・スプリングス・ウォーター・パークという、プールがメインの遊園地にて、ケイリーちゃんに寄生したアメーバ。これは「フォーラーネグレリア」という名で、トップ画像にあるような『バットマン』のジョーカー似のキモいヤツです。
この症状は非常にレアなケースで、1962年からこれまで128人が寄生されており、生き延びたのはたった1人だけという凶悪な致死率となっています。ですが今回のケイリーちゃんで、それが2人に増えましたね。
奇しくも先月の上旬、フロリダに住む同じく12歳の男の子ザッカリー・レイナ君もまた、このアメーバに感染してしまい、ケイリーちゃんと同じ治療を受けたのですが...彼は助からなかったのだそうです。と言うことは、100%確実ではない治療法でも治ったケイリーちゃんには、アンビリーバボーな奇跡が起きたとしか言い様がないんじゃないでしょうか。
通常25~35℃くらいの温水の中に棲む、ミミズのような手足のないワームに寄生するこのアメーバですが、実はコイツらがウヨウヨいる水を、人間が飲み込んでも寄生はされないんですって。どういう偶然か、鼻から入った場合にのみ粘膜を食い破られ、脳ミソを食い荒らされてしまうのです。
そこで今回の続報にあたり、CNNによるリポートではこうあります。
この夏、アーカンソー州の小児科病院に搬送された直後のケイリーちゃんは、ひどい重体で呼びかけに反応もできず、呼吸器のチューブなしには自力で呼吸すらできない状態でした。
主治医となったサンジヴ・パサーラ医師によると...
---------------------------------------私たちはケイリーちゃん本人には、とても重い病気としか告げないよう決めました。そしてガンと戦っているケイリーちゃんのお母さんのように、「自分も戦わないといけないんだよ」と伝えて、皆にはとにかく彼女のために祈るように頼み回ったのです。
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医師たちは速やかに、抗真菌薬と抗生物質、そしてアメリカ疾病予防管理センターから、直接手に入れたまだ新しい実験薬である抗アメーバ薬を使用し、高かった熱を34度ほどまで下げる努力をしました。医師たちは、脳に障害を負った患者のために、傷ついていない脳組織を救うテクニックを駆使したのです。
そして2週間前のこと、医師たちはケイリーちゃんの脳脊髄液をチェックした時に、もうそこにアメーバ見つかりませんでした。
パーサラ医師は、ケイリーちゃんが助かったのは母親が彼女を早い時期に病院に連れて行ったからだ、とおっしゃいます。感染からおよそ一週間後に現れた症状は、頭痛、発熱、吐き気に嘔吐、そして極度の肩凝りというものだったのですが、さすがにお母さんもおかしいと思ったのでしょうね。
というコトで、晴れて9月11日に7週間の治療を終えたケイリーちゃんは、自分の足で何歩か歩けるように回復したので退院し、今はリハビリに精を出しています。16日の月曜日からは、様子を見ながらパート・タイムで学校へ通い出すコトにもなっています。
まだまだ完全に寄生される前ほど元気いっぱい...という感じでもないようですし、いかんせん脳ミソを食われているので後遺症も心配だったりしますが、とりあえずここまでの回復を遂げたケイリーちゃん、これからは事故の前くらいに元気になって、楽しい学校生活を送ってもらいたいと思います。
画像:D.T. John & T.B. Cole, Visuals Unlimited, via NatGeo; Facebook/Prayers for Kali.
12-year-old girl who survived brain-eating amoeba heads back to school[io9]
(岡本玄介)
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