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最新の脳スキャン技術を使うと犯罪を予知できるらしい

2013/04/25 00:03 投稿

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最新の脳スキャン技術では犯罪を予知できるらしい


io9によると、ある神経科学者が、犯罪者が釈放された後に再び犯罪を起こす可能性があるかどうか? を脳スキャンで予測することに成功したそうです。それは、脳の中に「再犯エリア」的なものを見つけたということでしょうか? 

今回は『Nature News』のレジーナ・ナッツォ記者がまとめた研究者達の所見を紹介したいと思います。
 


【大きな画像や動画はこちら】

 
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ニューメキシコ州のアルバカーキにある、非営利のMind Research Networkの神経科学者ケント・キール氏と、その共同研究者は、釈放直前の男性受刑者96人を対象として研究を行いました。彼らは、受刑者達に、迅速な判断を要したり衝動的な反応を抑制しなくてはならないコンピュータータスクを与え、その間の脳の様子を機能的磁気共鳴画像(MRI)でスキャンしたのです。

このスキャンでは、意思決定や共感、また情動等の認知機能に関わっているとされる前帯状皮質(ACC)の動きに注目しました。そして、出所後に、彼らがどのような生活を送るのかを追ったのです。

調査対象者の中で、迅速な意思決定をするタスクでACCの活性が低かった者は、年齢や薬物、またアルコールの乱用、精神病等、他のリスク要因を確認した上で、出所後にも犯罪を犯し逮捕される可能性が高かったという結果が出ました。そして、ACCの活性ランキングの下半分に位置した男性は、あらゆる犯罪の再逮捕率が2.6倍、非暴力犯罪での再逮捕率は4.3倍という数字となりました。


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昨今、どのようにすれば脳イメージングスキャンで未来の行動を予測出来るのかということが研究されており、今回紹介したものは、その中の最新のものです。しかし、fMRIに依存する研究は、その信頼性に議論の余地があります。数年前のことですが、死んだサーモンの脳をfMRIでスキャンしたところ、活動しているとマシンが読み取ったことがありました。

このように、スキャンは決して完璧ではありません。ACCの活動が低いという結果が出た男性でも、確実に犯罪を犯し、再び刑務所に戻ってくるという保証はありません。確実で無い限り、再犯の可能性が高いというデータが出からと言って、その囚人の刑を重くする等の処置をとった場合、倫理的な問題も起こるでしょう。

どのみち、このスキャンは、ポリグラフ(うそ発見器)と同様の批判を受けることになることが予想されます。(それが、例えキール氏自身が、実用には早いと考えていてもです。)しかし、ポリグラフとこのスキャンには、重要な違いがあります。それは、未熟だとしても、この脳科学は、概して人間の行動と社会に対する重要な見識を明らかにする可能性があるということでしょう。

研究者達の発見は、最新号のPNASに掲載されています。詳細は、Nature Newsをどうぞ。


[via io9

(中川真知子)

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