もし、映画やドラマ、本の世界の住人のように、タイムトラベルが出来るなら、何をしたいですか？ 過去に行って、歴史的イベントを生で見てみたい？ それとも、未来がどうなっているかを見たいですか？
自ら望んでタイムトラベルすれば、そういう余裕もあるかもしれませんが、万が一、不可抗力でタイムトラベルしてしまったら、そして、その時代に取り残されてしまったら、どうすれば良いのでしょうか？ 自分が持っている知識や能力を駆使して脱出を試みようとするでしょうか？ それとも、これ幸いと己の欲を満たそうとしたり、最悪の場合、先祖とのセックス願望を満たそうとするなんてこともあるかもしれませんね。
今回は数あるタイムトラベルものの中から、「時をかけるべきではなかったダメダメタイムトラベラー10人」を順不同でご紹介します。それでは、詳細を以下からどうぞ。
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1）『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ・マクフライ
厳密には、マーティはタイムトラベラーとは言えないかもしれません。彼は、友人のドクがリビアの過激派に殺されてしまった現場に居合わせ、逃げる際に偶然タイムトラベルで50年代に行ってしまったのですから。しかし、それでは自分の母親と関係を持ってしまいそうになったり、『PART2』で未来に行って、スポーツ結果の年鑑を買い、現代で金持ちになろうとしたりすることへの言い訳にはなりません。タイムトラベルが本意で無かったのなら、歴史を動かしかねないことは自重するべきでした。
2）『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』のハンク・モーガン
マーク・トウェインは、『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』を執筆した時、「バタフライ効果」のことを知らなかったのでしょう。ハンク・モーガンが中世イングランドで目を覚ました時、目についた蝶を殺してまわっているのがその証拠です。
その後彼は、日食を利用し処刑を逃れ、科学の知識を使って自身を魔法使いであると民衆に思い込ませることに成功。王の次に権力を握るようになります。また、モーガンはリボルバーで騎士を撃ち、マーリンのタワーを爆破。自転車を作り、アーサー王を奴隷の罪で牢屋送りにし、教会との戦争を引き起こします。
一言でまとめるとすれば、中世イングランドで出会った人全てを不幸にしています。少し考えれば、歴史を変えてしまうことの重大さに気付けるはずなのに、やりたい放題。こんな人にはタイムトラベルはして欲しくありません。タイムコップを送り込むべき案件ではないでしょうか。
3）『スーパーマン』のスーパーマン
スーパーマンは、レックス・ルーサーが生み出した人工地震で命を落としたロイス・レーンを救うために、時間を戻しました。地球の周りを光速回転して時間を数時間ほど戻しただけなので、厳密にはタイムトラベルとは言えないかもしれませんが、歴史を書き換えたという点でリストに含めました。
4）『アヌビスの門』のブレンダン・ドイルとJ・コクラン・ダロウ
ティム・パワーズのタイムトラベル＋スチームパンク小説『アヌビスの門』では、時間旅行の方法を見つけたという死にかけの大富豪ダロウと、英文学者のドイルが19世紀にタイムトラベルします。
しかし、ドイルは19世紀に来るや否や、現在に戻る「時空の孔」を失ってしまい取り残されてしまいます。そんな彼を待ち受ける事件の数々。食器洗いの仕事すらまともに出来ないドイルはホームレスとなってしまいます。そして、魂と肉体を入れ替えることのできる魔術師と出会ったことで、自分がかつて研究していたこともある詩人のウィリアム・アッシュブレスになってしまうんです。
また、時を同じくして、ダロウは実業家となり、健康な体と入れ替えてもらうべく魔術師と行動を共にするようになります。このふたりのダメな点は、例えタイムトラベルが出来たとしても、怪し気な魔術師とは親しくならない方が懸命だったということでしょう。
5）『フューチュラマ』のフィリップ・J・フライ
ピザ屋の配達人フィリップは、1999年の大晦日の日、配達途中で偶然冷凍装置に入ってしまい、3000年に目を覚まします。その後、1940年代に行ったり、また1000年先の未来に行ったり、またビッグバンの頃に行ったり、そうかと思えば31世紀に戻ったり...。
基本的に、フライはタイムトラベルが上手くありません。行く場所や時をコントロール出来ていません。しかし、フィリップの最大の問題点は、コントロールの悪さではないんです。彼は、40年代に行った時、自分の祖母と関係を持ってしまったのです。
とは言え、彼は単純に近親相姦がしたかったのではありません。結婚する前の祖父をあやまって殺してしまい、その後の流れで祖母がフライを誘惑したことが原因です。しかし、祖母と肉体関係をもってしまったことには違いありません。結果的に、自分の祖父が自分自身、という恐ろしい事態を引き起こしてしまいました。
6）『ロスト』の生存者
飛行機が墜落したのは、70年代の不思議な島。この状況を打破するには、どうするか。『ロスト』の生存者達は、歴史をリセットするべく爆破を試みます。しかし、島はまともな場所では無いため、爆破は失敗してしまいます。残念ですが、この計画は穴だらけです。
「肉体を交換出来る魔術師を雇って、どうにかしてもらおう」なんてアイディアよりはまともですが、やはり「取りあえず爆破してみて、後は運を天に任せよう」では、上手く行きっこありません。もう少し良いアイディアを出せる人間でないと、タイムトラベルは向いていないのでしょう。
7）『愛に時間を』のラザルス・ロング
『フューチュラマ』のフライは、過去に行って自分の祖母と体の関係を持ち、自分自身が自分の祖父になってしまいました。このおぞましい事実を正当化するつもりはありませんが、少しだけフライのことを庇うのであれば、あれは自分の祖父を殺してしまったと勘違いしたフライが、自分の存在を存続させるためという、やむにやまれぬ事情がありました。
しかし、ラザルス・ロングには、そんな事情はありません。彼はタイムトラベルして母親に会った時、彼女は既に彼を妊娠していたのですから。にも関わらず、彼女と体の関係を持ちます。とんでもないことです。幸いなことに、歴史に重大な影響を及ぼしたわけではありませんが、近親相姦なんてタイムトラベルのルールの中でもトップレベルのタブー。非常に悪趣味です。こういう人間は、タイムトラベルなんてするべきではありません。
8）『Time Chasers』のニック・ミラー
アメリカのカルトテレビコメディシリーズ「Mystery Science Theater 3000」の中の、低予算サイエンスフィクション映画『Time Chasers』に登場するニック・ミラーは、Commodore 64を搭載した軽量飛行機でタイムトラベルします。しかし、ニックはそのマシンを悪のCEOに渡してしまい、悪のCEOはマシンを悪用し、未来を乗っ取ってしまいます。ニックは、未来を守るために、タイムトラベルの秘密が書かれたフロッピーディスクを破壊しますが、タイムトラベルがどんな影響を与えるのかをよく考えないで人に渡してしまうような人は、やはり向いていないのでしょう。
9) 『サウンド・オブ・サンダー』のTIME SAFARI社の社員
時間旅行を販売するTIME SAFARI社ほど、悪徳な会社は無いでしょう。彼らは、金持ち相手に、「白亜紀での恐竜ハンティング旅行」を販売しているのです。いくら技術があったからと言って、歴史を書き換える可能性が非常に高いことを金儲けに利用するなんて、近親相姦と同じ、いやそれ以上のタブーでしょう。
しかも、問題はタイムトラベルを使った金儲けだけではありません。彼らの仕事っぷりは非難されるべきことが数多くあります。例えば、消費者を噴火間際の火山に連れて行ったり、高額だからという理由でバイオフィルターを使わずにタイムトラベルさせたり、挙げ句の果てに、歴史に多大なる影響を与えるタイム・ウェイブを起こしたり、バブーンとトカゲを組み合わせたようなミュータントを生み出したりします。科学者は不可能と言われる事に挑戦したがるようですが、そこに金儲けを組み合わせてはいけないという例です。
10）『バタフライ・エフェクト』のエヴァン
アシュトン・カッチャー演じるエヴァンは、自分が幼い頃に書いた日記を読んだ事で、自分にはタイムトラベルする能力と、幼なじみのケイリーの人生を乱してしまった事を知ります。
そこで、過去に戻り、児童ポルノに出演したこと、妊婦を殺したこと、父親から殺されかけること等を含む酷い幼少期を書き換えようとします。しかし、どんなにエヴァンが努力しても事態は悪くなるばかり。彼が刑務所に入れられた上にレイプされたことや、また、別の時には、現在に戻って来てみると両腕が無かったこともありました。エヴァンだけでなく、幼なじみのエイミーの人生までも滅茶苦茶にしてしまうこともありました。何度繰り返しても、彼が望む結果を得られないばかりか、事態は悪化の一途をたどるばかり。にもかかわらず、タイムトラベルを止めません。2・3度繰り返したところでやめられないような人は、タイムトラベルしてはいけないでしょう。
［via io9］
（中川真知子）
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