今となっては、御飯を食べながらでもスプラッターやゴアを見れちゃう私ですが、その昔はホラー映画なんてパッケージを見ただけでビビっちゃうくらいのチキンでした。でも、何故かどんなジャンルの映画よりもホラーに惹かれたんです。まるで禁断の果実のように。
だから、マイルド表現なものを選んでは恐怖心を克服すべく訓練を重ねました。そして、ある日、私のホラー人生の幕開けとなる記念すべき作品に出会ったんです。それ以来、どんなホラーでも恐れる事無く楽しめるようになりました。ホラーは恐怖を楽しむ物なのだから、恐くなくっちゃ意味が無いと言われてしまえばそれまでなのですが...。
今回は、そんな私の経験をベースに、ホラーを見てみたいけど何となく苦手~という初心者の方に是非ともお薦めしたいホラー映画について語りたいと思います。なお、この記事の主旨は、ホラーのハードルを滅茶苦茶低くすることにあるので、内容に対する突っ込みもネタバレもドンドンしていきますので、悪しからず。
恐がりさんにありがちなホラーの見方って、ドキドキしつつ手で目を隠して隙間から覗き見する...みたいのが多くありませんか? でも、正直言って、そんなんじゃ全然恐さって半減しないんですよね。ホラーが全く恐くなくなるコツは、その映画が例えどんな残虐な物であろうと「偽物」であることを徹底的に頭に叩き込むことだと思います。つまり、特典映像の舞台裏シーンを見るということなんですが、本当の舞台裏シーンって特殊効果や特殊メイクの説明が多く、映像業界に興味がある人とかじゃないと楽しめなかったりするものです。
そこで私がお薦めしたいのが、映画『ターミネーター2』で世の女性を虜にした美少年エドワード・ファーロング主演の『ペット・セメタリー2』。この映画は、スティーブン・キング原作『ペットセメタリー』の続編です。
続編だからオリジナルを見ていないと内容が楽しめないとか、オリジナルが結構恐いと評判だから『2』も恐いかもしれないと敬遠されがちかもしれませんが、1作目なんて見ていなくても全く問題ありません。それに、ホラーテイストの『スタンドバイミー』みたいなノリで全然恐くありません。ぶっちゃけ、この作品に登場するゾンビの男性は生前よりも良い奴になりますし、ゾンビ犬は目がキュピーン! と光って野性味を帯びる程度です。それに、チキンさん必見の恐怖映画の撮影シーンが冒頭に登場します。
ちょっと怖めのBGMと共に恐る恐る階段を歩く女性。そして「カーーーット! 」という監督の声。ホラー映画はどうやって観客にその世界観に入り込んでもらうかが大事なのに、その一言で冷静かつ迅速に現実に引き戻されてしまいます。そうなると、それ以降は「ホラー映画もこういう風に作られているんだよなぁ」とか、「俳優が殺されたりモンスターが暴れ回っている周りにはスタッフが沢山居るんだよなぁ」と冷静に考えてしまって、どんなに画面の中でワーワーキャーキャー、グチャグチャザクザクされようと「俳優も大変だなぁ」程度にしか感じなくなります。
こうやって映画を一歩引いた視点から見るようにしてしまえば、どんな種類のホラー映画であろうとも恐れる事無く見る事が出来るようになります。見るに耐えられない恐いシーンが来たとしても「カーット! 」と心の中で言えば、スプラッターでもゴアでもスナッフでもカニバリズムでも、鬱系でも、コメディやラブストーリー並みのノリで楽しめるようになります。実際、中川はこの方法で1日中ホラーを見続けても屁とも思わないようになりました。単純で馬鹿馬鹿しい方法ですが、効果覿面です。
2013年は注目人気ホラーのリメイクが目白押しですよ。ホラー映画に興味があるけど一歩前に進めないチキンハートの皆さん、今年こそはホラーデビューしてみませんか?
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(中川真知子)
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